TOP サイクリングコース 東京駅から銀座・浅草・上野の下町スポットへ
高層ビルと下町、海もスカイツリーも繋いだ30km

Cycling Course厳選サイクリングコース

東京駅から銀座・浅草・上野の下町スポットへ
高層ビルと下町、海もスカイツリーも繋いだ30km

 鉄道やバスで東京を移動するのなら、スマホで乗り換えを検索して、階段を何度も昇り降りをして目的地に着くところだが、地図を片手に自転車をこぎ出せば、意外に早く移動できるもの。東京観光のツールとして注目される自転車は、ストップ&ゴーを繰り返しながらも、さまざまなルートを組み立てて、東京の景色を楽しめる。東京駅からスカイツリーなどの東サイドをぐるりと楽しむルートなら、下町観光を織り交ぜた半日くらいで走りきれる、グルメスポットを回りながらのコースがオススメだ。
下町観光を織り交ぜた半日サイクリングコース
オススメポイント東京都内・東エリアの高層ビル群と下町を巡り、昔ながらのグルメを味わえる
レベル(初心者向け)
距離28.8km
獲得標高143m
始発・終着地JR東京駅
立ち寄りグルメ深川釜匠(深川めし)、DAVIDE COFFEE STOP(カフェラテ)、うさぎや(どら焼き)
立ち寄りスポット歌舞伎座東京スカイツリー雷門

“ゆとりあるルート”で東京駅を出発

スタートは午前10時の東京駅。キレイになった赤レンガの丸の内駅舎の前は多くの旅行客が行き交うが、新幹線に乗車してのサイクリング旅ではなく、この日は東京の観光サイクリングに出発。東京駅の東側には、東京スカイツリーをはじめ、日本橋、銀座、浅草雷門、浅草寺、両国国技館のほか、上野公園のような大きな公園や、美術館、水族館など、多くの観光スポットが点在している。また、豊洲方面に出れば、海が見え、真新しい施設や高層マンションが立ち並び、また少し走れば、月島や深川などの下町エリアで情緒あふれる町並みとお店など、バリエーションが楽しめる。
東京駅から出発!
なので、東京サイクリングは何時にここに着いて、何時にはそこへ、移動時間は何分……というように、ルートや時間をキチキチに決めすぎるのではなく、絶対に寄りたいスポットをベースに、合わせて寄れそうなスポットとランチを取りたいお店やエリアを調べて、ルートを大まかに決めておくのが良い。また、30分から1時間は余裕を持ったスケジュールにしておこう。というのも、東京はお店が密集しているので、道の途中で「このお店も寄ってみたい!」「この前テレビで紹介されてたお店だ!」「こんなところにもオシャレなお店が!」なんてことが、大いに起こりうるからだ。
日曜日には皇居周辺を特別に開放した「パレスサイクリング」が行われている
東京駅を出発して、まずは皇居方面へ。ランナーの聖地としても知られているが、日曜日には皇居周辺を特別に開放して「パレスサイクリング」(祝田橋~平川門往復約3km、スケジュールは要確認のこと)が行われている。 内堀通りへ出てから、晴海通りで銀座を抜けるルートを今回はチョイス。銀座歌舞伎座前のにぎわいをのぞいて、さらに先へ進めば、中央が開閉する勝鬨橋に出る。隅田川を航行する船は減り、クルマなどの交通量の増加によって、昭和45年の開閉を最後に、現在では開かずの橋となっているが、完成当時は東洋一の規模を誇っていたそうだ。
銀座歌舞伎座前の賑わいを抜けて…
隅田川にかかる勝鬨橋を渡って一路湾岸エリアへ
晴海通りをさらに進むとさらに大きな橋に出る。ここからはレインボーブリッジも望め、有明、お台場エリアへと通じる晴海大橋だ。580メートルの橋は緩やかな坂道が続くが、中央付近は海と大都会らしい景色を望むビュースポットとなっている。
有明、お台場エリアへと通じる晴海大橋
東京五輪に向け刻一刻と景色が変わる湾岸エリア
晴海大橋のピーク地点からの眺め。手前に見えるのが建築中の豊洲大橋
晴海大橋を渡り、右に進むと見えてくるのは豊洲新市場の予定地だ。お引っ越し前のコンクリートの立派な建物の周りはまだ静かだが、駅も周辺道路も整備されつつあった。ここからお台場エリアを行くのも楽しそうだが、今回のルートは少し戻りながら下町エリアへ。

高層ビル街から下町エリアへ

下町の味「深川めし」を求めて清澄白河の深川釜匠へ
ランチは月島のもんじゃ焼きか、深川の深川めしと考えていたが、時間と気分により、“アサリたっぷり”の深川めしにした。時刻はランチが始まったばかりの11時半で、ここまで約15kmを走ってきた。あらかじめ下調べをしていた「深川釜匠」に入ると、店内は懐かしさを感じる昔ながらの雰囲気で、先客のご婦人4人組は地元の人達だろうか。 みそ汁とお漬物が付いたセットを注文し、セルフサービスのたくわんとらっきょうをつまみながら待っていると、アサリがたっぷり入った炊き込みの深川めしが目の前に運ばれてきた。
サービスの漬物をつまみつつ…
江戸時代から漁師めしとして親しまれている深川めし。炊き込みとぶっかけの2種類がある
お米とアサリの量は同じくらいではないだろうか。ご飯の上にのっているだけでなく、とにかくアサリが次々と出てくる、出てくる!
あふれんばかりのあさりを頬張る
お出汁がしっかりと効いた薄味なので、たっぷりとおいしく頂けた。深川めしは江戸名物で、東京の郷土料理の代表なので、食べたことのない人はぜひ。また、ここまで1時間ほど走り汗をかいていたので、おみそ汁のほどよい塩分がカラダに染み渡る。距離は2分の1といったところだが、ここからさらに見どころ盛りだくさん。この先もしっかりと走りきるパワーを充填できた。

1日では見きれない新名所

最近の清澄白河はカフェエリアとしても知られる
満腹でお店を後にし、その近くにある珈琲店に行こうと予定していたが、あいにくこの日はお休み。またの機会の楽しみとして、次は東京観光には欠かせない名所、東京スカイツリーへ向かった。 深川からは東京スカイツリーまでは5kmほど。真っすぐ伸びる、三ツ目通りを快調に20分ほど走る。浅草通りまで出たら、走りながらだんだんと近くに見えてきていた、高さ634mの東京スカイツリーの根本はすぐそこだ。東京スカイツリータウンまで行くと、あまりに近いためタワー先端まで入れた写真を撮るのは難しい。なので、浅草通りにいるうちに撮影スポットを探すと、周りもスマホでセルフィーをする人がチラホラいる。
いまやすっかり下町のシンボルとなったスカイツリー
東武伊勢崎線は東京スカイツリーラインと名称を変え、駅も業平橋からとうきょうスカイツリー駅へと変わり、電車でのアクセスも良い場所だ。スイーツを楽しんだり、お土産物を探すなら、併設される東京ソラマチはファッション、雑貨から食事、スイーツまで一日では見きれないほどのお店がそろうので、オススメの観光スポットだ。サイクリストにも安心で、東側と西側の2カ所に駐輪場(最初の2時間無料)が完備している。ロック式だが、自分の鍵ももちろん持っておこう。 高さ350mの東京スカイツリー天望デッキ、天望回廊への当日券は、4階のチケットカウンターで販売している。(事前の予約購入も可能)また、屋内開放のプール型水槽で、マゼランペンギンを見物できる、すみだ水族館も見どころの一つだ。

多めに時間を用意して気の向くままに寄り道を

さて、東京スカイツリーを背に隅田川を渡れば、浅草はすぐそこだ。橋の途中で振り返れば隅田川と高速道路越しの東京スカイツリーが望める。またここは川沿いが桜並木なので、春にはピンクに染まるお花見ライドスポットでもあるのだ。
連日、観光客であふれる浅草の雷門
浅草寺の仲見世通り
ちょっと足を伸ばせば、調理器具専門の問屋街「合羽橋」に
東京スカイツリーから10分で着いた浅草の雷門通りの歩道は、いつものように観光客で混雑し、雷門の前では浅草を粋にガイドする人力車の俥夫がお客さんを待っている。自転車を押し歩いて路地を行くと、手ぬぐいの専門店や鰻屋、甘味処、喫茶店などさまざまなお店が目に留まる。 また、田原町駅方面に進むと気になるオシャレなカフェも何軒か発見。でも、すでにカフェの候補は同行カメラマンイチオシの、台東区入谷の「DAVIDE COFFEE STOP」に決まっていたのでそこへと向かった。
台東区入谷の「DAVIDE COFFEE STOP」。エメラルドグリーンの窓が印象的
入谷も下町ではあるが、「DAVIDE COFFEE STOP」は言問通りのこざっぱりとしたビルが立ち並ぶ一角にあった。クルマでは見落としそうだし、ましてや電車ではなかなかお目にかかれない立地だ。
代表の松下大介さんが描くラテアートはまさに芸術
秘密にしておきたいくらいのおいしいラテ
お店は自転車のスピードでならばふと目にとまるような、ターコイズカラーの高くて大きな窓が特徴的で、店内も同カラータイルが可愛らしく、ラテのカップもターコイズ。ビンテージな店内の雰囲気と、ほんのり優しい甘さを感じるラテは至福のひとときを楽しめる。ここは今回、偶然に教えてもらったお店だが、秘密にしておきたいくらいのおいしいラテだった。

魅力が凝縮された街

国立科学博物館、東京都美術館、上野動物園などの見どころがたくさんある上野界隈
お昼ごはんを食べた深川から間もなく2時間というころで、昭和通りを走り上野公園までやってきた。国立科学博物館、東京都美術館、上野動物園など多くの見どころが集まる場所なので、好みに合わせて、立ち寄ると観光の幅が広がる。有名な西郷隆盛像もここだ。 上野から秋葉原までは真っすぐ一本道。中央通りはビルが立ち並ぶ大通りだがその途中には甘味処や、和菓子屋など、上野ならではの老舗の名店もある。和菓子店として大正2年から続く「うさぎや」のどら焼きは、温かいうちに提供されるので、その場で冷めないうちに頂くといっそうおいしい。
大正2年から続く上野の和菓子店「うさぎや」
冷めないうちに食べるといっそうおいしい
秋葉原エリアに入ると、道脇の看板が少々派手になりにぎやかだ。独自のカルチャーとともに進化を続ける観光エリアで、東京で行きたいところというと真っ先に挙がるほど、外国人旅行者にも人気なのだそう。十年ほど前はもっと雑然としていた駅前も、今は駅ビルが新しくなり、周辺も建て替わっていた。
独自のカルチャーとともに進化を続ける秋葉原
たった30kmのサイクリングでさまざまな街の表情を見せる東京
ここまでくれば、東京らしいオフィスビルが立ち並ぶ丸の内、大手町、そして東京駅はもうすぐ。約30kmのルートを完走し、15時前に到着した。もし、時間に余裕があれば秋葉原のあとに、古本屋街の神田神保町や、日本武道館、靖国神社などの、靖国通りに足を伸ばしてみてもいいだろう。半日を程よい距離を走りながら、時間の許す限り寄り道を楽しんでほしい。

■深川釜匠

所在地:東京都江東区白河2-1-13 TEL:03-3643-4053 営業時間:火.木 11:00~15:00(LO 21:30)、水.金.土日祝 11:00~20:00(L.O19:30)

■DAVIDE COFFEE STOP

所在地:東京都台東区入谷2-3-1 TEL:03-6240-6685 営業時間:火-土 11:00-22:00(L.O21:30)、日 11:00?19:00 (L.O18:30)

■うさぎや

所在地:東京都台東区上野1丁目10番10号 TEL:03-3831-6195 営業時間:9:00?18:00 定休日:水曜日 「うさぎや」ホームページ