2021.3.9
ここはどう走ればればいいの? 正しい走り方ってどうなんだろう? 自転車に乗っていて、ふと疑問を抱いた経験はないでしょうか。この連載は都心部の自転車通勤を想定して、走行時に困惑しそうなシーンを挙げ、正しい交通ルールを学んでいきます。
今回は前方に左折自動車がいる場合についてです。自転車は車道を走れますが、自動車と同じように走れるわけではありません。車道が1車線しかないときは、道路の左側端を、複数車線あるときは一番左側の車線を走らなければならないというルールがあります。
では、複数車線ある交差点を自転車で走行中、前方に左折しようとする自動車が複数台連なっている場合はどうすればいいでしょうか。
画像は左折しようとする自動車が連なって徐行しており、道路がふさがっています。さて自転車は左の矢印のように通行すべきか、右の矢印のように通行すべきか、どちらが正しいと思いますか?
画像の道路は車道に複数車線がある道路ですので、一番左側の車線を走る必要がありますが、実は左側の車線のさらに左端を走らなければならないというルールはありません。自転車は一番左側の車線を越えない限り、進むことができます。
しかし、右の矢印のほうに進む場合は、前の自動車を追い越すことになります。交差点付近での追い越しは禁止されていますので(道路交通法第30条第3項)、画像のように交差点付近にいる自動車を追い越さなければならない場合は、やはり右の矢印のほうに進むことはできません。
そうしますと、左の矢印のほうに進むことになりますが、自動車と安全な間隔を確保できないばかりか、巻き込み事故に遭う恐れもありますので、左折する自動車が過ぎるまで、無理に追越しをかけないというのが現実的な対応になります。
2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。
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