「チューブレスレディ」のホイールで「クリンチャータイヤ」から「チューブレスタイヤ」にしてみよう自転車のカスタム特集<4>

2024/04/08    安井行生

 この数年内にロードバイクを買ったなら、ホイールはたいてい「チューブレス」対応になっているはずです。しかし、完成車に装着されているのはほとんどの場合「クリンチャータイヤ」です。連載『初心者のためのスポーツ用自転車基礎講座』にも書きましたが、クリンチャーに比べてチューブレスタイヤは走りが軽く、快適性が高くなり、性能的にはメリットが多い。ホイールが対応しているのであれば、チューブレスタイヤに交換しない手はありません。しかし、実はそれほど簡単ではないのです。

装着しやすさを左右する5つの要素

そもそも、チューブレスシステムは以下の要素から成り立ちます。

・チューブレス対応ホイール
・チューブレスタイヤ
・気密性を持たせるためにリムに貼り付けるリムテープ
・チューブレス専用バルブ
・シーラント(タイヤとリムの間に注入し、密閉性を高めることで空気の漏れを防ぐ液体)

 チューブレスタイヤは、タイヤとリムの寸法をぴったりと合わせた上、適切なリムテープを正しく貼り、適切なシーラントを選ばないと上手く空気が入らなかったり装着できなかったりします。装着しやすさを左右する要素がこれだけたくさん存在します。

 これら5つの要素の“相性”によって、「フロアポンプで簡単に装着できた」という成功例から、「何をやっても空気が入らない」「どう頑張ってもタイヤをホイールにはめられない」「エア漏れが止まらない」という失敗例まで、ユーザビリティに大きな幅ができてしまいます。なので、もしチューブレスタイヤがうまく装着できなかったり、空気が入らなかったりしても、これらのどれが原因なのか判断しづらく、対応策も練りづらいのです。

 しかも、シーラントは乾いてしまったり固まってしまったりするので、定期的なチェックと交換が必要です。手順を覚えれば誰もが簡単に着脱できるクリンチャータイヤより、運用が難しいのがチューブレスタイヤなのです。

一度はチューブレスタイヤの体験を

 しかし、タイヤとしての走行性能は明らかにチューブレスの方が上ですし、小さな穴であればシーラントが塞いでくれるというメリットもあります。

 運用の容易さを考えると、高性能クリンチャータイヤに軽量チューブを組み合わせた方がいいと考える人も多いですが、せっかくホイールがチューブレス対応なのであれば、一度はチューブレスタイヤの高性能を体験してほしいと思います。

 その際は、先述した各要素の最適な組み合わせを熟知しているプロショップに相談されることをお勧めします。難易度の高いチューブレスタイヤに関しては、プロメカニックの存在が不可欠です。

文:安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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