2023.2.11
A 自転車の警音器(ベル)については、各都道府県の道路交通法施行規則に規定があることが通常で、例えば東京都道路交通規則では、運転者の遵守事項として「警音器の整備されていない自転車を運転しないこと」(同規則8条(9))と定められています。つまり、自転車を運転する際には、その自転車に警音器を装着しなければならないという義務があることになります。
では、この警音器ですが、どんな場合でも“鳴らしてはいけない”わけではありません。歩行者に対して鳴らしてはいけませんが、標識等の指示がある場所では、“鳴らさなければならない”とされています。具体的には、以下のような場所です(道交法54条1項)。
そのほかにも、曲がりくねった道路で「警笛鳴らせ」の標識等がある区間では、上記①~③のような場所を通行するときは警笛を鳴らさなければなりません。
そのため、警音器を鳴らす場面は限られるのですが、危険を防止するためやむを得ないときは、鳴らしてもよいことになっています(道交法54条2項)。追越し中に追い越される人や車両が、追越しに気づかずに進路変更しようとする場合などです。
さて、警音器の使用については、以上のとおりですが、警音器を使用する義務のあるケースは限られており、そのような場所を通行しない限り、警音器を装着しなくても問題ないという発想もあながち不合理ではないとはいえます。しかし、あまり使用しないからと言って装着しなくてもよいとは限らないということは言えます。
また、警音器の使用は、危険回避のために有効であることも考えると、みだりに使用してはいけませんが、常時使用できる状態にしておくことで交通の安全が促進されるという関係にあることから、装着義務があると考えることもできるでしょう。
2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。
この人の記事一覧へ稲城から高尾まで 都内サイクリングの定番コース“尾根幹”と+αのルート
2018/10/30
2017/08/29
ヒルクライムで好成績を出すのに、どんなトレーニングをしたらいいですか?
2018/02/23