2021.3.5
ロードバイクのカスタマイズを考えるとき、つい目が向いてしまうのはホイールやサドルなどの目に付きやすいパーツです。その反面、ないがしろにされやすいのがタイヤですね。
「黒いゴムだし、どれも見た目がほぼ同じ…」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。自転車本体とアナタの重量を受け止め、路面と接点を持つ唯一の場所がタイヤなのです。言い換えると、命を預けている場所でもあるわけです。そう考えると、タイヤ選びも真剣に考える価値があると思いますよね? ということで、タイヤ選びのポイントについて解説します。
「ロードバイクをカスタムしよう!」と思い立ったとき、まず考えるのはどこでしょうか? 軽いホイール、カーボンハンドル、あるいはサドルあたりかと思いますが、筆者がまずオススメしたいのは「タイヤ交換」です。
「なぜタイヤなの? どれも似たりよったりじゃないの?」と思うのは早計でして、メーカーやモデルによってかなりの性能差があり、タイヤひとつで乗り心地は大きく変わります。自転車パーツの中では比較的価格が安いので、とりあえずのカスタマイズにもってこいです。
エントリークラスの完成車についてくるタイヤは、(こう言ってはなんですが)たいてい下のグレードのモノが使われています。頑丈なのはいいですが、そこそこ重量があり、転がり抵抗も低くありません。
つまり、走行性能はやや犠牲になっている可能性が大きいです。そのようなバイクのタイヤを「ちょっと上のグレードのモノ」に交換するだけであら不思議、「タイヤが変わるだけでこんなに違うのっ!?」と驚くこと請け合いです。
ホイールによってどのタイヤが使えるかが決まっていますが、ロードバイクには大きく分けて3種類のタイヤがあります。ここでは構造についての話は割愛し、それぞれの特徴に触れます。
1.クリンチャー
もっともスタンダードかつ普及しているのがクリンチャータイヤ。完成車を買うと、ほとんどの車体がクリンチャーホイール&クリンチャータイヤです。
メリットは「修理・交換がしやすい、価格がリーズナブル、選択肢が多い」です。パンク時はタイヤの中のチューブを交換するだけ。トラブルに対処しやすいので、迷ったらクリンチャーにしておきましょう。
2.チューブレス
最近増えているのがチューブレスタイヤ。中にチューブを入れる必要がなく、空洞です。マウンテンバイク(MTB)で一般的だったものがロードバイクの世界にも押し寄せています。中にシーラントという液体を入れて使うと、パンク時に「シーラントが穴を塞いでくれる」ので、ちょっとした保険がかかっているようで安心できます。
さらに、チューブがないおかげでタイヤの転がりが良く、空気圧も低めでOKとメリットもありますが、シーラントで塞げない大きな穴が空いてしまうと修理にちょっと難儀します。好きな人は大好きだけど、修理の難しさから敬遠している人も一定数いるのがチューブレスです。
3.チューブラー
プロロード選手の多くが愛用するのがチューブラータイヤ。「プロが使うなら自分も!」と思うかもしれませんが、扱い(交換作業・パンク修理)がもっともしんどいのがコレ。
プロ選手は自分で交換せず、メカニック任せですからね…。すべて自分でやらねばならないホビーサイクリストは、よほどチューブラータイヤを使いたい理由がない限り、積極的に手を出す必要はないでしょう。
なお、筆者は2台のロードバイクを所有しており、1台はクリンチャー、もう1台はチューブラーで運用しております。
タイヤの乗り心地・走行性能・太さはトレードオフの関係にあります。例えば、乗り心地がよく、段差が気にならないタイヤは太くて重く、走行時の軽快感に欠けます。また重量が軽くて転がりのいいタイヤは摩耗が早く、パンクしやすくなります。どのタイヤが正解という話ではなく、自分が重視するものから優先度を決めるのがいいでしょう。
ちなみに筆者は、ロードバイクのタイヤは「28cや25cではなく、23cの細め」かつ「なるべく軽量なレース向け」を好んで使っています。23cのほうが硬めの乗り味になりますが、ソリッドな感覚が嫌ではないのと、レース向けはタイヤのトレッドが薄めでパンクしやすい傾向ですが、空気圧をこまめに管理することで予防できています。
初心者の方は、クリンチャー、チューブレス、チューブラー、どれがもっともパンクしにくいのかが気になると思います。回答はズバリ、「どれでもパンクするときはする」です。身も蓋もなくてスミマセン。
細かいことを言えば、チューブレスはシーラントのおかげでパンクリスクが低い…とは言えるでしょうが、しょせん誤差のレベル。これまでに複数のメカニックさんにこの質問をしてきましたが、全員が「パンクなんて時の運。〇〇のタイヤを履いているから安心なんてことはない」と口を揃えていました。
つまり、タイヤの構造やシステムを過度に信用するのではなく、空気圧を管理し、タイヤに異物がめり込んでいないかをチェックするクセを付けましょう。パンク予防の心がけさえちゃんとしていれば、数年に1回くらいには押さえることは可能です。あと、限界ギリギリまで使い切るのではなく、早め早めの交換を心がけるのがオススメです。
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