2018.10.5
ロードバイクで輪行をするとなると、ホイールの脱着は避けて通れません。よって、脱着ができるようになる必要があるわけですが、これが地味に輪行を避ける(避けたがる)要因の一つになっている気がします。
フロントホイールはまだしも、リヤホイールにはスプロケットが絡みついているし、物々しいリヤディレーラというメカも傍にあって「なんか怖い…(外せても、もとに戻せるのか?)」という軽い恐怖があるのではないでしょうか。
輪行準備の手順と同じで、自転車のメンテナンスや各種作業は脳ではなく体と手先で覚えるのが一番確実で手っ取り早いので、まずは練習してみましょう。勇気を出してトライしてみてください!
リヤホイールの脱着を苦手とするのは、わりと女性に多い印象です。かつて、知人の女性から「リヤホイールとの格闘で45分も要してしまった…」と聞かされたときはびっくりしました。“リヤの装着だけ”で45分ですから、ロードバイクを組み立てるのにもろもろ含めて1時間もかかったわけです。さすがに疲労困憊した様子でしたが、1時間もバイクを持ち上げたりするのを繰り返していれば男性でも汗だくになるでしょうし、走る気力も失ってしまいますよね…。
ただ、コツさえつかめばホイールの脱着は簡単です。
大きく2つ方法がありまして、ひとつは「自転車を普通に立てた状態で行う」パターン。そのままやるので、慣れているとスムーズです。
もうひとつは、「ひっくり返さずに外す」パターン。どっちでもやりやすいほうで構いませんが、ロードバイクを自立させてゆっくりやるなら、「ひっくり返してやる」のがベターでしょう。
こちらの動画は装着の手順。女性がいとも簡単にあっさりやっているように見えますが、実際こんなものです。ものの数秒でガシャッとハマります
ポイントは、リヤ変速機のギヤをもっとも重い場所にしておくこと。よって、チェーンをはめ込むのは「一番小さな歯のある部分」です。
チェーンの輪の中にギヤを入れ、リヤ変速機の上側プーリーの付近にギヤを入れてあげればハマります。変速機が引っかかってしまう場合は、変速機の下側プーリーを後ろに引っ張ってあげれば、だいたいスッと入ってくれます。
別の角度から見たい場合、この動画も参考になるので貼っておきますね。
フロントもリヤもそうなのですが、奥までしっかりシャフト(軸ですね)が入っている必要があります。さもないと、ホイールがまっすぐ回転してくれません。ちょっと力をかけてエンドにはまっていることを確認したら、空転させてブレていないかを確認しましょう。うまくハマった「つもり」に注意しましょう。
あと、ホイールを固定するクイックリリースのレバーは「手のひら(親指の根元の部分)」でぐっと押し込むくらいの力でやってください。指先だけで開け締めできてしまったら、それでは固定力がちょっと弱いです。
筆者は以前、出先で自転車をよいしょと持ち上げたら、後輪がガシャンと外れてしまったことがありました。停止状態だったから何も起きませんでしたが、これが走行中に起きていたら…と想像して背筋が凍りました。それ以来、とくに輪行の前後は念入りにクイックリリースレバーの締め付け具合を確認する癖がついています。
そしてもう一つ忘れがちなのが、ブレーキの開放レバーを開けっ放しにして走ること。レバーが開放されたままでもいちおうブレーキはかかるようになってはいますが、確実に制動力は落ちるので危険です。
ホイールをハメ終わったらすぐさま「出発!」したくなる気持ちはわかりますが、落ち着いて開放レバーを閉めるのを習慣にしておいてください。そして乗る前に、左右のブレーキレバーを一度握ってチェックしましょう。念には念を入れて、なにしろ、ブレーキは命に関わる重要なパーツですから。
ここまで文章と動画で脱着方法を説明しましたが、「それでも怖い!」「できる気がしない!」のであれば、一人ではなく誰かと一緒にやりましょう。もちろん経験者と、ですね。ベストはお世話になっているショップでしょう。行き詰まったら助け舟を出してくれますし、動画でさえ伝わらないちょっとした角度とか力の入れ方、方向等のサポートをしてくれます。
自転車機材は大した力を使わずともできるように設計されていますが、ほんの少しの角度の差のせいで「あれ…?ぜんぜんハマらないぞ…なんでだ?」ってなりやすいです。で、そこの壁を自力で突破できないと、「もういいや…」「やっぱり自分にはムリなんだ…」と諦めてしまいます。1回学んでしまえば、なんだそういうことか、たったそれだけでうまくいくのかってなります。
このように一つずつできることが増えていくと、輪行もパンクトラブルもストレスにならず、安心してサイクリングが楽しめるようになります。スキルが増えるほど、遠くにも行けるし、万が一のリカバリーもかけやすいのです。
ということで、
を心がけてください。
写真・文/中山順司
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