2021.8.13
いざスポーツバイクを買おう!となった時、どこで購入したら良いのでしょうか? どこで購入しても同じなのでしょうか? スポーツバイク購入において留意したいポイントを解説します。
自転車は自転車店で…とまず思うかも知れませんが、実は注意すべき点があります。日本では世間の自転車店の多くが実は「普段使いの自転車=軽快車(いわゆるママチャリ)の専門店」であるということです。
軽快車とスポーツバイクは求められる性能の方向性が異なり、パーツやフレームがそれぞれの進化をした結果、現代ではほぼ互換性のない別の乗り物になっています。組立てや整備のポイントも異なりますし、商品知識の範囲も別物になっています。軽快車とスポーツバイクの両方を扱える自転車店もありますが、特にそれを謳っていない場合、あまりスポーツバイクの取扱いに慣れていない可能性があります。
スポーツバイクは自転車本体の取扱いはもちろん、ユーザーに合わせたセッティングなどにも専門的な知識が必要です。このことからスポーツバイクは、スポーツバイクを専門に扱うショップで購入することをおすすめします。
一口に専門店といっても、規模や取扱商品の傾向などはさまざまです。一般的には以下のようなメリットがあります。
今回は実際に専門店へ伺い、その特徴を調べてきました。
まず専門店ならではの特徴として、スポーツバイクに特化した品揃えが挙げられるでしょう。店舗のスペースには限りがあり、軽快車中心の自転車店ではスポーツバイクは在庫がないか、置いていても廉価モデルが数台ということが少なくありません。
スポーツバイク専門店であれば、小さな個人店であっても店内には十台以上の展示車があり、入門モデルから上級モデルまでを実際に見比べて検討することができます。さらにパーツ類やウェア、メンテナンス用品など、スポーツサイクリングに役立つ各種アイテムも用意されています。大型店ともなれば在庫は数百台レベルで、サイクルセンターサンワでは多い時600台以上を在庫しているそうです。
商品知識の面でも専門店であれば常に最新の情報に触れているので、ユーザーのニーズに合わせた提案を、ワンストップで得ることが可能です。専門店では店主やスタッフもスポーツバイクを楽しむサイクリストであることが多く、乗り方や走り方といったソフトウェア面の情報を提供しているショップも少なくありません。
技術面でも専門店はスポーツバイクの取扱い経験が豊富なだけでなく、納車時にはメーカー納品時の仮組み状態から一旦分解して、各部を調整し直したりグリスアップしたりするなど、完成車としての品質を高めるために、専門店ならではのこだわりがあります。サイクルセンターサンワでは入門モデルを含めた全ての販売車で、部品やタイヤまで外しての「バラシ組み」を、1台あたり3〜4時間程度をかけて実施しているそうです。
サイクルセンターサンワの北谷啓一郎さん(SBAA PLUS認定者)は、「自転車は家電製品などと違い、どこでも買える自転車が、どこでも同じ品質ではありません」と説明。同じメーカーの全く同じモデルの自転車でも、仕上げの技術やかけた手間暇によって、その品質は少なからず異なってくるそうです。確かな技術を持ったショップで購入することが、快適なスポーツバイクライフの実現につながるのです。一定の技量を持った専門店を知る方法の一つに、自転車協会の「SBAA PLUS」資格があります。これは高い技量とプロ意識を持ったスポーツバイクの販売者を認定する制度で、認定者は自転車本体の整備技術のみならず、フィッティングや運動生理学、道交法など、スポーツバイクに関係する幅広い知識を身に付けています。スポーツバイクを購入する際には、SBAA PLUS認定者のいるショップで購入することをおすすめします。
「SBAA PLUS」ウェブサイト
https://www.sbaa-bicycle.com/
SBAA PLUSマーク認定者・店舗一覧
https://www.sbaa-bicycle.com/shop/
スポーツサイクル歴約30年の自転車乗りで元ロードレーサー。その昔はTOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。ローラーより実走、ヒルクライムより平坦、山中より都市部を走るのが好きです。
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