2020.1.28
これまではロードバイクに乗っている時の姿勢を支えるための筋力強化を行ってきました。ここからはペダルにしっかりと力を伝えるために大切な、股関節周囲の筋トレを行っていきます
股関節周りの筋肉は、椅子に座っている時間の長い昨今の日常生活では意識しにくいため、いざ自転車に跨るとうまく使えないことが多いです。このため力任せにペダルへパワーを伝える、“膝で踏む”ペダリングになりがちです。
膝を伸ばす筋肉である大腿四頭は非常にパワフルである反面、疲労しやすいという側面があるため、長時間の有酸素運動であるサイクリングには適しておりません。ここばかりに頼っていると膝周りを故障することにもつながります。そこでサイクリングにおいては、膝に頼らない“股関節主体のペダリング”を習得することが求められます。
股関節主体のペダリングを習得できるとより効率的に体を使うことができるので、同じ速度も楽に出すことができます。それだけ長い距離も楽に走ることができるというわけです。また股関節を動かす筋肉の多くは骨盤についているので、これらを鍛えることで膝の故障の予防だけでなく腰痛の予防にもなります。
快適なサイクリングを楽しむためにも、股関節周囲の筋トレは是非とも取り組んでいただきたいです。
今回は初級編ということで、確実に長い距離を走るために大切な股関節周囲の基礎的な自重筋トレをご紹介します。主に使いたい筋肉を刺激することを目的にしています。
ご紹介する動作は『20回で1セット。2~3セット』行うようにしましょう。
最初にご紹介するのはヒップアップ効果が高い筋トレ法です。ペダルに力をしっかり伝えるためには股関節を伸ばす筋肉を鍛えることが大切になります。その働きを主に担うのが大臀筋とハムストリングスです。大臀筋はお尻に、ハムストリングスは太ももの裏にあります。
ヒップアップはそれらの筋肉を鍛えるのに効果的な種目の1つです。手軽に取り組めるのでとてもオススメです。
顎はしっかり引き、腰はてのひら一枚分くらい浮かせる意識を持ちましょう。
膝を深く曲げると大臀筋に、浅めに曲げるとハムストリングスに効きます。
お尻の穴を閉めるように意識しながらお尻を高く持ち上げます。
背中と太ももは一直線にするように意識しましょう。また、顎はしっかり引いたままです。①⇨②を20〜30回繰り返すだけでも効果はあります。下記はもう少し負荷を上げたい方向けです。
太ももが体と垂直になるように意識しながら持ち上げましょう。
この時に上げた方の骨盤が落ちやすいので、最初の水平な状態をキープするようにしましょう。
ランジもヒップリフトに同じく大臀筋とハムストリングスの強化に有効です。股関節を深く曲げた状態から伸ばす動きになるので、ペダリングの時の股関節の動きに近い中で鍛えることができます。
この時右膝がつま先より前に出ないように、かつ左の太ももは体と一直線になるように意識しましょう。
この動作を左右交互に行いましょう。
これまでの2つは股関節の後面、大臀筋とハムストリングスを鍛えてきました。今度は股関節の前面の、腸腰筋という筋肉です。
体幹と股関節をつなぐ唯一の筋肉であり、股関節を曲げるだけでなく腰を支える役割もになっています。ペダリングにおいてはペダルの引き上げと、ペダルを踏むために力を込める直前の股関節の安定化に関わります。
余談ですがプロロードレース選手やアマチュアのトップクラスの選手などの乗っている時の姿を見ると、意外にもお腹は膨らんでいるのを目にしたことはないでしょうか? これは腸腰筋を中心としたインナーマッスルが働いているためと考えられています。腸腰筋は自転車を速く進めるための1つの鍵になる筋肉と言えるでしょう。
太ももは上半身と垂直になるようにしましょう。
この種目では腿の付け根の内側を意識すると良いです。
ご覧いただいた通り、股関節の筋トレを中心にご紹介させていただきました。怪我なくサイクリングを楽しむためには股関節周囲をしっかり鍛えて、膝や腰を守ることが大切です。ぜひ今回の筋トレを取り入れていただき、快適なサイクリングを楽しみましょう。
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