2019.3.28
ロングライドイベント! まだ見ぬ景色、大勢で走る長距離ライド! 初めてのグループ走行ともなると、大きな期待と同時に少し不安になるかもしれません。ですが、足並みの揃ったメンバーで走り慣れると、単独でのツーリングと大きく違い、受ける風を分担して楽に距離をこなせるようになります。ただし、グループ走行には、車間を保つちょっとしたコツと安全確保に必要な合図を覚える必要があります。ここではロングライドイベントで最低限知っておきたい走り方を紹介していきます。
グループ走行は先頭のライダーが全体をコントロールする印象があるかもしれませんが、安全を保つにはグループ全員のフォーローアップこそ重要です。最も大事なのは声を掛け合うことです。
例えば先頭から2番目のライダーは、先頭が気づいていないと思われる危険や情報を素早く察知し、先頭の代りに声を出して伝えます。また最後尾のライダーは後方の車の状況を前に伝えます。そうすることで先頭のライダーが後ろを大きく振り向かずにグループをコントロールできます。チームワークこそグループライドの楽しみ。こうしたフォローを続けていると、きっとライドが進むにつれて、一緒に走った仲間として皆が打ち解け合えることでしょう。
ロングライドイベントでは、足並みが揃ったメンバーでグループを組みます。その際に必要なのが人の後ろに付くという技術です。いきなり車間を詰めるのではなく、最初は2mほど離れて前走者のブレーキやスピードの加減速を把握します。その後で 1mぐらいまで車間を詰めると良いでしょう。しかし、危険が予測される場面や下りでは、十分に車間を開けて、余裕を持つことが重要です。
ある程度近づいて走れるようになってきたら、前走者の後輪が目に入ってきますが、安全に走るには顔を上げて走ることが必要です。顔を上げて走行環境全体を把握しながら、前走者の背中との距離感を保つようにして走行すると良いでしょう。車輪を見てしまうと細かい合図に反応が遅れるだけでなく、ハンドルへ荷重がのりやすくなってしまいます。
グループ走行では手の合図とともに声を出して、先頭の指示をグループ全体に伝えるのが基本です。停止の場面で先頭は、グループ全体の⾧さを把握し、交差点や停止線、前方の車まで余裕を持った位置から、後方へ停止サインを送ります。
後続は前走者の停止に備えペダリングを緩めて車間を作り、当て利きブレーキ(緩くブレーキをかけた状態)で徐々に減速しながら、「ブレーキ」と声を出して後続に伝え、余裕があれば手信号も使って後続へ伝えます。最後尾のライダーは手信号を使って後方の車へ合図します。
先頭が停止までに余裕がない場合は安全を優先し「ブレーキ」と声を出して後続に伝えます。後続のライダーは前走車との車間が大きく詰まった場合、前走者の真後ろで無理に止まるよりも、前走者の後輪の横に自分の自転車の前輪が重なって止まれるようにしましょう。焦って急ブレーキの連鎖を引き起こすと後方の落車のリスクがとても高まります。
また走行中にスピードの緩急で車間が思ったより詰まってしまったときは、ペダリングを急に止めず足を回しながら当て利きブレーキで減速し車間を戻します。足が止まると後続全体の足が止まり不安定になります。自転車はペダリングでトルクをかけると安定する性質があるので、ペダリングを止めずにブレーキをかけるこの技術はグループ走では多用します。
グループ走行をしていると、特にペーシングをしている先頭のライダーは後の様子を確認するために振り返りたくなります。この時顔を振った側の肩を落とさず、体勢を保ったまま振り向くことが重要です。
顔が大きく振り向くと本人が気付かぬうちに車体が振り向いた方向へ急に寄ってしまいます。後続の車間が詰まった場面など、安全確認のつもりが非常に危険な状況を招いてしまうのです。
安全が確保できる場所で、白線の上を走ったまま振り返る練習をしてみると良いでしょう。グループ走では過度な振り返りを避けるために声を前後で掛け合ってグループの安全を確認し合うことが重要になります。
ブレーキと同じくグループの安全を確保するために段差と障害物回避の合図が非常に重要になります。先頭のライダーは凹凸を発見した場合、十分な距離がある場合は片手でジェスチャーし、声とともに合図をします。左右に避けられる場合は手と声で左右にズレる指示を出します。この時、最後尾のライダーもまた後続の車にグループの状況を伝えるために手で合図を出します。
また2番目のライダーは先頭が障害物等に気付いていないと察した場合は即座に「前!」「下!」など声を出してフォローを行います。凹凸までに距離に余裕がない場合は、ハンドルから手を放さずに両肘を開いてバタつかせ、声とともに後方へ合図をします。
ゴミ等の小さな障害物を避けるのに左右に大きくズレ込むのもリスクがあります。走行ラインを変えずに障害物の脇を通過する際に、手でおおよその障害物とバイクとの位置を伝え、後方へ避けるように指示を出すことも頻繁にあります。
交差点や路地での左折は、先頭ライダーが距離に余裕があると判断した場合は左手を放し腕と声で方向を後方へ伝えます。後続のライダーで前走者との距離に余裕がない場合は声で伝えていきましょう。またコーナーリングの最中まで手で方向指示を出さないようしましょう。
右折は交差点になっている十字路やT字路は自転車は2段階右折です。声で「渡って停まります」など的確な指示を出し、軽車両の交通ルールに準じた右折を行いましょう。
交差点でないシーンでの右折では先頭は対向車両の確認後、右手と声で合図を送るとともに、最後尾のライダーが安全確保した合図を確認し右折します。つまり最後尾のライダーは後続の車との関係を前に的確に伝えていくことが重要となります。また安全が確保できない場合は、車道の左に寄り、停まってから右折するタイミングを図ることも重要です。
取材協力:株式会社ミヤタサイクル、シマノセールス株式会社
稲城から高尾まで 都内サイクリングの定番コース“尾根幹”と+αのルート
2018/10/30
2017/08/29
ヒルクライムで好成績を出すのに、どんなトレーニングをしたらいいですか?
2018/02/23