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サイクリングの極意<3>

News / Columnサイクリングの極意

大切なバイクを長持ちさせ、盗難に遭いにくくする駐輪&保管方法について
サイクリングの極意<3>

 スポーツ自転車って、なかなかに高い買い物です。価格帯的に似ているのはノートパソコンあたりでしょうか。絶対に失敗は許されないです。

 清水の舞台から飛び降りる決意で購入した自転車がいざ納車され、はたと気づくのは「保管場所と(お出かけの際の)駐輪場所どうしよう」という問題。アパートの共用駐輪場で雨ざらしにするわけにもいかないし…。他の人はどうしているんだろう…?

 ということで、「大切なバイクを長持ちさせ、盗難に遭いにくくするコツ」をいくつか伝授します。

 自宅での保管と、屋外での駐輪のふたつのパターンで解説しますね。

自宅でどう保管する?

1.屋内管理が大原則

 「え?家の中に自転車入れるの?」

 入れるんです。スポーツ自転車は屋内保管が基本。雨風に晒すとあっという間にサビて劣化してしまいます。よって、購入前に「家の中のどこに置くかな…?」と脳内シミュレーションをしておきましょう。「すでにほかの荷物でいっぱいで余剰スペースないよ!」という場合は、折りたたみ式のミニベロも選択肢に加えてはどうでしょう?玄関に保管しておけば、生活空間が犠牲になりません。

 あと、スペースには問題なくても、同居人(非サイクリスト)に「不潔な自転車を屋内に入れるなんて言語道断!」的な反応をされることがあります。嫌悪感の根源をたどっていくと、「タイヤが汚い=非衛生的」って意識に起因することが多い(中山調べ)ので、持ち込む際は濡れ雑巾で拭く…ことで緩和は可能。頑張って説得してください。

2.簡易スタンドは必須

 屋内保管が許されたとして、次に「不安定な自転車ってどう置いておくの?」という疑問でしょう。ロードバイクにスタンドはないですし、クロスバイクやミニベロの中にもスタンドがついてこないとか、そもそもオプションすら用意されていないってことも珍しくありません。

 そこで「簡易スタンド(ディスプレイスタンドとも呼ぶ)」を1個買うのです。自転車屋さんで展示されているロードバイクの後輪付け根に接続して立てる三角形のスタンドなら、千円くらいからあるので安いです。

 これがあるだけで安定した状態に保てます。地震でバターンとなるか気になるところですが、使用歴8年でただの一度も転倒したことはありません。よほどの揺れでない限り、問題ないです。

3.部屋がダメならベランダで

 「折りたたみ式ミニベロでなく、ロードバイクがほしいんだ。でも部屋が狭くって…」

 「必死の説得を試みたけど、同居人がどうしても首を縦に振らない…」

 仕方ありません。あまりオススメはしないですが、最終手段はベランダです。屋根があってとりあえず雨風がしのげるのが大前提。さらにレインカバーはしっかりかけましょう。ホームセンター等にあるママチャリがすっぽり覆える大型&厚手のものだと安心感があります。

 ただ、雨の直撃が防げても湿気にさらされますし、サビは避けられません。こまめにメンテする、自転車屋さんでチェックしてもらうようにはしてください。

屋外でどう安全に駐輪する?

1.鍵はふたつが安心

 納車時に、同時にワイヤー式の鍵を買うことになるでしょうから、ふたつ買っておきましょう。「なんで2個」と思うでしょうが、これは安全のためです。要するにダブルロックですね。まあ、それなりの工具を使えば大抵の市販のワイヤー錠は切れてしまうんですけど、複数してあることで犯人への威嚇になります。あと、単純に時間がかかるので、ターゲットにされにくくなる効果があります。

 あと、おまじない的なものでしかないですが、カラフル(黄とか赤)なモノを選んだほうが、ロックして守っているぞ!感が出るような気がします。2個しておけば100%安全!とは断言できませんが1つよりずっと安心ではあります。

2.地球ロック

 地球ロックとは、電信柱やガードレール、柵などの固定物を利用して鍵をかけること。地球は動きませんよね? 柵ごと盗むことは不可能なので、地球に鍵をかける…わけです。自転車にだけ鍵をかけても、そのままヒョイと持ち上げて立ち去ることも可能といえば可能ですので、周囲の利用できるモノはなるべく活用しましょう。そういう意味でも、ワイヤーロックは長め(1.5mくらい)のを選ぶとよいです。

 個人的な好みですが、カギを使うタイプよりは「ダイヤル式」が便利でいいかなと。3~4桁の数字を合わせるタイプですね。鍵を携行する必要がなく、紛失する心配もありませんので。

3.視界に入るところに置く

 レストランで食事している最中も、外に停めた愛車の安否が気になってしょうがなくないですか? それはすべてのサイクリストのごく自然な感情です。ダブルで地球ロックしても「万が一ってことがあるし」ですからね。

 ちょっとしたコツとして筆者がやるのが「視界に入れるポジションをとる」こと。たとえば牛丼屋であれば自動ドアのそばに置き、出口に一番近いカウンターに座って横目でバイクをにらみつつモシモシ食べます。ファミレスでカウンターがない場合でも、窓側席を確保し、そこから見える位置に駐輪します。ちなみに距離感ですが、万が一誰かがいたずらをしようとしても、ダッシュで駆けつけられるくらい…でしょうか(笑)。

 たったこれだけで、安心して食事に専念できるものです。

写真・文/中山順司

中山順司
中山 順司(なかやま・じゅんじ)
ロードバイクをこよなく愛するオッサンブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。