2021.10.5
クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。
注油はクロスバイクに限らず、自転車全般に必要不可欠なメンテナンスの一つです。チェーンやギヤ、変速機などの可動部分では、潤滑する油が切れると金属同士の摩擦により、とても動きが悪くなってしまいます。
定期的な注油が必要な箇所はチェーンや、それとかみ合うギヤ、変速機(ディレーラー)が代表的です。このほかにもワイヤーの通り道で他の部品と擦れる部分や、明らかに動きが悪くなった可動部分に注油しましょう。
ちなみに車輪やクランクの軸(BB:ボトムブラケットと呼ばれます)、ステアリング(ヘッド部分)は可動部分ではありますが、粘度の高いグリスが入っている場合が多く、注油は逆にグリスを流出させる可能性があるため、外からの注油は基本的に不要です。もし動きが明らかに悪くなった場合、分解や特別な調整が必要なので、ショップでチェックとメンテナンスをすることをおすすめします。
ここからは実際の注油方法です。まずチェーンへの注油ですが、手でペダルを逆回転させながら、1コマずつチェーンの内側の隙間にオイルが入るように注油していきます。取材したダイワサイクル宝塚中山寺店の平尾さんは、ロー側のいちばん大きなギヤにした状態で作業するそうです。
ギヤ部分の注油も必要ですが、個別にギヤに注油してもよし、チェーンに注油した後にペダルを回しながら全てのギヤに変速して、チェーン側のオイルをギヤに移す形でもいいでしょう。一通り注油ができたところで、きれいなウエスで表面を軽くふき取ることで、余分なオイルを取りつつ、チェーン全体にオイルを馴染ませましょう。
変速機は関節部分(レバー操作をした際に動く部分)に注油するようにしましょう。こちらもはみ出た部分はウエスでふき取るようにしましょう。
ちなみに、ブレーキの制動にかかわる箇所(ブレーキシューや車輪のリムサイド)には注油しないでください。ブレーキがきかなくなります。他の部位の注油の際にこれらの場所にオイルが飛んでしまいそうな時は、裏からウエスを当てながら注油するなどして、オイルがかからないようにしましょう。
注油するオイル製品は、ボトルタイプとスプレータイプがあります。機械用オイルであれば自転車用である必要はありませんが、自転車用は屋外での影響を受けにくかったり、ごみの付着を抑えられたり、熱耐性も自転車の使用環境に合わせられていたりと、やはり総合的におすすめです。
使用場面によって特性を調整した製品もあります。例えば晴れの日用と雨の日用で分かれている場合、晴れの日用はサラサラで抵抗が少ないですが雨で流れてしまいやすく、雨の日用は粘度が高く若干抵抗は増えるものの落ちにくく長持ちする、といった特徴があります。
このほか洗浄成分が入っていて、注油と同時にある程度のパーツ洗浄が行えるようなオイルもあります。さまざまな特徴をもつ製品が売られているので、用途や部位に応じて使い分けてみるのもいいでしょう。
写真・文:米山一輝
取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店
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