2020.1.3
初級編では基本的な乗車姿勢のキープとペダリングの習得のため、主に腹筋群の強化方法をお伝えしました。これらの筋肉を鍛えたうえで乗り込みを重ねると、走力が熟達してくると思います。次に、効率的なステップアップをするためにオススメの強化ポイントは背筋群になります。
後ほどお伝えするように、ペダルに力を伝える主要な筋肉はお尻の筋肉である大臀筋やモモ裏にあるハムストリングスになりますが、それらと連鎖して作用するのが広背筋や脊柱起立筋といった背中の筋肉になります。背筋はロードバイクのフォームを作る支柱である背骨を支える筋肉でもあり、深い前傾姿勢をキープするためには欠かせない存在です。
また、前傾姿勢が深くなるとハンドルへの荷重を肩周りに分散する必要性が生じます。肩周りの筋肉を強化し、肩周りの動きがしっかりできてくると、手のひらだけでなく腕全体で荷重を受け止められるようになるので、前傾姿勢のキープも楽になります。また負担が分散されるので長時間それを維持しても疲労がたまりにくくなります。
前傾姿勢のキープというところに着目しましたが、背筋の強化はダンシングにも効果があります。ダンシングの要はスムーズな体重移動です。ペダルを足で踏むのではなく体重を乗せて踏むためには背中と肩の動きが伴っていることが重要です。
このように走りの幅を広げる上で肩周りの強化は外せません。今回は中級者向けの上半身の強化ということで、背中と肩周りの強化をお伝えしていきます。前回とうって変わりダンベルを用いた筋トレもご紹介します。
いわゆる“腕立て伏せ”です。ただし、ここで行うのはよくある腕立て伏せと違い、脇を締めて行います。背中〜肩後面にかけての筋肉とお腹〜胸の前面にかけての筋肉の強化ができます。
より早くステップアップをするためには、深く前傾姿勢を取れるようになること、それを長い時間キープできるようになることが鍵になります。体重を受け止めるサスペンションとしての肩周りが機能することが重要になるためです。
プッシュアップを行うことで、深く前傾姿勢を取った際のハンドル荷重を手に頼らず、腕全体に分散させることができるようになります。また、段差などの衝撃吸収にも生きるでしょう。これにより長時間の高速巡航時にも疲れにくくなります。またクリテリウムなどのレース場面においてはダンシングへの切り替えがより素早く行えるようになります。
両手を床について肘を伸ばし、体は頭からつま先まで一直線にします。顎はしっかり引きましょう。お尻が上がりやすいので注意です。
また、レースの最終局面でのスプリントにおいてもより高いパワーを伝える上でダンシングで“もがく”ことがあると思いますが、この時にも背筋を上手に使えると一歩リードしやすいです。
四つ這いになって鍛えたい方の腕でダンベルを持ちます。両膝は肩幅くらいに開きます。頭からお尻までは軸を意識して一直線を作りましょう。肩甲骨の裏側を意識してダンベルを胸に近づけるようにして持ち上げます。
ももの付け根を軸にお辞儀をした状態で両手にダンベルを持ちます。この時に背中はまっすぐな状態を意識しましょう。背中はまっすぐにしたまま、ももの付け根を軸にして体を起こしていきます。最後の立った状態の時に腰が曲がらないように注意しましょう。ルーマニアンデッドリフトには次の記事からご紹介する臀筋やハムストリングスを強化する効果もあり、サイクリストがステップアップするために重要な種目です
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