2019.2.12
街でロードバイクを見かけることも多くなってきました。これまで自宅から近所や駅までの交通手段であった自転車が、ロードバイクに乗り変わると30km、50kmと自然と遠距離に変わって来ますよね。「走りやすい場所を探そう!」「家の近所のサイクリングロードに行ってみよう」と足を運ぶと、多くのサイクリストが走っていることに驚きます。休憩場所などで出会うサイクリストと話すと「今度ロングライドイベントにエントリーしていてね…」といったことも聞きます。連載第1回となる今回は、こうしたロードバイクで参加できるロングライドイベントについて紹介していきたいと思います。
現在ロングライドイベントは全国各地で開催されています。名称も様々で、ロングライド、グランフォンド、ツール・ド・○○、アースライド、センチュリーライドなどがあります。「ロングライドって何キロ走るの!?」と、少し不安に思う方もいると思いますが、30km程度から長距離だと200km超えるイベントもあり、距離には幅があります。休憩場所も多く用意されていて、足を止めて休むこともできる、初心者にも優しいイベントです。
初めての人にオススメしたいのは、「走った経験のある距離と同じくらいのイベントへのエントリー」です。いつもと同じ距離でもロングライドイベントでの走行感は格別なもの。初めて出会う美しい景色、自転車だから分かる道を繋いでいく楽しさ、同じゴールを目指すライダー達とコミュニケーションをとりながら走る時間は忘れられない思い出になることでしょう。「次はもう少し長い距離に挑戦しよう!」と、ロングライドイベントの計画を立てるようになります。
「ロングライド」で検索してみると距離だけでなく、標高差を売りにした獲得標高○○○○mのグランフォンド、休憩スポットでご当地グルメを味わえるグルメライド、ファミリー部門やガイド付きといったイベントも多くあり、それぞれのイベントに特色があります。
そんな中でも人気が高いのが参加者数3000人を超えてくるツール・ド・東北、スポニチ佐渡ロングライド210やサイクリングしまなみがあり、ほかにも東日本大震災復興支援のために始まったサイクルエイドジャパンなどがあります。海外ではホノルルセンチュリーライドなどです。これら160kmを超えるロングライドイベントは、サイクリストたちの1年の大きな目標になっています。中には300km、400km、600km走る「ブルベ」といった超ロングライドも存在します。世界大会も行われるほどサイクリストの距離への挑戦心は果てしないものがあるのです。
他にもロゲイニングと言われるチェックポイントをスマホや地図を確認しながら通過していくゲーム性が高いイベント、ダート(未舗装路)に強いタイヤでガレた野山を走るグラベルライドなど自転車を使ったアドベンチャー系のロングライドイベントも開催されています。このように長距離を名目に様々なイベントが存在します。
私はロード選手時代、スペイン・バレンシアで長く活動していたのですが、スペインでのロングライドイベントのひとつ「エクスクルシオン」に参加したことがありました。日本のような細かなカテゴリーは存在しないこのイベントは、前後をパトカーで挟んだだけで老若男女が混在した300人ほどの大きな集団で走行し、ガヤガヤと話しながらバレンシアオレンジなどのフルーツやパステリアといわれる菓子パンを休憩スポットでつまみながら走るイベントでした。
時速25km~30km程度のスピードで走っていたのですが、ゴールまで10kmの山の麓までくると突然先導のバイクが旗を振り出し急激にペースが上がりました。てっきりゆっくり走り続けると思っていた私はビックリ! 選手の本能をくすぐられ、後方から追い上げていくと頂上付近で監督の車が隣にやってきて「ゴールまであと3kmだぞ!頑張れ」と檄を飛ばしてきました。「え!これは頂上で最後だからみんな頑張っているんじゃないの?」と聞くと、最後の10kmはレースになっていると聞き仰天。必死に追い上げ、6位ぐらいでゴールしたのを覚えています。
山の頂上にある教会にはポディウムが用意されていて3位までが表彰。近くのバールでは走り終わったサイクリストたちが汗を拭きながら生ハムを挟んだサンドイッチを頬張り談笑している…。私が参加したエクスクルシオンはどうやらロングライドとレースが融合したイベントだったようです。
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