2018.9.18
自転車は買った! 乗り方もわかったし、ヘルメットやライト類も買い揃えた! でも「自分の体力でどれくらいの時間と距離を走れるのか、見当もつかない…」ってこと、ありませんか?
ジョギングであればなんとなく想像はできても、自転車はいったいどれくらい体力が持つものなのか? 途中で体力が切れたら自宅に帰ってこられないかも…とまで不安に怯える必要はないですが、おおよその目安は知っていないと勇気を出して遠出していいかどうかわかりませんよね。
そこで、ごくふつうの体力の人が目指す「走行時間と走行距離」の目安をお伝えします。なお、ここでいう「ふつう」とは、ふだんジムに通ってもおらず、学生時代に運動部でバリバリに走り込んでいたわけでもない、本当にごくごく日常的な人々を指しています。
これまで駅までの数kmしか自転車で走ったことがないから、サイクリングしようにも適切な距離が予測できないってこと、ありますよね。筆者も自転車にハマる前は同じでして、かつて友人がクロスバイクで「片道5km走ってきた」と話していたのを聞いて「ご、5kmも…? そんな距離を自転車で走ったら、ヘロヘロになるだろ(ゴクリ…)」と恐れおののいていました。
そんな私が人生で初めてスポーツバイク(ミニベロ)を購入し、恐る恐る走ってみたのが「片道10km」でした。当時私にとって10kmは「生きるか死ぬか」くらいの挑戦でして、おっかなびっくりで走ってみて、「行けた…。だが、無事に帰宅できるだろうか…」と再びビクビクしながら来た道をそのまま引き返しました。
結論から言いますと、ぜんぜん疲れませんでした。あれ?20kmってこんなもんなの?ハーフマラソンの距離なのに?すごくない?ってかんじです。ちなみに当時はサッカーを日常的にやっていたので体力的には無問題だったのですが、そんな私ですら「自転車で片道10kmはやばい」と思い込んでいたのです。
ちなみにこのサイクリングには妻もミニベロでついてきました。なんの運動もしてないただのおばさんでも、まったく余裕で走れたことを付け加えておきます。
どれくらいのスピードで走らなければならないという決まりはないので、マイペースで走りましょう。競争ではありません。ミニベロやクロスバイクで「気持ちよく走れるスピード(=会話ができる程度)」は時速でいうと18~20kmくらいでしょう。のんびり走ってもこれくらいのスピードは出ます。
参考までに、ゆっくりめのジョギングですと時速8~10km、速い人で12~15kmです。時速20kmは箱根駅伝の選手クラスです。自転車ならそのレベルのスピードが苦もなくキープできてしまう…これ、すごくないですか?
で、結局ふつうの人が1日サイクリングしてどれくらい走れるのか、どれくらい時間がかかるかの目安なのですが、クロスバイクかミニベロで都市部の平坦路メインのコースをのんびり走る場合で想定すると、
1時間で走れる距離=13km(※時速18~20km&信号待ちなど)
となります。相当ゆっくり走っても1時間で10kmは進めます(ヒルクライムのようなアップダウンの激しいルートは除く)。
午前に2時間走り、ランチ休憩して午後にもう2時間走ると、
4時間で走れる距離=50km前後
ですね。
「ええっ!いきなりフルマラソン超えの距離は怖い……」のであれば、午前1.5時間、午後1.5時間にしてさらにペースをゆっくり目にして走行距離35kmくらいにするとか。この程度のポタリングなら、“ふつうの体力の人”なら息を切らす事なく走れます。バイクに慣れて体力もついてくると時速もアップし、走行時間も10km単位で伸びていくでしょう。
フルマラソンは走ったことがない方がほとんどかと思いますが、自転車で43kmを初めて越える瞬間って、「おおっ!ついにフルマラソンの距離を超えた」となってちょっとテンションが上ります。我々夫婦なんて、片道12kmのコースを2人で往復し、「24km走った! 二人の距離を合わせれば48km! 余裕でフルマラソン超え!」と意味不明の喜び方をしていたものです(笑)。
走行距離が往復で20kmだと、意外なほど疲れないことに驚くはずです。20kmのサイクリングであれば、ほぼ無休憩で、しかもお腹もすかないはずなので補給食も不要です。それに慣れていくうちに走行距離も40km…60km…と伸ばしていけばいいでしょう。あるポイントで、「この距離はけっこうしんどかったな~」となれば、それがひとつのライン。
最初のうちは坂が多い場所は避けて、河川敷等の平坦路にしておくのが賢明です。坂道になると自転車はモロに重力でひっぱられますので、とたんに苦しくなり、汗だくになります。そうなると一気に修行&トレーニングの様相を呈してきます。「鍛える目的ではなく、楽しく走ってついでにカロリーも消費できたらいいな~」を目的とするなら、平坦路メインでいきましょう。
筆者が「ミニベロだとここが体力のラインだな…」と感じたのは、忘れもしない埼玉県川口市(自宅)から荒川沿いを延々と下って東京ディズニーランドまで走り、引き返してきたときでした。往復で75km(平坦路のみ)だったのですが、ラスト10kmでじわ~~~と疲労感に身体が包まれてきました。当時は補給食を摂るということも知らなかったので、軽いハンガーノックもあったかもしれません。
体力の伸びに限界を感じたら、ホイールの交換とか軽量コンポーネントへの交換等、バイクの軽量化を計ってみるもよし、空気抵抗の低い自転車専用のサイクルジャージに手を出してみるのもいいでしょう。道具で楽をするのは邪道ではなく、むしろ正しい行為です。
写真・文/中山順司
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