2020.12.29
ロードバイクは高価だし、形が似ているクロスバイクを改造すればロードバイクになるかもしれない。そう考えてはいませんか。ロードバイク“風”に近づけることは可能でも、完全に再現するのは不可能です。一体なぜなのでしょうか。今回はその理由を紹介します。(文・石川海璃 / 写真・大澤昌弘)
まずこの2車種の大きな違いは車体設計です。ロードバイクはもともとロードレースのために作られた自転車で、舗装された様々な道を速く、長時間走ることに特化しています。主にアルミやカーボン素材が車体に使われていて車体は非常に軽量です。タイヤの幅は抵抗を極力抑えるために細め。空気抵抗を減らすために前傾姿勢で乗ることを前提に設計されています。
一方のクロスバイクは、ロードバイクとマウンテンバイク(MTB)の特徴を掛け合わせた自転車で、ロードバイクよりも上体を起こして乗ることになります。ロードバイクよりも安価な分、鉄やアルミ素材が車体に使われていて、ロードバイクよりも重め。タイヤはロードバイクより太めです。
車体の設計を細かく見ていくと寸法が違います。一例を挙げると、地面と平行な位置にある車体上部の長さ、トップチューブの長さが異なります。ロードバイクは湾曲したハンドル(ドロップハンドル)を取り付けるので、サドルに座ったときにハンドルが遠くなるのを避けるため、短めに設計されています。クロスバイクはまっすぐのハンドルを取り付けるのでロードバイクよりも長い傾向です。
また前後ホイールの距離(ホイールベース)も異なります。ホイールベースが短いと小回りや加速性能が優れ、長いとふらつきにくい乗り心地になりますが、ロードバイクはホイールベースが短く、クロスバイクは長めに設計されています。
このように車体の目的や設計がそもそも違うので、クロスバイクをロードバイクにするのは不可能です。
クロスバイクをいくらカスタムしてもロードバイクにはなりませんが、見た目や機能をそれなりに近づけることは可能です。
しかし、その場合にはそれなりの費用を覚悟しなくてはなりません。ハンドル以外にも様々なパーツを交換する必要がでてくるからです。クロスバイクにはMTB用パーツも使われているので、それをロードバイク用に交換するたけでもかなりの出費です。パーツ代と自転車ショップに作業を依頼する工賃と合わせると、自分の購入した車体と同じか、それ以上の費用がかかります。
取材協力:ホダカ株式会社、コーダーブルームショップ 東越谷店
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