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ゆったり悠久の歴史をタイムスリップ奈良まほろばサイクリング・上ツ道ルート(奈良)

 いにしえの奈良の都から、神話の世界へ。歴史を遡るサイクリングに出掛けましょう。上ツ道(かみつみち)は飛鳥時代に奈良盆地を南北に縦断するために官道として整備され、平安時代以降も寺院への参拝道として賑わいました。悠久の歴史を感じられるルート。上りも少ないので、ゆっくりのんびり楽しみましょう。

国宝の宝庫から歴史的町並みへ

 コースは東大寺の近く、奈良県庁前をスタートします。JRや近鉄の奈良駅からは少し東に行った場所です。この辺りは奈良公園のエリアで、鹿が歩道にまでいっぱい出てきて観光客と触れあっています。

コースは奈良県庁前からスタート
歩道にまで鹿がいっぱい

 まずは興福寺をぐるりと回るようにして南へ。大きく目立つ五重塔や並んで建つ東金堂をはじめ、国宝だけでも26件を所有しています。有名な阿修羅像もここにあります。

興福寺は国宝・重要文化財の宝庫

 猿沢池をかすめるように南へ曲がり、「ならまち」へと入っていきます。このエリアは江戸時代以降の町屋が多く建ち並び、歴史的な町並みを今も楽しむことができます。道幅は狭く、自転車もゆっくり走ります。ギャラリーやカフェなど面白そうな店の看板が目に入りますが、まだスタートしたばかり。またの機会にと誓って先に進みます。

ならまちエリアの入り口。歴史的な町並みが続きます
伝統的な町屋がそこここで現役
登録有形文化財の「木奥家住宅主屋」。18?19世紀に建てられた町屋

 まっすぐ南下していくと、市街地を徐々に抜け、畑や今風の住宅が目に付くようになります。しばらくはJR桜井線沿い。コンビニもない、のんびりとした風景の中を走ります。急に道幅がぎゅっと狭くなると、そこは古くからの町並みが現れる合図。街道沿いにある帯解寺(おびとけでら)は、安産祈願のお寺として知られ、皇后陛下ら皇族の方々も安産祈願に訪れたことがあるそうです。

JR桜井線沿いに南下
道が細くなると、古い町並みが現れるサイン
帯解寺は安産祈願のお寺として有名

古墳時代の足跡をたどる

 帯解の町を少し過ぎたところで、ならまちから続いた南進ルートから左に曲がり、しばらく東向きに山側へと移動していきます。ようやく(?)コンビニがあるので、買い物やトイレの用があればこの辺りでどうぞ。少し標高を上げたところから再び南下します。

コース上には「ならクル」の案内標識が時折現れる

 奈良県では広域的な自転車利用ネットワークとして「奈良まほろばサイクリング」(通称:ならクル)という、全長約600kmに及ぶ31のコースを選定しています。コース上には時々案内板も立っていて、「コース合ってるかな?」と不安になった時にも安心できます。

 ここからしばらくアップダウンが続きます。高速道路を大きな橋で越えて、下りを終えると天理市の中心部へと出ます。天理市は「天理教」の本拠地。宗教団体の名称が市の名前になっているのは全国で唯一というだけあって、道を走っていてもそこかしこに天理教関連とおぼしき施設や建物を見かけます。信者が天理の本拠地を訪れることは故郷帰りにあたるとのことで、あちこちに「ようこそおかえり」の看板があります。

天理市内には天理教の施設が点在
あちこちに「ようこそおかえり」のメッセージ

 天理の町外れあたりから、道路沿いには古墳が次々と現れるようになります。道路左手に面している西乗鞍古墳は、少し上まで上がって行けました。前方後円墳なのだそうですが、近くから見たら単なる小山です。上空から見たら違うのでしょうか?

道の左側に現れた西乗鞍古墳
西乗鞍古墳の敷地内。近くからだと前方後円墳の形はよく分からず

 この先も、崇神天皇陵(行燈山古墳)、景行天皇陵(渋谷向山古墳)と大きな古墳が進路左手に続きます。天皇陵と伝わるこれらの古墳は、宮内庁が管理しているらしく、美しい緑が広がっています。が、やはり近くからでは、山にしか見えません。とはいえ生い茂る木々は、産業化された山林とは雰囲気がまるで異なり、神々しさも感じられます。

周囲が美しく整備されている崇神天皇陵
景行天皇陵の拝所。天皇陵とされる古墳で宮内庁が管理しています

神話の時代から続く神社

 巻向駅前で桜井線をクロスすると、久々に旧街道らしき風景が現れます。この近辺は三輪素麺が有名で、そうめん発祥の地とも言われているそうです。少し足を止めて、昼食休憩といきましょう。

道がぎゅっと狭まり、再び旧道の風情に

 国道169号線沿いに店を構える三輪素麺茶屋「千寿亭」には、駐車場にサイクルラックが置かれていて、サイクリストウェルカムです。店内には空気入れや、自転車を停める際の鍵も置かれているとのこと。三輪素麺の製造販売の老舗「池利」が直営していて、季節に合わせた旬の食材を使ったそうめん料理を楽しめます。

バイクラックが設置されている三輪素麺茶屋「千寿亭」
ボリューミーな「トマト味噌にゅうめん」

 そうめんと言えば、夏によく食べる冷たいものを最初にイメージしますが、温かい「にゅうめん」もお勧め。ちょっと変わり種の「トマト味噌にゅうめん」は、トマトと味噌はもちろん、山菜や炒めた豚肉、チーズ、ゆず、具入りのかまぼこなど、具だくさんで濃厚な一杯でした。

■三輪素麺茶屋 千寿亭

住所:奈良県桜井市芝293
電話:0744-45-0626(FAX同番号)
営業時間:AM11:00~PM5:00までご入店
休日:金曜日(金曜日が祝日、または1日の場合前日が休日)・元旦休業

 いつの間にかもう桜井市。国道沿いに大きな鳥居が現れます。大神神社(おおみわじんじゃ)は日本最古の神社といわれ、その創建の由来が「古事記」や「日本書紀」の神話の中に出てくるほどのもの。三輪山全体を御神体としており、日本人の信仰のルーツに触れられるパワースポットです。

大神神社の大鳥居
大神神社は三輪山全体を御神体としています

 大神神社を過ぎると、桜井の市街地をゆっくりかすめて、吉野方面へと向かいます。目の前には山が迫り、上り坂の予感…。コースも終盤、ラストの丘越えです。勾配は全体に緩めですが、2kmほど上りが続くので、マイペースで走りましょう。

日本人の心の故郷へ

 丘の頂上を越えて少し下ると、そこは飛鳥(明日香村)です。古代国家誕生の地で、いわゆる「聖徳太子」や「大化の改新」の時代に約100年間、政治文化の中心地だった場所です。道路沿いの飛鳥資料館は、庭園であれば入場無料。亀石や猿石といった奇石を一同に(レプリカですが)見ることができます。不思議な造形は日本に仏教が根付く以前の、神話の世界とのつながりを感じさせます。

不可思議な亀石
こちらは猿石

 平地に広がる田畑や、向こうに見える低い山は、不思議な懐かしさを覚えます。「昔の人も同じ風景を見ていたのだろうか…?」などと考えながら、橿原へとゆるやかに下っていきます。

古代の日本人もこの風景を見ていたのかも
ルートが狭い道路に当たると、すっかりワクワクするようになってしまいました
飛鳥川を渡ります

 橿原神宮の駅近くで、ぐるりと石川池(剣池)をかすめるように曲がります。池の中央に突き出す小山は、孝元天皇陵とされています。亀石を見てきた直後だからか、水に囲まれた小山は、池に浮かんだ亀のように見えてきます。水面に目を向けると、ちょうど亀が甲羅干しをしていました。

橿原神宮駅近くの石川池(剣池)。中央に突き出るは孝元天皇陵
亀が甲羅干し中

 駅を迂回して線路を2つ越えると、いよいよゴールの橿原神宮です。北側には初代天皇とされる神武天皇陵があります。明治時代の創建と比較的新しい神社で、壮大かつ整然とした作りは明治神宮や靖国神社といった新しい神社と共通点が見られます。平日の午後とあって周囲は静寂に包まれていました。すっかり周囲は「神話の国」。ここから悠久の歴史が現代へ続いているのです。

雄大な橿原神宮にゴール

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