2019.3.8
好き好んで雨天の中をロードバイクで走る方はあまりいないと思いますが、運悪く雨雲に捕まり、止むを得ず走らざるをえないときはあるものです。そして、帰宅後に控えていること…それは「洗車」です。それはもう愛車がどろっどろに汚れます。一度でも雨天時に走ってみると、嫌というほどわかります。
「雨水だけなら、濡れることはあってもドロドロにはならないんじゃ?」と思うでしょう? でも走っていると路面上の砂やホコリをタイヤが巻き上げ続けるわけなので、BB付近、ダウンチューブの裏側、ブレーキ周りがビッチリと砂だらけになってしまいます。あと、気づきにくいところとしてはサドルとサドルバッグの裏も砂だらけになります。
下からは砂を巻き上げられるのが、雨天時走行したときの宿命なのです。ということで、洗車は必須。自分がシャワーを浴びるより先に、愛車をキレイにしてあげましょう。
軽い汚れであれば、クリーナーを吹きかけてウエスでキュッキュッでOKですが、さすがに雨天走行の汚れはそんな生易しいものではありません。砂もそこら中にこびりついていますので、屋内での掃除は現実的ではないでしょう。外でジャバジャバと水をかけ、まずはあらかたの汚れ&砂を落としてやる必要があります。
泥、砂が落ちたら中性洗剤を水で解いたものでさらに洗浄します。できれば両ホイールは外したほうがいいです。ブレーキの裏や前後のディレーラーもたっぷり汚れていますので、入念に洗いましょう。
ホイールのリムも真っ黒になっているでしょうから、こちらも洗いましょう。ブレーキシューのほうも忘れずに。
その後は水をかけて洗剤を落とします。はい、これで愛車はかなり綺麗になったはず。あとは乾いた布で拭いて完了…と言いたいところですが、まだ終わりではありません。
ホイールを取り付けるのはちょっと待ってください。洗っただけでは水が付いたままなので、しっかり拭き取りましょう。手と指が届く場所は問題ないでしょうが、ブレーキの隙間とかディレーラーのつなぎ目は手が届かないので、エアスプレーで吹き飛ばします。で、そのまましばし干します。
ひっくり返したままだとサドルが濡れますし、不安定なのでちょっと嫌ですよね。筆者がやっているのは物干し竿の土台に引っ掛けておくスタイル。フレーム単体なら軽いですので、びくともしません。とはいえ、万が一倒れたりしたら悲劇ですので、ご家庭でトライする際は十分にご注意くださいませ。
干す際に注意してほしいのが、
・水抜き穴がふさがっていないか
・穴から水が抜けるような角度で干しているか
の2点。
大抵のフレームには水抜き用の穴があるものです(BB付近かチェーンステーのどこか)。フレームの中に侵入してしまった水を抜かねばならないのです。砂でふさがっていることもあるので、触診で確認し、疑わしければ爪楊枝などでつついて貫通させましょう。
この時点でようやくシャワーを浴びます。その後で再度フレームを確認しましょう。小一時間も干しておけば、ほぼ問題なく乾くはず。気になるところを乾拭きし、ホイールを戻して完成です。
あ、この時点ではチェーンはカピカピに乾いているはずなので、改めて潤滑油を挿し直しておいてください。
フレームの中に水が侵入するのは、雨天走行だけではありません。雨水よりも厄介なのが、塩分を含んだ汗です。じつは筆者は三本ローラーで手痛いミスをやらかした過去があります。
筆者は「部屋に閉じこもって、汗をダラダラ流しながら三本ローラーを回すのが大好物」なのですが、かいた汗がヘッド部分に流れ込み、それが積もりに積もった結果、ベアリングを錆びさせてしまったことがあります。グリスも全部抜け、ヘッドとフォークが中茶色に変色しておりました。
1日や2日ではこんなことは起きませんが、何カ月も続けてしまうとこうなるんですね。ベアリングは総とっかえし、グリスを入れ直して元に戻りはしましたが、かなり冷や汗をかきました。
このように、雨天走行しないからといって、サビと無縁でいられるとは限らないのです。この一件があってからというもの、ローラーを回す際は、完全防水を期すためにヘッド部分にラップを入念に巻いております。
外側の目に見える部分の劣化や異常は目視でそれなりに気づけますが、フレーム内部はいかんともし難いです。自分でバラして中をチェックし、元どおりにするスキルがあればいいですが、そんな方は少数派ですからね。
素人で判別がつかない部分については、メカニックさんを頼ったほうがいいでしょう。問題がなければ御の字ですし、何もなくても時間の経過とともにグリスは抜けるものなので、洗浄とグリスアップしてもらいましょう。
「メカニックさんに診てもらう頻度がわからない&判断できない」ということであれば、ルーティンにしておくと余計なことを考える手間が省けます。毎週走る方であれば、半年に1回。たまにしか走らない人でも、少なくとも1年に1回は儀式のようなものと割り切ってチェックしてもらいましょう。
・タイヤの交換時期が近づいている
・チェーンがそろそろ伸びてしまっている
・カセットも一緒に交換したほうが良さげ
・バーテープがネチャネチャしているから丸ごと交換
・ブレーキシューがもうすぐ寿命を迎えそう
といった、もうすぐやってくるであろう消耗パーツの交換時期の目安もわかるので、安全にも一役買います。
ということで、
を心がけてください。
写真・文/中山順司
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