2021.11.2
クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。
ここまででチェーンやタイヤといった消耗品交換の時期を解説してきましたが、ブレーキ周りも長期的に必ず消耗品の交換が必要になる部位です。ブレーキは命に関わるものですから、交換や調整の作業はショップに任せた方が確実でしょう。
現行製品のクロスバイクの多くは、「Vブレーキ」と呼ばれるタイプのブレーキ装置を搭載しています。これは車輪のリム(外周の金属部分)をゴム製のブレーキシューで挟み込んで、ブレーキ力を発生させています。ブレーキ関連の消耗品としてはまずこのブレーキシューが挙げられます。
普通の使い方ならブレーキシューは、タイヤなどと同様に、2年程度での交換になります。もちろん使用状態に左右されるので、坂の多いところで使っていたり、雨の日にも乗る頻度が多かったりすると、ブレーキシューの消耗は早くなります。ブレーキシューのリムに当たる面の溝が無くなったら要交換です。確認しにくい場合は、ブレーキワイヤーを留めているリード管(通称バナナ)を外せば、ブレーキ本体が左右に開いて確認しやすくなります(終わったらちゃんと元に戻してくださいね)。
ブレーキシューが減りすぎると、リムとの当たり面が下にずれてしまう場合があります。ブレーキを掛けてみてシュー全体がしっかりリム面に当たっていない場合は、ブレーキシューの位置調整が必要です。
このほかVブレーキでは、ブレーキを掛けた際にブレーキシューの片側が先に触れてしまう「片効き」という状態が起きる場合があります。これはブレーキ力が落ちるだけでなく、レバーを握った際のフィーリングが悪くなります。左右のスプリングのバランスを調整することで片効きを解消できますが、難しければショップに持ち込みましょう。
ブレーキ操作をブレーキ本体に伝えるブレーキワイヤーも、長期的には交換が必要になる部品です。ワイヤーは操作レバーとブレーキ本体をつなぐインナーワイヤーと、それを通す道になるアウターワイヤーがあります。
ブレーキの操作が以前より重たく感じたり、アウターワイヤーの外見がひび割れてきたりしたら、ワイヤー交換を検討しましょう。多くの場合、ブレーキシュー交換のタイミングでワイヤーの状態をチェックすれば事足りるでしょう。
例外のケースとして、もしインナーワイヤーが途中でささくれ立っていたら、すぐにワイヤー交換をしてください。これはワイヤーの部分的な断裂で、こうなると近いうちにワイヤーが完全に断裂する危険性が高いです。ワイヤーが切れるタイミングによっては命に関わるので、すぐに交換しましょう。
近年はクロスバイクにもディスクブレーキを採用する例が増えてきています。Vブレーキでなくディスクブレーキを搭載する自転車の場合、ブレーキパッドの定期的交換が必要になります。見難いのですがブレーキディスクを挟み込むパッドの厚みが1mmを切っていれば、交換のタイミングといえるでしょう。
またディスクブレーキのパッドは一般的に、交換が必須なレベルまで減った場合、ブレーキ時に明らかな異音が発生するように作られています。異音がしたら乗車をやめてすぐに自転車店での点検をおすすめします。
ディスクブレーキを駆動する伝達部分は、Vブレーキと同じワイヤー方式のほかに、油圧方式があります。ブレーキホースを通るミネラルオイルも、1年程度での交換が推奨されています。また油圧ブレーキでレバーを握った際のフィーリングが悪くなった場合、ホース内に気泡が生じている可能性があります。すぐにメンテナンスしましょう。
写真・文:米山一輝
取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店
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