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サイクリングの極意<18>

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1泊2日で行く、自転車旅の楽しみ方とコツ
サイクリングの極意<18>

 サイクリングにも慣れ、100kmオーバーのロングライドを普通にこなせるようになると「もっと遠くに行ってみたい」という欲が生まれるものです。ただ、1日で走れる距離には限界があり、どうしてもいつものコースを走る機会が多くなってしまうでしょう。そんな貴方におすすめしたいのが「自転車で行く1泊2日の旅」です。

 「荷物が多くなるのでは?」や「何を持っていけばいいの?」と心配になるかもしれませんが、やってみると意外に大したことはありません。不安を解消すべく、1泊2日の自転車旅のコツをまとめてました。

1泊2日の自転車旅のコツを紹介

必要なものと不要なものを整理しよう

 ロードバイクで遠出するときは「荷物は最小限におさえる」のが基本で、旅の場合も同じです。外泊するとなると、あれもこれも持参せねば! という気持ちになりますが、冷静に取捨選択をしましょう。 最低限必要なものはお金、モバイルバッテリー、自転車のカギ、ハーフパンツ、輪行袋などです。

自転車旅に必要なもの

・お金(クレジットカード、電子マネーだけではなく、キャッシュカードも。もちろん現金も)
・モバイルバッテリー
・自転車のカギ(なるべく軽いモノを)
・ハーフパンツ
・輪行袋(出先でトラブルした場合の備えとして)
・メガネやコンタクトケア用品
・サングラス、グローブ、ヘルメット

 地域や宿によっては、現金しか使えないこともありえます。あと、筆者はレストラン、ホテル、電車内でビブショーツ姿だとマナーに反するようにも思えるので、最初からハーフパンツを履いて行きます。

筆者はサイクルジャージにハーフパンツの組み合わせで自転車旅を楽しみます

 現地で調達できそうな歯ブラシやタオルはあらかじめ持っていかなくてもいいでしょう。ポイントは「かさばる衣類・靴は持っていかない」に尽きます。サイクルウェアで代用できないか? 現地調達できるのではないか? という視点で考えましょう。

持っていかなくてもいいもの

・歯ブラシ、タオル、ひげ剃り、クシ(宿で用意されています。事前に確認を)
・下着(現地のコンビニで調達すればOK)
・上着(ウインドブレーカーで代用するか、宿の浴衣で)
・シューズ(ホテルにサンダルがある場合も。なければ諦める)
・スマホの電源アダプター(大容量モバイルバッテリーがあれば1泊2日なら問題なし)
歯ブラシやタオルは宿で用意されているケースが多く、わざわざ持ち運ばなくでも大丈夫です

 余談ですが、ワイヤレスイヤホンと電子書籍は、なくても困らないものの、あると快適なアイテムです。輪行中やホテルで暇を持て余すこともありません。

荷物をどう収納して持ち運ぶかを考えよう

 自転車旅で問題になるのは荷物をどう収納してどう持ち運ぶかです。個人的にイチオシの方法は「バイクパッキング」です。荷物は身体ではなく、自転車に背負わせたほうが楽です。大型のサドルバッグが1つあると、とても助かります。

大型のサドルバッグは収納性が抜群です

 全て大型のサドルバッグに収まれば完璧ですが、収まりきらなかった場合、なにかしらバッグを背負うことになります。メッセンジャーバッグやリュックサックといった選択肢がありますが、両肩で背負うリュックサックにしておきましょう。メッセンジャーバッグが快適なのは短距離だけ。ロングライドだと片方の肩で背負い続けるのはとてもつらいです。

荷物が大型サドルバッグに入りきらない場合は、リュックを背負いましょう

 筆者は中サイズと小サイズのバッグを用意しており、荷物の少ない夏場は小サイズ、冬場は中サイズ、それに大容量サドルバッグを組み合わせています。

宿を決めるコツと注意すべきこと

 宿は個々人お好みの方法でとしか言えませんが、私の方法を参考までに紹介しておきます。

1. 宿は地図アプリで探すのが早い

 宿はスマートフォンの地図アプリで探すと早く見つかります。アプリ内のレビュー(星の数)をざーっと見て、良さげな宿を3つほどに絞り込んだら、公式サイトで設備や価格を確認します。自転車で移動しているわけなので、駅から遠くても問題ありません。むしろ駅から離れたほうが安いのでオススメです。

2. ロードバイクの持ち込みが可能か相談する

 あらかじめ確認しておきたいのはロードバイクの持ち込みが可能かどうかです。バックヤードで保管してもらえるか? 部屋への持ち込みが可能か? 屋外の駐輪場しか場所がないか? ロビーの隅に置かせてもらえるか? 宿によって対応は様々です。メールで問い合わせるとニュアンスが伝わらないので、電話がベターです。

 観光地でサイクリスト慣れしている宿だと、運用体制が決まっていて話が早いです。そうでない場所の場合、相談&交渉してみましょう。なお、部屋への持込の場合、まず間違いなく輪行バッグは必須です。

 筆者の体験談ですが、民宿はわりとフレキシブルで、「食堂に置いときな!」と言ってくれたりします。

民宿に泊まった際、宿の食堂に置かせてもらいました

3. キャンセルの期日を確認する

 台風などの悪天候でキャンセルせざるを得ない場合もあるので、あらかじめキャンセルポリシーを確認しておきましょう。宿によっては前日までキャンセルOKであったり、4日前までにキャンセルしなければならないなど、意外にバラバラです。ビジネス系のホテルだと、ギリギリ前日まで待ってもらえる傾向がある印象です。

4. 大浴場と朝食バイキングは欠かせない

 完全な個人的嗜好なのですが、大浴場は欠かせません。長旅で疲れた体を癒やすには、部屋の狭い湯船よりも手足を伸ばせる大浴場です。サウナ好きの“サウナー”である私は、サウナがあると大喜びします。

 そして、朝食バイキングがあるかないかも大事なポイント。近くのコンビニで買って部屋で食べるのも構いませんが、せっかくの旅なのですから、ここはケチらないでおきましょう。ご当地グルメが並んでいると、テンションが上がるものです。

あらかじめダイヤの確認をしておこう

 電車移動の注意点として、地方や田舎ならではの「電車本数の少なさ」は頭の片隅にいれておきましょう。「次の列車を待てばいいや」とのんびり輪行準備をしていたら、次の電車まで1時間も待たされることはザラにあります。1時間なら可愛いほうで、下手すると3時間に1本しかないなんてこともあります。帰りは電車輪行しようと考えているなら、ダイヤの事前確認はマスト!です。

 以前、JR飯山線の津南駅で電車に乗ろうとした際、長野方面行きの8時54分発のに乗れないと3時間以上待たされる!と、自分史上最速スピードで輪行準備を整えたのはいい思い出です…(滑り込みでセーフ)。

旅の場所によっては電車の本数が少ないので、輪行する場合はダイヤを確認しましょう

1泊2日の自転車旅のコツまとめ

① 荷物は徹底的に削る
② 荷物はなるべくバイクに持たせる
③予約時に宿には1本電話を入れておく
④ 電車のダイヤは事前に確認を
中山順司
中山 順司(なかやま・じゅんじ)
ロードバイクをこよなく愛するオッサンブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。
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