2021.11.23
クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。
クロスバイクなどのスポーツ用自転車の多くは、車輪を工具なしで簡単に脱着できるものが多いです。車軸部分の外側を見てみましょう。この部分の片側がレバー形状になっていれば、工具不要で車輪を付け外しできます。
車輪を外せると何ができるかというと、自転車をクルマに積載する際に車輪を外すと積みやすいですし(外さないと積めない場合もあります)、自転車を袋に詰めて鉄道などで遠距離移動する「輪行」(りんこう)の際にも車輪は外します。あとはサイクリング中にパンクしたときに、車輪を外してパンク修理(チューブ交換)をします。
車輪の付け外しは覚えてしまえば簡単ですが、最初は少々手間取る作業です(特に後輪)。覚えておいて損はないので、時間があるときに練習しておきましょう。
車輪自体を外す前に、まずVブレーキを解放します。そのままだとブレーキシューにタイヤが引っかかって、車輪を外せないことが多いからです。
ディスクブレーキではこの作業は不要ですが、油圧ディスクブレーキの場合は車輪を外したときに、ダミーパッドをブレーキキャリパーに忘れず挟むようにしましょう。
Vブレーキの解放は、ブレーキ本体の左右アームを狭めた状態にして、バナナとも呼ばれるリード管を引っ張って外すと、左右のアームが大きく広がって解放された状態になります。
続いて車輪を外していきます。例の車軸部分のレバー(クイックリリースといいます)を反対側に倒すと、車軸の固定が一気に緩むので、あとはネジの要領でもう少し緩めてあげれば(ネジが外れるまで緩めなくても大丈夫です)、簡単に車輪を外すことができます。ハンドルバー部分を持って車体を持ち上げれば車輪が外れるので、下に布などを敷いて、フロントフォークが傷つかないように車体を置きましょう。
前輪を付ける際は、ここまでの作業を逆に行います。まず車輪を車体の先端(フロントフォーク)に取り付けましょう。気を付ける点として、タイヤ(車輪)には回転方向を示す矢印やマークがあるので、これを間違えないように付けましょう。
クイックリリースレバーの締め具合では、ある程度ネジを締めてから、最後はレバーを倒して固定するのですが、ネジの締め具合が締めすぎた状態だと、レバーを完全に倒せなくなってしまいます。逆に簡単に倒せてしまうようだと、締め方が足りていません。レバーを指では倒せないけれど手の平なら倒せる、くらいの締め具合にしましょう。
一旦車輪を固定したら、正しく車輪がセンターにはまっているかを確認しましょう。フロントフォークとの隙間でチェックできます。もし曲がっていたらセンターに来るよう付け直しましょう。センターが出ていたら、最後にVブレーキを元に戻しましょう。
Vブレーキを元に戻したら、ブレーキレバーを握ってみて、ブレーキが片効きしていないかチェックしましょう。ブレーキのアームが片方ばかり動いていたら片効きです。左右のバネの調整ネジを使って、左右のバランスを合わせてください。車輪を空転させたときにブレーキが擦っていないかも確認しましょう。
後輪の脱着は、まず前後のギヤを一番外側(前は一番大きいギヤ、後ろは一番小さいギヤ)に変速します。前輪と同じく、Vブレーキを解放しておきます。後輪を外すと変速機が直接地面についてしまうので、そうならないように、後輪全体を浮かせておける台があると安全です。
後輪が浮いた状態からクイックリリースを解放すると、車輪がすぐフレームから外れます。チェーンが後輪のギヤ(スプロケット)に掛かった状態なので、チェーンを指で後ろに引っ張れば車輪を引き抜くことができます。
後輪を外すとチェーンがフレームのチェーンステー部分に当たってしまうので、気になるならあらかじめタオルなどを挟んでおけば、フレームに傷が付きません。
後輪を付けるのも外す逆なのですが、最初、チェーンを正しくギヤに掛けることが、上手く付けるコツです。チェーンを引っ張って、ギヤが入っていた時と同じ状態にして、車輪の元のギヤ(一番小さいギヤ)にチェーンを上から掛けましょう。このまま車輪を元の位置に戻していけば、車輪がはまる状態です。うまくはまりにくければ、変速機を後ろに引っ張ると取り付けやすいです。
ここまで来たら車体を台から下ろして、重力に任せたら車輪が車体にはまります。後輪も前輪と同様、センターにはまっているかを確認しましょう。後輪は2カ所でチェックする場所があります。センターを確認したらVブレーキを戻して、片効きしていないかチェックしておきましょう。
そして後輪を付け外しすると、変速のセッティングが狂ってしまう可能性があります。一通り変速するかをチェックして、もし不調があれば調整しましょう。
写真・文:米山一輝
取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店
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