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パンクしたら道端で修理するって本当!? ロードバイクに欠かせないパンク修理を学ぶ

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34歳から始めるロードバイクライフ<2>
パンクしたら道端で修理するって本当!? ロードバイクに欠かせないパンク修理を学ぶ

 素晴らしいロードバイクの相棒を手に入れた筆者、映像ディレクターの川村ですが、自転車に関する知識がまるでなく、右も左も分からないまま楽しんでいます。そこでとにかく心配なのがパンクです。聞くところによると皆さん自分で修理するって本当!? 先輩サイクリストに教わりながらパンク修理にチャレンジしてみました。

初めてのチューブ交換に挑戦しました

そもそもパンク修理とは

 だんだんロードバイクにも慣れてきて、50kmくらいのライドであれば日常的にこなせるようになってきた。風や流れる風景を楽しみながら運動できるし、以前よりもご飯も美味しい。なんて素晴らしいスポーツなんだ。どんどん健康になってしまう!

 しかしながら、常に頭の中にあって不安で仕方ない心配事が前述のパンクです。パンクしたら自転車を走らせることができず、もしタイミングが悪かったら、空いている専門店を見つけて修理してもらうか、数十km押して歩いて帰るかしかない…。と思っていたのですが、そういえば愛車が納車された際に店員さんから「これは車体と一緒に買って常備しておいた方が良いです」とオススメされたグッズがあったことを思い出した。

サドルの下にくくりつけるサドルバックにアイテムを入れています

 それがサドルバック、予備チューブ、携帯ポンプ、タイヤレバーです。これらをひとまとめにして、サドルの下にくくり付けています。縁遠いものだと思い込んでいましたが、そろそろ手をつけましょう「パンク修理」に。

サドルバッグに入っているのは予備チューブ1本、携帯ポンプ、タイヤレバー3本

 今回も納車の際にお世話になった松尾修作さんにアドバイスをいただいた。松尾さんが書いている記事はこちら

 「パンク修理と言いますが、正確にはチューブ交換のケースが多いですね。道端でさっと交換してしまって、修理は帰宅後に落ち着いてしても良いのではないでしょうか」と松尾さんが開口一番に説明してくれた。

 「川村さんの場合はクリンチャータイプです。色々なタイプのタイヤの種類が販売されていますが、一番オーソドックスなタイプですね。クリンチャーでチューブ交換ができるようになる頃には、他の種類のタイヤの構造も理解できるようになるはず。まずは基本を覚えましょう」と続いた。タイヤの種類についてはジャーナリストの安井行生さんが詳しくまとめてくれているので参考にしたい。

チューブ交換にチャレンジ

 いざ、チューブ交換にチャレンジ、と思ったが一旦は松尾さんにお手本を実演してもらう。タイヤの空気を抜き、タイヤレバーをテコに使ってタイヤを外し、チューブをサイドから引き抜く。これらの動きが基本となるようだ。

テコの原理でレバーを使ってタイヤを外していきます

 なるほど、そもそもチューブとタイヤが別物であることもよくわかっていなかったので参考になる。要はチューブが膨らむことで、タイヤに内圧をかけて形を維持しているわけだ。低圧で乗るとパンクすることや、段差でチューブがホイールとの間に挟まってしまい穴が開くという“リム打ちパンク”がどうして起きるのかも理解できた。構造を知るということがトラブル回避に繋がりそうだ。勉強しなくては。

 見よう見まねでタイヤの端(ビード)をタイヤレバーで外してみた。最初は硬くて大変だったが、一部が外れるとスルスルとホイールから外れていく。チューブ交換だけであれば片側だけでOKである。間からチューブを引き出すことにも成功した。想像よりも簡単だった。

 ここで松尾さんからチェックが入った。「外したチューブのどこにトラブルがあるかチェックしてください。軽く携帯ポンプで空気を送り込んでみてもいいでしょう。タイヤの同じ場所にトラブルを抱えている可能性があるので、タイヤ側も欠かさずに確認するようにしてください」。確かに、チューブに穴が空いていた場合、タイヤに針やガラス片など刺さっていることが想像できる。怪我に気をつけながら確認しなくては。今回は練習だが、もし道端でパンクした際には落ち着いて対応することが求められそうだ。

 異常がないことを確認し、新しいチューブを入れてみる。この際、チューブに軽く空気を入れることがポイントだそうだ。円形の形を保つことで、ビードとリムにチューブが噛むことを防ぐ効果がある。指で丁寧にタイヤ内にチューブを押し込んで、全て収めることに成功した。

 「最後が最も難しい工程です。ビードをリムにはめていくのですが、なるべく手で行ってください。タイヤレバーを使うこともありますが、テコで押し込む際に、チューブが噛み込んで破れてしまうことがあります」と注意を受けた。

チューブがビードとリムの間に挟まっているとパンクするので注意!写真はタイヤ内にチューブが収まっている良い例

 言われた通り手ではめていくと、最初はよかったものの、段々と力をかけないとリム内部にビードを収めることが難しくなってきた。この場合、すでに収めているタイヤを、硬くなっている部分に向かって寄せることでタイヤにゆとりができるという。実践したところ、タイヤとホイールの相性が良かったのかパコっと手だけで装着できた。

下方向に力をかけ、タイヤを寄せていくのがポイント

 最後は空気を入れる作業だが、これがツラい。家庭用のフロアポンプなら数十回で十分な空気が入るが、コンパクトな携帯ポンプでは何百回ポンピングしても空気圧が上がらない。「一瞬で圧をかけられるCO2ボンベもあるのですが、ワンショット使い切りなので、失敗したら終わりです。ビギナーの頃は体を張って覚えましょう!」という励ましをいただいたので、10分近くスコスコとストロークさせてようやく走行できる空気圧となった。

チューブ交換はできて当たり前

 もっと大変な作業かと思っていましたが、やってみると意外とスムーズに完了できました。チャレンジすることは大事だ。一方で専門店に修理を任せても良いのではとも思ったが、松尾さんや他の仲間とライドに出かけた時、やライドイベントに参加した際、自分で交換できないと迷惑をかけてしまうことに気がつきました。

短いストロークの携帯ポンプのポンピングが一番大変でした…

 「チューブ交換の精度と速さはやればやるほど向上します。トラブルが起きてから実践しては大変なので、自宅などで何度も練習することが大切ですよ!」という松尾さんの一言が印象的だ。確かに、少々面倒と思うが、道端でパンクした際に何もできない方が断然面倒である。

 ゆとりを持った大人なサイクリングを楽しむためにも、準備と知識はあった方が良い。チューブ交換はできて当たり前だという心がけで練習に励もうと思う。

文: 川村武史(かわむら・たけし)

平成元年生まれの映像ディレクター。YouTubeチャンネル「サイクリストTV」のほか、Vtuberなどの映像番組を主に担当。運動不足を解消したいと思っていたところ、ロードバイクに出会い興味を持ち、ついに購入を決意。成長とともに遭遇する“サイクリストあるある”をピュアビギナーの目線で記している。

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