2021.9.21
クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。
メカトラブルの原因や対処法を教えてくれるのは、ダイワサイクル宝塚中山寺店の店長、平尾聖也さん。スポーツ用自転車のトータルアドバイザーを認定する「SBAA PLUS」資格取得者でもあります。全国約90店舗を展開するダイワサイクルでは、一般車や子供車だけでなくクロスバイクなど入門用スポーツバイクも全店で取り扱っており、各店の店長は整備士の資格とあわせて原則としてSBAA PLUS資格も取得することになっているそうです。
チェーンが本来かみ合っているギヤから外れ、左右どちらかのチェーンの無い場所に脱落し走れなくなった状態を、「チェーン落ち」や「チェーン外れ」と呼びます。クロスバイクは前後のギヤ両方に変速機が付いていることが多く、変速の際にチェーンが左右に大きく動くため、チェーン落ちは一般車より発生しやすくなっています。
チェーン落ちの原因としてはまず、メンテナンス不足によるドライブトレイン(チェーンやギヤ、変速機といった駆動部分)の変速不良や消耗が挙げられます。
メカ側の不調でなく操作が原因となることもあります。これは後ろ側のギヤを数段一気に変速した場合や、荒れた道や段差などでチェーンが大きく暴れてしまった場合。また、変速レバーの操作をしたもののまだ変速しきっていない状態で、ペダルを後ろ回ししてしまった場合などが考えられます。
走行中にチェーンが外れた場合、まずはペダルを漕ぐのをやめて、安全な場所に止まりましょう。自転車から降りて、どのようにチェーンが外れているかをチェックしてください。
もしチェーンが外れたのが前側のギヤであれば、大抵は手でかけ直すことが可能です。後ろ変速機の下側の小さなギヤ部分を前に押すと、チェーンの張りがゆるむので、ギヤに戻しやすいです。
後ろのギヤで外れた場合は、隙間にチェーンが噛みこんでしまっている場合があるので厄介です。手で引っ張って外れないようであれば、その場では無理せず専門店に持ち込んだ方がいいでしょう。外れたのが外側(ギヤとフレームの間)であれば、車輪自体を外すことでチェーンの噛みこみを外すことができる場合があります。チェーンが外れたら、ギヤにかけ直してあげましょう。
チェーンを戻したら再乗車する前に、後輪を浮かせてペダルを回し、ちゃんとドライブトレインが動作するか、異音が発生していないかを、再確認するようにしましょう。
チェーン落ちを防ぐ方法は、チェーン落ちが発生する状況が起きないようにすることです。まずは定期的なメンテナンスをして、ドライブトレインの不調が無いようにしましょう。
また、変速操作はペダルを止めずに行い、なるべく1段ずつ確実に行うようにしましょう。スポーツバイクに多い外装変速機は、変速レバーを操作して変速機を動かすと、若干のタイムラグがあってチェーンが別のギヤに付け変わります。こぎ続けてチェーンが動いていないと変速しないので、チェーン側が変速し終わらないうちにペダルを逆回転すると、チェーンがうまく動かずに外れる原因になってしまいます。
フロントギヤの場合、チェーン脱落を防止する「チェーンウォッチャー」というパーツもあるので、取り付けてみるのもいいでしょう。
写真・文:米山一輝
取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店
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