2021.2.23
雪が降る地域はさすがに厳しいですが、服装やアイテムの選択さえ間違えなければサイクリングは四季を通じて楽しめるスポーツです。とは言え、なにを準備すれば良いのか? ウェアをどう組み合わせれば冬でも快適に走れるのか? などの疑問を解決するには、店頭やウェブサイトで商品を眺めているだけでは検討がつかないでしょう。今回の記事では関東の冬でもサイクリングを楽しめる防寒アイテムの選び方、寒さ対策のコツをまとめてみました。
スキーや登山に比べて、冬のサイクリングに必要なアイテムはさほど多くありません。必要なのは以下のアイテムです。
上半身
・アウタージャケット(25,000円)下半身
・冬用ビブ(15,000円)指先や足先などの末端
・冬用グローブ(12,000円)上半身に身に着けるのはインナーウェアとアウタージャケットの2枚。保険でウインドブレーカーを用意しておけば十分です。下半身は「ビブ1枚でいいの?」と思うかもしれませんが、大丈夫。体の末端はどうしても冷えるので、保温性の高い冬用のアイテムで覆ってあげなくてはいけません。
紹介したアイテムを揃えようとすると、合計で6万〜7万円くらいの費用になります。安くはないものの、これで数シーズン楽しめると思えば悪くない投資でしょう。ちなみにこの中で一番傷みやすいのはシューズカバー。だいたい2シーズンで使い物にならなくなるイメージです。ただ、冬用アイテムの中では安価なのでさほど気になりません。
冬のサイクリングでは、アウタージャケットと同じかそれ以上に重要なのがインナーです。素材が良質で防寒性の高いものは1万円前後します。
「え、たかがインナーに1万円も? 人に見せるわけでもない薄手のインナーにお金をかけたくない…」と思ったアナタ、その感覚はわからなくもないし、ある意味正常です。
しかし、真冬を快適に走れるかどうかはインナーの性能で決まる! と言っても過言ではありません。インナーを1枚買えば、数年は余裕で活躍するのでぜひ用意しましょう。
私はここ5年、同じ冬用インナーを使い続けていますがまだまだ現役。値段はやや高かったですが、もう十分元は取れています。高性能なインナーとアウターの2枚、あとは朝晩の冷え込み時用にウインドブレーカーがあれば、冬はほぼしのげるでしょう。
どのような季節でも同じことが言えますが、サイクリング中は体温がこまめに変化します。負荷をかけて走ると冬でも汗をかくし、坂を長時間下れば体温はみるみる下がります。そこでポイントとなるのが「体温調節できる服装である」こと。冬の典型的なミスが重ね着をしすぎて汗を大量にかくことで、汗のせいでインナーがぬれるとカンタンには乾いてくれず、体温を下げてしまいます。
重ね着したウインドブレーカーを脱ぐ、アウタージャケットのジッパーを下げて風を入れるなど、汗がウェアの中にこもらないように工夫しましょう。冬のサイクリングの敵は外気温よりも「己の汗」なのです。
筆者は坂に差し掛かるとアウターのジッパーを半分下げ、汗をかきそうになるのを冷気で押さえてバランスを保つように工夫しています。
人によっては手足の指先や耳と首が冷えてかじかんでしまうことがあります。指先については冬用グローブとシューズカバーで対処可能です。ここもインナー同様、ケチらないようにしましょう。首と耳はイヤーウォーマーやネックウォーマーを活用してはいかがでしょうか。
ひとつアドバイスするなら、イヤーウォーマーはなるべく薄手のものにしましょう。耳をふさいでしまうので、しっかり周囲の環境音が聞こえるか確認してください。厚手でかさばるものは避けたほうが良いでしょう。
ネックウォーマーについてもなるべく薄手のもの選びましょう。生地が厚いと汗をかいて不快です。バンダナくらい薄いもので十分暖を取ることができます。
ちなみに筆者は耳と首の寒さには鈍感でして、どちらの製品も使ってはいないです。このへんはご自身の肌感覚で決めてください。
どのように対策しても、年に数回レベルでどうしようもない冷え込みに悩まされることがあります。そのようなときは体の末端を使い捨てカイロを使ってあたためましょう。冬場ならコンビニエンスストアやホームセンターなどで売っています。
足用のミニサイズを貼るときは、足の裏よりも「甲」が効きます。土踏まずに貼ってしまう人が多いのですが、血管が太い甲を温めるほうが効果的です。
体中が冷えるのであれば、大きめの使い捨てカイロを背中の肩甲骨の間か腰に貼りましょう。個人的検証を重ねた結果、この2カ所がベストという結論が出ました。
「使い捨てカイロは数時間しか持たないから、せいぜい朝しか効果がないのでは?」と不安になるかもしれませんが、数時間持続すれば十分です。日が昇れば気温も上がるので、カイロの効果が切れるころには寒さも薄らいでいるはずです。
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