2020.10.20
スポーツバイクで自転車通勤を始める際、法定装備以外にも、ヘルメットや鍵など必ず揃えておきたいアイテムがあります。今回はアイテムを揃えるべき理由と選び方について解説します。(文・石川海璃 / 写真・大澤昌弘、松尾修作)
前回は法律上必要となる自転車の装備を紹介しましたが、身の安全を確保するには、それ以外の装備が必要です。まず最初に用意したいのがヘルメットです。
頭部を守ってくれるヘルメットは重要です。警視庁のウェブサイトでは、平成27年から令和元年に発生した自転車の交通死亡事故の原因の約6割は、頭部に致命傷によるものという統計が発表されています。また事故の際にヘルメットを着用していない人は、着用している人に比べ約2.4倍も致死率が高いことからも、ヘルメット着用の重要性がうかがえます。
ヘルメットの選ぶ際は、安全基準をクリアしているかを確認しましょう。簡単なチェック法として、マークの有無を確認する方法があります。代表的なものとして、一般財団法人製品安全協会が定めるSGマーク、欧州のCEマーク(CE EN1078)、米国のCPSCマークがあり、加えてJCF(日本自転車競技連盟)マークなどもあります。公認マークがヘルメットにあるかをチェックしてみてください。
なお、購入の際は、必ず試着をしましょう。頭の形にヘルメットがフィットするか、ヘルメットのサイズが適切かを確認します。正しい被り方は、以下の動画を参考にしてみてください。
バッグは、リュックがオススメです。ショルダーバッグよりも両肩で背負えるリュックのほうが走行時の安定感は高く自転車通勤に向いています。
必要な容量は人それぞれだと思いますが、ノートパソコンなど仕事道具のほか、場合によっては、着替えなど入れることを想定して容量を選択しましょう。また、雨が降ることも想定してリュックの素材も選びたいところです。自転車用を謳う製品のなかには、最初からレインカバーが付属しているものもあります。
なお、リュックを背負う以外の選択肢として、通勤用のスポーツバイクにカゴやキャリアを付け、そこに荷物を載せて運ぶという手段もあります。
自転車用のアクセサリーも欠かせません。中でも必要性が高いのは鍵でしょうか。仕事中は長時間、自転車から目を離すことになるので、しっかりと施錠をしましょう。理想は駐輪場の構造物と自転車を一緒にくくれるほどの長さを持った鍵です。ワイヤー式とU字タイプなど、2種類の鍵を組み合わせればより盗難の抑止に効果的です。
パンク修理用品も揃えておきたいアイテムの一つです。お店に持って行けばパンクした自転車を修理してもらえますが、通勤時間帯は開店していません。そうした事態に備えるためにも、事前に修理用品を用意し、パンク修理の手順を覚えておきましょう。
パンクの修理はチューブの穴をふさぐか、新たなチューブに交換するか、2通りの作業方法があります。基本的には短時間で作業が終わる後者がおすすめです。どの作業方法でパンク修理をする場合でも携帯ポンプ、タイヤレバー、予備チューブ、パンク修理パッチの4点を揃えておけばまず安心です。
最近では自転車保険の加入を義務付ける自治体が増えています。自転車通勤を始めるなら、住んでいる地域や通勤経路に該当する自治体の条例を確認しましょう。住んでいる地域の自治体が保険の加入を義務付けていなくても、通勤経路の自治体が義務付けている場合は、保険に加入する必要がありますのでご注意下さい(参考:弁護士に聞く、自転車のルールの素朴な疑問<12>)。
また自転車事故によっては、加害者が数千万円もの高額な損害賠償を命じられるケースが出ています。そうした万が一に備えるためにも自転車保険への加入は必須です。
なお、万が一に備えてエマージェンシーカードも携行しましょう。氏名、年齢、性別、自宅連絡先、緊急連絡先のほか、かかりつけの病院と電話番号、血液型やアレルギーの有無、既往症など、万が一の場合に最低限必要な情報を記しておきましょう。
必ず揃えたいもの
・ヘルメット
・リュック
・鍵
・パンク修理セット(携帯ポンプ、タイヤレバー、予備チューブ、パンク修理パッチ)
・自転車保険
・エマージェンシーカード
取材協力:ホダカ株式会社、コーダーブルーム 東越谷店
撮影協力:株式会社オージーケーカブト
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