静岡にある「西伊豆スカイライン」はドライブに最高のルートです。信号もなく走りやすく、富士山も見える景色は抜群です。でもロードバイクで走るとなると、かなりの上級者向けのコースになります。標高差800mをぐんと上り、そこから細かなアップダウンを繰り返すので、かなり脚が削られます。ただ、そのアップダウンこそが伊豆ならではの地形。ならばこちらも伊豆地域の推しバイク「e-Bike」で上り問題に挑みたいと思います! とはいえ、果たしてゴールまでバッテリーはもつのでしょうか…?

オススメポイント | 景色抜群の西伊豆スカイラインをe-Bikeで走ります。獲得標高約1400m、距離76kmの健脚ルートをアシストパワーに助けてもらいます。一周ループを右・時計回りで走るのがポイント。美しい川を辿り上る、目にも麗しいルートになります。最高地点の仁科峠、西伊豆スカイライン途中の土肥駐車場近辺で富士山が見えるかも? 夏場の富士山は山頂に雲がかかりやすく、綺麗に見えたらラッキーです。 |
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レベル | ★★★(上級者向け) |
距離 | 76.2km |
獲得標高 | 1374m |
始発・終着地 | メリダ Xベース(レンタル施設、静岡県伊豆の国市) |
立ち寄りグルメ | あまご茶屋(わさび蕎麦)、三芳屋製菓(しいたけマドレーヌ) |
立ち寄りスポット | 仁科峠展望台、修善寺温泉街 |
「伊豆といえばe-Bike」といわれるようになったのは、e-Bikeに積極的なメリダが伊豆に「東洋一」といわれる自転車レンタル拠点「メリダ Xベース」を作ったから。Xベースがある道の駅「IZU VILLAGE」内には手頃な価格で泊まれるおしゃれなホテルもあったりと、サイクリングを楽しむための施設が充実しています。
■IZU VILLAGE
所在地:静岡県伊豆の国市田京195-2 TEL:0558-76-3355 HP:http://www.tokinosumika.com/izuvillage/ 今回ここでレンタルしたのは、通勤にも便利なe-Bike「メリダ・ePassport」。借りた理由はリアキャリアと泥除けがついているからです。荷物は背負わずキャリアに積みます。

標準のフラットペダルを使って、全コースにおいてアシストを標準モードで走りました。ふらっとレンタルしたe-Bikeは、獲得標高1400m、距離75kmを走り、果たして最後までバッテリーは持つのか。それを確かめるのも目的の一つでした。


西伊豆スカイラインを目指すなら右回りがおすすめ
西伊豆スカイラインは伊豆中央にある修善寺駅の南西を走る道。伊豆の山脈群、尾根沿い標高800mほどの美しい景色の中を走ります。富士山だって見られます。ですがアップダウンが多く、路面もクルマ向けのため、細いタイヤのロードバイクで走るには健脚と経験が必要です。その標高差と路面を、太めのタイヤとアシストパワーのクロスバイク系e-Bikeでラクラクやってみよう、というのが今回のテーマです。 Xベースから西伊豆スカイラインを狙うルートは、スタートから南に丸を一周描くように走ります。つまり時計回りと反時計回り、2種類の回り方がありますが、ここは声を大にして「時計回りの右回りが良い!」とお伝えします。このコースで一番楽しいのは、地図でいうと南側のルート。風早峠に向かって上る、景色がめまぐるしく変わるいい感じの上り坂です。せっかく上りが楽しいe-Bikeなのに、この坂を下ってしまうなんてもったいない。

バッテリー残量「5」 狩野川沿いを時速20km前後で快適に上る
ということで、時計回りの右回りルートを走ります。Xベースを午前10時にスタートしました。Xベースの裏を回り込むように、狩野川の右岸(進行方向でいうと左側)のサイクリングロードに入ります。 サイクリングロードは途中で途切れるのですが、「なんとなく」の本能でサイクリングロードに戻ります。狩野川沿いを右に眺めながら走ると、突き当たりで修善寺駅周辺に出ます。そこから途中軽く旧道を通り、県道349号「修善寺天城湯ケ島線」へ。車もそれなりに通る道路ですが、青い矢羽が敷いてあり走りやすいです。

狩野川沿いに、じんわりと上っていきます。伊豆半島の頂きとなる天城山から流れる狩野川は、上流になるほど細く可愛くなります。この小川を愛でるのも、コースのもう一つのテーマです。 高速道路を走る車を見ながら旧道を自転車で走っていきます。アシストに合わせるように脚を回していくと、このe-Bikeは時速18〜20kmほどの速度で走ります。汗も風ですぐ乾く程度にしかかきません。

矢羽ルートから外れて寄り道。ここでぜひ立ち寄ってほしいのが「三芳屋製菓」。ここは伊豆銘菓「椎茸マドレーヌ」の元祖で、マドレーヌの中にしいたけが丸々と入っています。話のネタにぴったりですし、意外に(?)美味しい。


この先、伊豆スカイラインでは水や食べ物を調達できる場所はありません。容易にハンガーノックに陥る状況になるので、補給食として一つは買って携帯していきましょう。もしかしたら、このマドレーヌがあなたを救うことになる、かも?
■三芳屋製菓
所在地:静岡県伊豆市青羽根141 TEL:0558-87-0043 営業時間:10時~18時 定休日:不定休 しいたけが苦手な人は、もう少し先にある「ヤマモトフードセンター」がおすすめです。ここは伊豆の山で獲れた鹿や猪などをコロッケや焼豚にして販売しています。


寄り道が終わったら矢羽の道に戻ります。走るのは、「伊豆縦貫道」ができてあまり使われなくなった、天城越えに繋がる旧道。当時の様子に思いを馳せます。
バッテリー残量「4」 時速12km前後で美しい小川を愛でよう
そうこうするうちに「東京ラスク 伊豆ファクトリー」の看板が見えてきます。この角を右に曲がって矢羽に別れを告げ、山道を上ります。曲がり角にある「あまご茶屋」にはお昼前後に到着するはずなので、ここで昼食を。おすすめは伊豆名産のわさびを使うわさびそば(1300円)です。

■あまご茶屋
所在地:静岡県伊豆市市山540-1 TEL:0558-85-2016 営業時間:11時から15時 / 17時から21時 店休日:水曜 HP:https://www.amago.co.jp/chaya/ あまご茶屋の角を右に曲がり県道59号線「伊東伊豆線」に入ります。ここから本格的な上りです。交差点近くにコンビニがあるので、水分と補給食をここで満タンに補充しておきましょう。とくに水は重要です。山に入ってしまうと水源はほぼありません。

この上りこそがぜひ走って欲しいルートの1つ。狩野川へと流れる猫越川支流、そしてその元となる持越川を上ります。これをe-Bikeの楽チンさでゆっくりと堪能してください。速度は12kmぐらいでのんびりと。川のそばなので、夏でも涼しいかもしれません。


バッテリー残量「3」第1ピークまでバッテリー残り半分
再び走り始めて1時間20分、風早峠に到着します。ここで右に曲がると西伊豆スカイライン、左に曲がると最高標高の仁科峠です。ここまでずっと森の景色を見てきたので、ここでの開けた景色、美しい伊豆の展望をしばし楽しみながら休憩しましょう。 ここまでのバッテリー残量は、目盛り読みですがおおよそ半分ぐらいです。そして体は全く疲れていません。驚くぐらい疲れていません。ズルした感じたっぷりです。

疲れてもいないのに存分に休んだら、さらに100mの標高を10分ほど上り、最高地点の仁科峠を目指しましょう。幸運なら、ここが富士山が見える「フジヤマスポット」です。さらにトレッキングで歩いて最高標高に向かうのも良いですが、まあ特に用がなければ来た道を下ります。



道はついに「スカイライン」らしくなってきます。車のグリップ向けに入った縦溝は、太めタイヤであれば気をつけていれば問題ないでしょう。借りたe-Bikeは29インチ×2.0の太いタイヤで心強い。また油圧ディスクブレーキなので、下りでも強力に速度調整ができて安心です。ただスピードが出ると下りのハンドルのコントロールがしにくくなるので、ゆっくりめでのんびり下りましょう。自転車はそれぞれの車種に最適なスピードがあります。


途中にあるトンネルは電灯もなく真っ暗です。e-Bikeにはライトがあらかじめ付いているモデルが多いのでトンネルに入る前に点灯させるようにしてください。
バッテリー残量「2」 最後の激坂はアシスト任せの鼻歌交じりで
下り切った船原峠からは、また標高差300mを5kmで上る、30分ほどの上りっぱなしのセクションです。ここでバッテリの残量は2。ちょっと不安になってエコモードに入れたくなりますが、今回は終始標準モードでバイクに踏ん張ってもらいます。「西伊豆スカイライン」という名称の道は、上り始めたこの辺りから始まります。 名前のイメージとは異なり、西伊豆スカイライン自体は周りの木が鬱蒼として道幅もあまり広くありません。

景色も見えないところが多いですが、その分夏場は日陰で涼しく上れることでしょう。走行時速を8km前後に抑えておくと、息をほぼ乱すことなく上り続けられました。「鼻歌交じり」とはまさにこのことです。

ここを上り切ると、あとは富士山がきれいに見えるコーナーへと向かって下る、大円団を迎えることになります。…が、ここでバッテリーの残量がついに1になりました!
バッテリー残量「1」 下りとはいえ、残り25km大丈夫?
さあ、ついにバッテリーは最終段階、コースもあとは標高差800m、25kmを下るだけ。下りゆく途中に、富士山が美しく見える、CM撮影などにもよく使われる「富士山コーナー」があります。美しく見えればそこでゆっくり過ごすのも良いでしょう。

しかしその地形がゆえに雲がかかりやすい場所でもあり、夏場には奇跡の富士山を拝むどころか、雲の中を走るという初めての体験をすることになるかもしれません。

本格的に下りが始まり、突き当たる戸田峠を右、修善寺方面へ下ります。そのまま県道を下って修善寺温泉街に出るのもいいですが、一本裏の旧道に出て下るのも、田園景色が拝めてきれいです。 そして、修善寺温泉街から、Xベースに戻る狩野川沿いまでに、一度上り返しがあります。距離はそれほどないですが斜度はあります。実は今回、この地形を上り切った辺りで、ついにバッテリーが切れました。
バッテリー残量「0」 残り6kmだけど下り基調だからOK!
こうなると覚悟が決まります。残すは基本下り基調の残り6km。修善寺温泉街から駅の方に向かって旧道を下り、懐かしの狩野川を、今度は対岸を走ります。


バッテリーに頼れなくなり、自分で脚を回し始めてみるとサイクリングロードが下り基調ということもあって、これが意外に速い。バッテリーがある時には出さなかった時速25km平均ほどでXベースまで戻りました。所要時間としてはちょうど7時間。レンタルe-Bikeでの西伊豆スカイラインルート、時間もバッテリーも全てしっかり使い切って完走できました。 最後のバッテリー切れはちょっと驚きましたが、途中の上りでエコモードにするなり、節約すれば最後まで持つかもしれません。まあバッテリー切れでも最後は下り基調なので、なんとか帰りつくことはできるでしょう。

ゴール後、やっぱり疲れてないことに改めて驚きました。こんなに疲れてないのに、これだけの長い時間、高い標高、長い距離を走っただなんて時間が経ったいまも信じられません。レンタルe-Bikeでの西伊豆スカイラインコース、クセになりそうです。ただ、標高が高く天候は変わりやすい地域でもあります。雨具など防寒装備は持っておきましょう。e-Bikeですから、ある程度なら荷物は多くても問題ありません。