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サイクリングの極意<9>

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サイクリストにふさわしい、ライド前日&当日朝の過ごし方
サイクリングの極意<9>

 サイクリングが本格的な趣味になってくると、休日の起床時間が異様に早くなる傾向があります。なるべく早く身支度を整えて、一刻も早く家を出れば出るほど、長時間&長距離を走れますからね。

 個人的には、冬の方が起床時間が早くなります。理由は日没時間が早いからでして、夏は午後7時でもまだ明るいのが、冬は午後5時でもう真っ暗になりますからね。この2時間は大きいので、その分早起きして帳尻を合わせるのです。

 早起きするには、早めに就寝せねばなりません。つまり、前日の晩の過ごし方が肝となります。ということで、サイクリストとして正しい「休日前の晩の過ごし方」をお伝えしてみます。

金曜の晩はガマン!

飲みは控える&最低でも6時間の睡眠を確保

 前日はなるべく飲み会は控え、さっさと帰宅して翌朝の準備をして寝る!に限ります。なんなら、アルコールも控えましょうと言いたいところですが、そのへんの体調管理はきっと大人ならわかるでしょうから、分量は各自調整してください。

 睡眠時間も個人差があるでしょうが、最低でも6時間は確保したいところ。なにしろ翌日は体力をガンガン消費するわけですから、本当ならいつもよりちょっと長めに寝てもいいくらい。ちなみに筆者は6時間は寝ないと調子が出ないタイプです。

荷物は一カ所に保管すると忘れにくい

 「翌朝、荷物はマッハで用意するから大丈夫~」

 と言っているそこのあなた!その考えに頼っていると、いつか大きな忘れ物をしでかす可能性が大です。電車に乗るためのICカードとかハンカチを家においたままだった…くらいならまだ可愛いレベルですが、自宅から自転車に乗っていかないような遠征の場合、レースにヘルメットを忘れる(←出場できません)とか、グローブを忘れて終日不快な思いをしながら乗る…のは避けたいですよね。そのために前日の晩に余裕を持って準備しておくことをおすすめします。

 ひとつやらかしがちなのが、「ライトを就寝前に充電器にかけ、翌朝に装着し忘れてでかけてしまう」です。帰宅が夜になるツーリングだと死活問題なので、ご注意をば。

就寝前に準備した荷物は一カ所にまとめておく

 忘れ物防止のちょっとしたハックもご紹介しましょう。それは、「荷物は全部一箇所にまとめておく」です。あとは、生活動線上に置いておく…ですかね。先ほど紹介した「充電したライトを装着し忘れる」はその典型なんですが、だったらロードバイクの真横に充電器を置いてそこで充電する…とかすればいいです。強制的に視界に入ってきますので、忘れようがありません。ウエア、ソックス、インナー等も取り出しておいて、まとめましょう。アームカバーやウインドブレーカーもそう。ウエア関連はひと山に積んでおけばこれまた忘れません。

 あと、電車で出かける際には輪行バッグが必要ですが、その際に絶対に忘れてはならないモノの中に「輪行バッグの関連器具」があります。筆者は一度、輪行袋本体しか持たずに帰りが輪行の一泊ツーリングに出かけてしまったことがあります。リアディレイラーを保護するリアエンドの金具プロテクター、肩からかけるベルト、ホイールを固定するバンドなど何もかも忘れました。(そういえば、初めて行く場所だったので前の晩にテンションが上がっていました)

輪行時、このプロテクターがないとフレームを立てられません

 で、失態に気付いたのは宿に着いてから。完全に手遅れでした。翌日、仕方ないのでフレームを逆さまにして輪行袋に強引に押し込み、ホイールは道中で入手した紐で雑に固定し、肩掛けベルトがないので手に抱えて電車に乗りました。移動はめちゃくちゃしんどかったです。それからというもの、輪行バッグと関連器具はセットで保管しております。

忘れ物防止のノウハウ

 他にも忘れ物をしないためのコツはあります。前日の晩に以下のことを済ませておきましょう。

 ●ボトルはケージに挿しておく
 ボトルを忘れて家を出る → 喉が乾いた15分後に気づいて慌てて帰宅し時間ロス…。完全なあるあるです。

 ●フロアポンプはバイクの真横に
 タイヤの空気圧調整は当日の朝にやりましょう。バイクの横に置いておけば忘れません。

 ●ライトの移し替えも済ませておく
 複数台のバイクを持っていて、1組のライトを移し替えながら使っているサイクリストの方も多いでしょう。当日乗る方のバイクに移し替えておきましょう。けっこうな盲点です。あと、最後に充電したのがいつか思い出せないのなら、充電しておくことも忘れずに。

 ●空気入れや工具などの小物類をチェック
 携帯用の空気入れなどは、バイクに取り付けっぱなしであれば問題ありませんが、複数台で共有していたり、手持ちにしていたりする場合は、うっかり忘れてしまうことも少なくありません。ライド先でパンクして、予備チューブやパンク修理キットはあるのに、空気入れを忘れていた…なんてことは実はよくあります。グループライドであれば仲間から借りられるので笑い話で済みますが、一人でのライドだったらお手上げなので注意しましょう。

 ●車の移動ならトランクに入れられるモノは入れておく
 車での移動が決まっている場合、ヘルメットやビンディングシューズはトランクに入れておくと安心です。「そんなでっかいモノ忘れるなんてありえないでしょ?」って思うかもですが…あるんですよ、それが。

筆者は後部座席にシューズやグローブなどを前日の晩に放り込んでおくタイプ

(グループライドの場合)起床直後にメッセージを1本送る優しさを

 最後に、これは必須ではないのですが、グループライドの場合にできる工夫をひとつ。それは「グループLINEなどで起床したことを伝え合う」です。やることは簡単で、起きたらすぐさま「起きたよ~」と1本投げるだけ。全員がそれをやれば寝過ごしている人はいないことが確認できます。

 これをしないまま待ち合わせ場所に向かうのは、何気に不安なものです。仮に一人が「起床したよコール」を送ってこないのなら、電話をして叩き起こすことも可能。そういう意味では、前日の晩に「マナーモードを解除しておく」のも大事です。マナーモードにしたままだと、強制モーニングコールも効果がありませんので。

みんな来るかな…もうすぐ高速バス出発だぞ…とか思いながら待つのは危険(笑)

 また、一人が何かの都合で30分遅れることが早めに判明した場合、残りのメンバーはそれを見越して移動ができます。カフェに立ち寄って朝食をとるもよし、寒い季節であれば、駅構内で時間を潰す…といったことができますからね。些細なことですが、大人であれば「人の時間を無駄にしない」ように配慮するのは当たり前です。

 このあたりのことを守っていただければ、忘れ物ナシで快適にサイクリングを楽しめることでしょう。

写真・文/中山順司

中山順司
中山 順司(なかやま・じゅんじ)
ロードバイクをこよなく愛するオッサンブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。