2021.2.26
上半身の姿勢をずっと維持し続ける運動って、サイクリング以外にはなかなかない気がします。球技はひたすらボールを追い続けますし、ジョギングや登山は足や腕を動かしての全身運動ですからね。そういった意味では自転車はちょっとレアかもしれません。
自転車に乗って長距離・長時間こいでいると、首、肩、腰、お尻の血流が悪くなり、痛みだすものです。これは老若男女関係なく、あらゆるサイクリストが通過する道といっていいでしょう。実は首、肩、腰、お尻以外にも見落としがちな痛みやすい場所が「手のひら」です。そこで手のひらの痛み対策をまとめてみました。
路面から自転車を通して伝わる振動を吸収し、手のひらの痛み対策として手っ取り早く効果を感じられるのがグローブの装着です。ホームセンターにある作業用軍手でも代用は可能ですが、所詮ないよりはあったほうがいいレベルなので、専用品を買いましょう。サイクリング専用グローブには、手のひらにパッドが埋め込まれています。これが緩衝材となって路面からの衝撃や振動を吸収してくれます。
当然、パッドが手のひらに来るように着用します。当たり前だろ! とツッコミが入りそうですが、先日サイクリング番組を見たとき、有名な出演者がグローブを逆さまに着用していました。つまり、パッドが手の甲にある状態で走っていたのです。
ちなみに季節ごとにグローブは交換したほうがいいですね。筆者は夏用に指切りタイプ、秋と春用に薄手のフルフィンガー、冬用に厚手のフルフィンガーの3タイプを使い分けています。
グローブには衝撃吸収する以外に落車時に手のひらを守ってくれます。ケガを減らす意味でも、季節や気温を問わず、グローブは常時着用しておくのがオススメです。
グローブをしてもまだ手が痛むのであれば、ハンドルに体重が乗っていないか確認しましょう。自転車に乗るとき、「サドル・ペダル・手のひら」の3カ所で体重を支えています。当然ながら、体重が極端に腕に乗って荷重がかかると痛みやすくなります。
そうならないよう、体幹を使って身体を気持ちアップライト気味に起こしてみてください。ハンドルから体重が抜け、痛みが緩和されるはずです。ある程度の体幹がないとその姿勢を維持するのが辛くなってきたりはしますが、そこは身も蓋もない言い方をすると「慣れ」です。繰り返していれば身体が覚えます。
ただ、上体を支える筋力は必要です。サイクリングは下半身を主に使う運動だと思うかもしれませんが、上半身もそれなりに使います。走行時に上半身を支えるのはもちろん、坂を立ちこぎ(ダンシング)するときも腕や背筋はけっこう動きます。
前述のハンドルに荷重かけすぎないことに合わせて、上体を起こすときは腕をつっぱらないようにしてください。「腕を伸ばすほうが、上体が起きやすいではないか」と思うかもしれませんが、むしろ逆効果。腕を突っ張ったぶん、体重は抜けませんし、路面から生じる衝撃が身体にモロに伝わります。
肘をかるく曲げ、クッションのように衝撃を吸収するように、いなすようにしてみてください。もし、肘を曲げるとハンドルが遠くて苦しい、突っ張らないと満足に走れないということでしたら、そもそものポジションがずれている可能性があります。
「いや、お店で買ったときにポジションは合わせてもらってるけど?」と思うかもしれませんが、ロードバイクのポジションにコレが唯一の正解! といったものはなく、乗る人次第でいかようにも変わります。たとえば、身長が同じでも、股下、腕と脚の長さ、柔軟性、筋肉の付き方は千差万別で、その身体的特徴の差がポジションの違いになります。
自転車店でポジション調節をする場合は、「最大公約数的なスタンダードなポジション」に合わせてくれています。自転車に乗り慣れてくると、その人にとっての走りやすいポジションは徐々に変わります。だから都度、自転車店で自分のポジションを確認してもらうことは、なにも不思議なことではありません。
手にグローブを着けたり腕のフォームよりも重要なのが体幹です。体の中心部がしっかりしていれば、サドルの上で快適に過ごせる時間が長くなります。
「え~、トレーニングするのめんどくさい~」と思った方、安心してください。体幹を鍛えるのにフィットネスクラブに通う必要はありません。バーベルなどの機材も不要です。自宅で寝る前に約10分トレーニングするだけでOKです。
体幹トレーニングで検索すれば書籍やブログ記事がたくさん見つかります。YouTubeで動画を検索してもたくさんヒットしますね。動画ではサッカー、野球、陸上選手が登場していることが多く、特にサイクリスト向けとは明示されていませんが、気にしなくてOK。体幹はあらゆる運動のベースとなるので、動画を参考にまずはやってみましょう。
基本中の基本はプランクです。うつ伏せになった状態で前腕と肘、つま先を地面につけた姿勢をキープするエクササイズで、じっとしているだけで非常に地味。しかし、非常にキツイです。
1分できればまずはOK、2分できればまずまず、3分できたら上出来、4分できたらけっこう鍛えている部類に入るかなと。5分を超えられたらあなたはもう十分すぎるほど体幹が備わってます(笑)。それでも腕が痛ければ、他に原因があるはずです。
手のひらの痛み対策まとめ
① グローブを買おう(安い投資です) ② ハンドルに荷重させすぎない ③ 腕は突っ張らず、肘を軽く曲げて ④ 体幹を鍛えよう稲城から高尾まで 都内サイクリングの定番コース“尾根幹”と+αのルート
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