阿蘇小国は九州の中でも、特に自然と温泉に恵まれた地域で、阿蘇外輪山の北側に位置し訪れるサイクリストも多い。地元ならではの、ちょっとマニアックな道も含めてご紹介します。

オススメポイント | 阿蘇小国町と周辺のサイクリングスポットを巡るルート。地元ならではのマニアックな道を走り、サイクリストが集うカフェに立ち寄れる。 |
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レベル | ★★★(上級者向け) |
距離 | 95.7km |
獲得標高 | 1,559m |
始発・終着地 | 木魂館 |
立ち寄りグルメ | 手打ちそば 優心(そば)、黒豚屋(黒豚のメンチカツ)、Tea room 茶のこ(白玉団子) |
立ち寄りスポット | 瀬の本レストハウス |
小国杉でできた「木魂館」起点

今回のスタート地点は小国町の木魂館(もっこんかん)。北里大学、慶応大学医学科を創設した細菌学者北里柴三郎博士の記念館に併設された研修宿泊施設だ。 建物は小国杉で作られたダイナミックな造形。温泉、食事処もありベースにするのに最適で、以前はマウンテンバイク(MTB)のJツアーが開催されるなど、ライドイベントも数多く行われており、自転車乗りの認知度も高い。ライド後には温泉に入るのもおススメだ。クルマは本館前ではなく国道沿いの駐車場に駐車しよう。
■木魂館
住所:熊本県阿蘇郡小国町北里371-1 電話:0967-46-5560 休館日:火曜 ウェブサイト:http://manabiyanosato.or.jp/

地面から湯煙沸く岳の湯

国道387号線を北上、すぐに岳の湯方面へと曲がる。軽いアップダウンを過ぎ、岳の湯のモウモウと湧き出る湯煙の中を進む。その蒸気は蒸し鶏や蒸し野菜、温泉卵、さらに木材加工などにも利用されている。地熱が高いため冬でも座るとポカポカと温かい。 ファームロードに曲がる手前に人気のパン屋さん「そらいろのたね」がある。10時開店と朝早くは開いてないので注意。山の中に手作りで建てられた絵本の中に出てきそうなパン屋さんだ。ファームロードは勾配10%弱のアップダウンの連続。勢いで上れないので、なかなの手応え(脚応え?)がある。勢いよく下って行ったら雪が残っていて焦ったことも。
■そらいろのたね
住所:熊本県阿蘇郡小国町西里3223-20 電話:0967-46-3666 営業時間:10:00-17:00 定休日:木曜ほか ウェブサイト:http://soraironotane.jp/
ランチは手打ちそばか黒豚のメンチカツ

ファームロード終点から国道442号線に出たら小国町中心部へと向う。小国両神社を過ぎると右手にモダンな蕎麦屋さん「手打ちそば 優心」がある。若いご主人の北里さんが打つ蕎麦は細目で洗練されており、小国名産の舞茸が入った天丼もおススメだ。「手打ちそば 優心」は残念なことに午前11時開店で日曜が休みなので、行程によっては行けない場合がある。



そんなときは100mほど先にある「黒豚屋」の黒豚のメンチカツはいかが? 阿蘇山麓で育てられた黒豚で作られたジューシーなメンチカツはファンも多い。店主の宮崎さんは木魂館でMTBレースに携わっていたので、今でもお店にはたくさんのMTB乗りが集う。
■手打ちそば優心
住所:熊本県阿蘇郡小国町宮原1635-5 営業時間:11:00-15:00 定休日:日曜 電話:0967-46-2839
■黒豚屋
住所:熊本県阿蘇郡小国町宮原1613 営業時間:9:00-18:00 定休日:水曜(祝日の場合は翌日) 電話:0967-46-5572



デザートは「Tea room 茶のこ」へ
ランチをしっかり食べたら、のどかな小国の風景の中を走り、デザートは5kmほど走って南小国の「Tea room 茶のこ」へ。何を隠そう筆者の店だ。 日本だけではなく海外からもサイクリストが訪れるカフェは、ランチから和洋中の自家製スイーツがそろう。人気なのは黒豚のハヤシライスだが、おなかいっぱいの人にはパフェがおススメだ。サイクリストなら白玉団子も外せない。最上級の熊本名産白玉粉に香ばしい国産きな粉がたっぷり、あんこも十勝産大納言を使用。お茶も九州のものをそろえている。 2000年の開店当初より禁煙なので安心して過ごせる。食べたばかりで、まだおなかいっぱいだったらルートを変更して帰りに寄るのも良いかもしれない。その場合、茶のこは午後5時がオーダーストップなので、要注意だ。


■Tea room 茶のこ
住所:熊本県阿蘇郡南小国町赤馬場138 営業時間:11:00-17:00 定休日:木曜 ウェブサイト:http://chanoko.net/ そこから川湯が見える満願寺温泉を過ぎる。元寇襲来のとき北条時定が敵国降伏祈願の勅願を得て建立された由緒ある満願寺。野菜や食器を洗う人の横で川湯につかる姿は、日本の原風景のようだ。そこから細い田舎道を抜け小田(おた)温泉へ。黒川温泉ほどメジャーではないが1975年と比較的新しい温泉で、雰囲気が良く、上質な宿が多い人気急上昇のスポットだ。脇道の通称マラソンロードに入ると、怪しい看板に出会う。「和製コブラ」とは何なのか、分からずじまいだった。



春には野焼きの後を走ることができ、あたり一面、茶色の世界が広がる。さらに進んで森を抜けると右に阿蘇山、左に九重山が見える草原の中の道に出る。どこまでも日本離れした風景だ。進んでいくと阿蘇らしい赤牛がお出迎えしてくれる。そんなに見つめると、これから食べにくくなるじゃないか…。


上り切ったところにある三愛レストハウスで飲み物補給。標高900mの瀬の本高原に位置する三愛レストハウスは、やまなみハイウェイと国道442号線の交差点にある。土産物だけでなく周囲では少ないコンビニもあって便利。冬は「おしるこ」があるのがサイクリストに有難く、バイクラックも完備されている。 三愛レストハウスから続く「やまなみハイウェイ」はサイクリストやライダーのメッカだ。大分湯布院と熊本阿蘇を繋ぐこの道は、以前は有料道路だったが今は全線無料だ。くじゅう連山、飯田(はんだ)高原、瀬の本高原の大自然を満喫でき、全国からドライバー、ライダー、サイクリストを問わず走りにやってくる。大分から阿蘇へ抜けるサイクリストも多く、ミルクロード、大観峰へと続く道は絶対に走る価値がある。

北外輪山の稜線を走る「ミルクロード」
阿蘇の北外輪山の稜線を走る通称「ミルクロード」は、周辺に酪農家が多くミルクを運ぶことからとも、霧で真っ白になるからとも、そう呼ばれる。阿蘇五岳や、くじゅう連山の雄大な景色を眺めながらのライドは最高だ。


メジャースポットの大観峰はクルマやバイク、大型バスも多いので注意。名前の由来は、阿蘇北外輪山の最高峰935mの遠見ヶ鼻を徳富蘇峰がその雄大な景色に感動して「大観峰」と命名したと言われている。そのまま、大観峰から国道212号線を下ってもいいが、ここは北展望台まで脚を伸ばし、マゼノミステリーロード経由で下る。

パワースポット「押戸石」

途中、押戸石というパワースポットがあり、ぜひ訪れてほしいが、未舗装路があるので慣れた人以外、おススメできないのが残念だ。ミステリーロードの終点を左折して、このまま国道212号線を下ると早いけどちょっと回り道。ひっそりとした心地よい山道を抜け、中原(なかばる)集落の低いカーブミラーが撮影スポットだ。 ここまで約90km。木魂館までは残り10kmを残すのみだ。余力があっておなかが空いていれば茶のこに戻ってスイーツを頬張るか、早く戻って温泉につかるか。どちらにしても、最高の締めくくりだ。 今回のルートは、どちらにしても広大なルートを走った開放感と心地よい疲労感があなたを包んでいるはず。次は阿蘇山に、やまなみハイウエイを走破と夢は広がる。