2021.10.5
自転車店はその名の通り自転車を売っている(購入する)お店ですが、自転車を買うだけが自転車店の役割ではありません。スポーツバイク本体を購入後の自転車店の活用方法を紹介します。
スポーツバイクは軽量で高性能な分、その性能を維持するために定期的なメンテナンスが欠かせません。ユーザー自身が行える(行うべき)メンテナンスもありますが、大掛かりなものや、繊細な調整を伴うものは、やはりプロに任せた方が確実です。
自転車店には自転車を整備するための多種多様な専用工具がそろっていますし、自転車の組立てや修理・調整をこなす件数もユーザーに比べて圧倒的に多いですから、技術と経験の蓄積も持っています。このためユーザーが自分で作業するよりも早く・確実に済ませることができます。
もちろんお金はかかるわけですが、自分で作業する場合でも、年に一回も使わないような工具を数千円かけて購入して、しかも使い慣れない工具でバイクに傷がついてしまったり、作業環境が良くない場所で効率が悪かったり、手は汚れてドロドロになったり…ということは普通にあるパターンです。
趣味でどうしてもやりたいというならもちろん構いませんが(自転車いじりは楽しいものです)、変だと思ったらすぐにプロに任せましょう。素人が変にいじってしまい壊してしまったり、危険を生じる状態で組み付けてしまう、ということも割とよくある話です。
また自転車店には当然、あなた以外にもお客さんがいて、スポーツバイクを購入して、サイクリングなどを楽しんでいます。物理的にそのお店に行けるわけですから、あなたと同じように、そこそこお店に近いだろう場所に住んでいることでしょう。これは一緒に自転車を楽しむ仲間になりうる人が、お店にはたくさん集まっているということではないでしょうか。
スポーツバイク専門店であれば、お店でサイクリングクラブやチームがあったり、定期的に集まって走行会や練習会が開かれていたりします。特に個人店では、店主が自らあちこちお客さんと走りに行っていたり、レースやイベントに参加していたりすることもあります。こういったものに参加すれば、自転車での楽しみを広げられるかもしれません。
もちろん合う・合わないはあるので、お店のホームページを見たり、実際にお試しで参加してみたりして、雰囲気を探ってみることは大切です。もし自分のレベルや志向と合うクラブに出会えたら、スポーツバイクをより深く楽しむことができるはずです。
クラブを持たないショップであっても、常連さん同士で走っていたりすることは少なくありません。ショップに聞いてみれば、そういったお客さんに繋いでもらえたりするでしょう。そもそも専門店のスタッフは自身が熱心なサイクリストであることが少なくないので、製品のことだけでなく、走り方や走る場所といった情報についても聞いてみましょう。
専門店というのは自転車を売るだけでなく、幅広く奥深いスポーツバイクの世界の道先案内人になってくれる存在です。グッズを物色しつつ雑談するだけでも色々知れることがあるので、気の合うショップを見つけて関係を築くことができたら、自転車スポーツをさらに楽しむきっかけになるでしょう。
取材協力:サイクルセンターサンワ
スポーツサイクル歴約30年の自転車乗りで元ロードレーサー。その昔はTOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。ローラーより実走、ヒルクライムより平坦、山中より都市部を走るのが好きです。
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