2020.1.31
補助輪なしの自転車で走れるようになったら、次は道路(外走り)デビューに向けて練習しましょう。この項では外走りに向けての過程や注意ポイントを紹介します。
例えば子供が立って歩けるようになる事と、実際に自分の足で歩いてお出かけできるようになる事が、まるで別次元の話であるように、補助輪なしの自転車に乗れるようになったからといって、すぐにそれで外に走り出していいものではありません。
以下に外走りデビュー前に身に付けておきたいポイントをまとめました。これらができるまでは、公園など安全な場所で練習するようにしましょう。
・安定して発進できる
・安定して走り続けられる
・ブレーキがかけられる
ただ走ることよりも難しいのがゼロからの発進です。慣れないうちは、時折苦戦してしまう場合があります。ペダルの位置など、発進しやすくなるコツをアドバイスしてあげましょう。常にふらつかず一発で発進できるようになれば合格です。
乗り始めのうちは、何も無い場所で突然転倒することがあります。無意識にハンドルを切ってしまうなどの余計な操作が原因ですが、そういった邪念は乗り慣れていく過程で消えていきます。
幼児が平地で自転車を走らせる場合は速度域が低いため、ほぼブレーキを使わずに速度調整や減速ができてしまいます。ですが、発進や走行に慣れてきたら、ブレーキを使って止まるように教えましょう。ブレーキはしっかり両手(前後)を使うようにさせましょう。停止線を引いて、線の前で止まる練習をしてみるのもいいでしょう。また、安全な坂道を探して、ブレーキをかけながら下る練習もしてみましょう。
走り方が上達してきたら、いよいよ外走りデビューです。ただ走るだけでなく、どこか目的地を決めて走るといいでしょう。最初は近所の範囲内でも大冒険。近くの公園や、コンビニ、スーパーマーケットなどを目指して走ってみましょう。
走る道は近所の環境にもよりますが、なるべく大通りは避けて、裏道を使いましょう。筆者の基準としては、「歩道がある道路から1〜2ランク下の道」というもの。なるべくセンターラインも引かれていない、また大通りの抜け道になっておらず、あまり自動車が入ってこない、生活道路レベルの道をつないで走りましょう。
歩道のある表通りは基本的に歩道を通りましょう。ただし、細い道と交わる場所や、沿道の店舗などの出入り口といった場所では、小さな幼児は自動車側から見落とされやすいので、通過する際には十分注意しましょう。また、歩行者に注意してゆっくり安全に通行することは言うまでもありません。
走る際は交差点や下り坂など、注意すべき場所では声かけをしながら、安全に走りましょう。子供が外を走る上でのリスクは大きく分けて「体力・技術の不足から正しい操作ができない場合がある」「危険の感知能力が低い」「小さいので被視認性に劣る」の3点になります。
幼児は視界が大人に比べてかなり狭く、6歳程度の幼児の場合、視野角は左右・上下とも大人の60%ほどしかないと言われています。子供自身はほぼ見えていないと思って、大人が周囲の状況をしっかり確認しましょう。また、大人であれば気にならないレベルの短い上り下りも、子供にとっては難所になる場合があります。ブレーキ力にまだ難があるので、大きな道に抜けるような下り坂は、短くても十分に注意してゆっくり通過しましょう。
外の道は公園内などに比べると、ほとんど自動車が入ってこない道でも、子供目線で走るとさまざまな注意ポイントがあることに気付くと思います。まずは近所を何度か走りつつ、外の道路を走ることに慣れていきましょう。
スポーツサイクル歴約30年の自転車乗りで元ロードレーサー。その昔はTOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。ローラーより実走、ヒルクライムより平坦、山中より都市部を走るのが好きです。
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