TOP HOW TO ロードバイクで人生が変わった男がクロスバイクを買ったワケ初夏の通勤・通学はクロスバイクがオススメ
ロードバイクで人生が変わった男がクロスバイクを買ったワケ<2>

News / Columnロードバイクで人生が変わった男がクロスバイクを買ったワケ

初夏の通勤・通学はクロスバイクがオススメ
ロードバイクで人生が変わった男がクロスバイクを買ったワケ<2>

 通勤利用の為、クロスバイクを購入した筆者は、数ある自転車の中でも汎用性の高いクロスバイクを選択し購入しました。軽快車に無いスポーティーな走行性能から通勤・通学に活用するユーザーも多いようです。今回はそんなクロスバイクを使った通勤・通学でおすすめする理由とおすすめのアイテムや抑えておくべきトピックについてお届けします。

目次

クロスバイクが通勤・通学にオススメな4つの理由

 前回、クロスバイクを購入した筆者ですが、その目的は「通勤時間を少しでも楽しくフィットネスに充てたい」といったことが主な目的があります。今回はその過程において改めて筆者以外にも何故、クロスバイクが通勤・通学におすすめなのかを整理したので、その魅力について紹介したいと思います。一般的にクロスバイクをおすすめする理由として主に以下4つの理由が考えられます。

クロスバイク通勤を始めた筆者が“ツーキニスト”のコツを紹介!
都市内で最速の交通手段(かも?)

 一般的に通勤や通学は、電車やバスといった公共交通機関を利用する方が多いと思います。一方で、これらの移動にはどうしても乗り換えや合間の待ち時間といったタイムロスが発生してしまいます。加えて、これら交通機関への細かな移動は徒歩。こうした時間は案外と積み重なると軽視できないものです。

 公共交通機関が発達した都市圏において、前述のタイムロス要素を解決するひとつがクロスバイクを使った通勤です。自転車であれば、乗り換えはもちろん、家から最寄りの駅、駅から会社までの徒歩もすべて自転車による移動に置き換わるため、たとえ電車ほどの速度でなくとも、結果的に電車による通勤よりも速く目的地に到達することができる場合があります。

 事実、筆者は電車による通勤よりも15分近く短縮した通勤を実現することができており、出社に関しては非常に快適に過ごすことができています。

公共交通機関で発生しがちな乗り換えなどの時間が自転車通勤ではかからず
健康にいい

 筆者の場合、通勤の移動に際して、約30分。心拍数ベースでの計測でおおよそ200kcalほど消費ですが、これはおおよそ1時間のウォーキングに匹敵するカロリー消費です。単純計算で往復400kcalを消費し、おおよそ2時間ほどウォーキングした場合と近しいカロリー消費が想定されます。

 あくまで心拍数ベースでの計測のため、上振れは想定されるものの、現実的に考えると1日にウォーキングの時間を1時間以上設けるよりハードルが低く、とても効率的。(反面、非常に燃費が悪い感も否めず、すぐにお腹が空いてしまいますが…)

 これを「ダイエット」につながるというのは少々大げさではあるものの、まず普段の通勤では得られないアクティビティであるし、なにより朝から身体を動かすと午前中からのパフォーマンスが良いのでおすすめです。

経済的

 これは移動に際して交通費がかからないというもの。筆者のように通勤にあたって新たに自転車を購入した場合については、初期投資という観点ではコストがかかっているものの、中長期観点ではペイできる可能性は高く、結論お財布にもやさしいと言えるでしょう。

エコである

 移動に際して一切の公共交通機関を使わないということは、それだけ電力やガソリンといったエネルギーを節約できたことになります。1ユーザーレベルでは微々たるものでありますが、「塵も積もればなんとやら」。こうした気負わないエコへの貢献も良いんじゃないかと思っています。

自転車通勤・通学に最適な距離は?

 クロスバイクを使った通勤・通学がいかに素晴らしいものであるか力説してきた訳ですが、現実的にどれぐらいの距離がクロスバイクの通勤・通学に適しているかについて解説したいと思います。

 クロスバイクで都内を移動した場合、一般的な距離と体感のイメージは以下の通り。

【やさしい】走行距離:5キロ 所要時間:15~20分
【ふつう】走行距離:10キロ 所要時間:30~40分
【ふつう】走行距離:15キロ 所要時間:45~60分
【むずかしい】走行距離:20キロ 所要時間:60~80分
【むずかしい】走行距離:25キロ 所要時間:75~100分

まずは10キロ以下を目安に

 上記では距離と所要時間のイメージをざっくりと列挙しましたが、自転車を使った通勤・通学の初心者には10キロ以下、もしくは時間に余裕を持ったうえでのチャレンジがおすすめです。

 目的はあくまでも通勤や通学であることから、到着が遅れてしまうのは本末転倒。実際に通勤してみると信号ストップの多さや道路の混雑、パンクなどの急なトラブルに見舞われることも考慮したうえで、初心者でも無理なく実践できる距離が恐らく、10キロ以下の範囲と想定できるでしょう。

まずは10キロを目安に始めてみましょう
理想は15キロまで

 上記で挙げたように15キロを超えたところから所要時間が1時間を超える想定である。※都市部での信号ストップも加味したタイム。1時間以上の運動となると、日常生活に運動の習慣を取り入れていない人にとってはハードに感じる可能性が否めません。本来の目的地に着くころに疲れてしまっては通勤・通学方法としては最適ではありません。筆者の周辺には片道30キロを自転車通勤するという猛者がいますが、あくまで爽快感を感じる程度の範囲に収めることを理想としたい…。

クロスバイクを使った通勤の服装はどうする?

 軽快車に比べるとスピードの出るクロスバイクにおいてはその反面、運動量も増加しがちです。早い話が動きやすさや汗をかくことを考慮せねばなりません。筆者自身、通勤初日にオフィスに着くや否や、滂沱の汗を流し、ひっそりとオフィスで着替えています…。通勤・通学シーンを前提としたとき、スポーツウェアを着るというのも、着替えが面倒であるし、なにより一手間増えてしまいます。そんな課題に対し、筆者自身の経験も踏まえ、普段着の範囲で対応可能なポイントを以下にて紹介していきます。

服装は天候やシーンにあわせてこだわるのが楽しむコツ
上半身の服装のポイント

 上半身については主に温度や汗対策を中心に紹介します。

速乾性のあるインナーがおすすめ

 前項で述べた通り、汗をかくことについてはある程度避けられない可能性が高いです。クロスバイク問わず、スポーツ自転車に乗っていると冬でも発汗はあるものと考えたほうが良いですね。汗をかかない様にするよりも、うまく付き合う方法を考えましょう。

 地肌に直接触れるインナーは速乾吸収性の素材のものがおすすめ。スポーツ用やアウトドア用のものは汗を素早く逃がすつくりになっており、基本的に身体をドライに保つ前提としたものが多いので、結果的に快適かつ汗だくになる事態を回避してくれます。夏だからといってTシャツ1枚で自転車に乗るよりもこうしたインナーを1枚挟むことで結果的に快適になる場合も少なくありません。

シャツやアウターは丈の長いものを選ぼう

 クロスバイクは軽快車に比べ、やや前傾姿勢になることが多く、トップスの背面の丈が不足した結果、腰回りが見えてしまう可能性があります。こうした部分はルーズに見せたくない紳士淑女のサイクリストの皆様には留意していただきたい箇所でもあります。

体温調整にウインドブレーカーなどを活用しよう

 通勤・通学においては朝と夕方、夜が想定される訳ですが、自転車通勤をやってみると思いの外、寒暖差が感じられることも少なくありません。特に春先や秋など昼夜の寒暖差は侮れないため、急激な気温低下に対してコンパクトに畳める薄手のウインドブレーカーなどは便利アイテムの筆頭です。カバンに忍ばせておくことも考えておきましょう。

下半身の服装のポイント

 下半身については動きやすさを軸にポイントを紹介します。

伸縮性のあるズボンで

 通勤・通学が長時間に及ぶ場合は、伸縮性のある素材のパンツ(ズボン)にすることが良いでしょう。自転車という性質上、どうしてもペダルを漕ぐという動作は避けられず、こうした動きを極力阻害しにくいものを選びたい。昨今ではロッククライミングやボルダリングで使われるクライミングパンツなど、町中で履けるデザインが人気で、これら伸縮性と足の動きを阻害しない作りは自転車との相性もよく、おすすめです。

裾の巻き込みには注意が必要

 クロスバイクでは軽快車と異なり、チェーンにカバーがかかっていない構造のものが殆どのため、ボトムスを選ぶ際にはこうした巻き込みを考慮したものを選びましょう。具体的には裾がスリムなものや、7~8分丈のパンツが好ましいです。また、それ以外の場合でも巻き込みやパンツの汚れを防ぐ裾バンドを装着すれば問題ありません。

スポーツ用自転車はチェーンガードが付いていないものもあるため裾の巻き込みに注意

クロスバイクで通勤・通学で気をつけたいポイント

 最後にクロスバイク、もとい自転車での通勤・通学において気をつけるべきポイントについて紹介します。

空気圧のチェック

 どんな自転車においても常にパンクのリスクは潜んでいます。特にスポーツ自転車は軽快車に比べ、細いタイヤ幅や薄いタイヤ素材を使用しているためにこのリスクが高い傾向にあります。完全に防ぐ手立てはないものの、出発前の空気圧のチェックを習慣づけることである程度は避けることができるでしょう。空気圧の低下はパンクのリスクを高めるため、常にタイヤごとに設定された推奨の空気圧に保つことが肝要です。

適切な空気圧を守ることでパンクや落車のリスクを低減させます

 定期的な空気入れは普段と異なる空気圧低下を察知し、スローパンクなどのリスクを事前に発見できるため、出発後のトラブル回避の意味合いもあるので、ぜひとも習慣づけることをおすすめします。

道交法の遵守

 これはクロスバイクに限らないことですが、クロスバイクを含め自転車はクルマやバイクと同様に車両の扱いとなります。言うまでもありませんが、道交法の遵守は徹底しましょう。通勤・通学で急ぐ気持ちもあるかもしれませんが、ゆとりをもった時間と感覚でライドしましょう。

まとめ

 今回はクロスバイクを使った通勤・通学のトピックについて紹介しましたが、筆者自身、クロスバイクでの通勤は普段のロードバイクと違った自転車の楽しさを味わえる体験となっています。

 前項で挙げた汗問題に始まり、おおよそロードバイク経験者とは思えぬ不手際、配慮不足の連続でしたが、一方で自転車に乗る楽しさは変わらず、どうしたらこの体験を快適にできるかを考える試行錯誤も含めて面白さであると改めて実感している日々が続いています。

文: 宮崎薫(みやざき・かおる)

夢破れた20代後半、友人に誘われる形で始めたロードバイクがきっかけで人生が激変。変わる体質、減る体重、高まる自己肯定感に後押しされ、就職→大手広告代理店への転職→憧れの女性との結婚に成功するという自転車サクセスストーリーを地で行く30代。最近は仕事も忙しく充実しているが、以前ほど自転車に時間が割けないジレンマに陥っている。

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