2019.7.16
今回は前回話をした自転車単体での撮影術についてもう少し話を広げて、撮影の際の構図について話をしたいと思う。前回の記事を見ていない人は、前回の記事(自転車写真を楽しもう!その1) を参照してほしい。
なお、前回のまとめは以下の通りだ。
・自転車は表を向けて立て掛ける
・立て掛けるときは、場所とバランスに注意する
・クランクの位置とチェーンを確認
・壁がなければ縁石を利用する
・構図を決めておく
前回の記事で最後の方に少しだけ話したが、写真はその構図で大きく見え方が変わってくる。何をかっこいいと見るかは個人によるが、定番の構図から工夫した構図までその撮り方を説明していこう。
まずは定番の正面(バイクの真横)から撮る方法だ。この時の注意点としては、前回の記事の要点を守りつつ、しっかりと自転車にピントを合わせることだ。できれば、ピンボケや背景の映り込みを考慮して2~3枚の写真を撮っておくと良いだろう。
次は旅先でよくある、風景を絡ませて写真を撮りたい時だ。自転車を入れつつも風景を優先することになるので、自転車は構図の中では中心からずらした位置に持ってくるようにしよう。
この時に難しいのは、自転車をどの位置に持ってくるかということだ。
左上や右上に自転車が来ることは、まれだと思うが、左下と右下ではどちらが良いのだろうか。たくさんの自転車写真を撮ってきた私の結論としては、左下がベターな構図と言える。理由としては、まず自転車を表に向ける必要があるので、必然的に前輪が右側に来る。自転車は前に進む乗り物だから、進行方向の空間が空いている方が、これから進む方向への躍動感や自転車と自然の雄大さを対比しやすくなる。
逆に今まで走ってきた道との対比や休憩しているという様なニュアンスを伝えたいなら右下に置くと良いだろう。
自転車を正面から撮る構図ができるようになったら、自転車の向きを変えてみよう。自転車は様々なパーツから構成されているので、後ろや正面から撮ることでも違った見え方があり面白い写真が撮れるようになる。後ろから撮る場合も、構図自体は大きな違いはない。自転車は左側で、変速機が写したい風景側に来る様にしよう。この撮り方は坂や直線の道を効果的に伝えることができるので、覚えておきたい。
前面から撮る場合には、自転車は右側に来る。日本が左側通行だから立て掛ける位置が右側にしか無いというのもあるが、やはり風景側に変速機が来るようにすると必然的に右側に自転車が来ることになる。この構図は後ろから撮るのとは逆に、走ってきた道を写すことができるので、達成感等を表現するには最適だろう。
またここまで景色と自転車を絡めた話をしてきたが、桜の季節や新緑の季節は目線より高い位置にある木と自転車を絡めた写真を撮りたくなることもあるだろう。そういった際には、低いポジションから自転車を“舐めるように”して撮ると良い。そうすることでどちらも主役に立てるかっこいい写真を撮る事ができる。
ちなみにこういった写真を撮るときには、自転車のブレーキレバーやフロントフォーク辺りにピントを合わせると良い。また最近のスマートフォンでは、ピント位置を調整できる機能(ワイドアパーチャ)を持った機種も多いので、とりあえず構図を決めて撮影してから後でピント位置を調整すると撮影が楽だ。
今回ここまでの話をまとめると
・念のため写真は2~3枚撮っておく
・自転車を写真の中心にするのか、景色を中心にするのかを決める
・景色中心の場合は、意図に合わせて自転車を中心からズラす
・後ろや前から撮る場合も構図の基本は同じ
・構図を工夫したり、スマホの機能を使って撮影してみる
次回は、食べ物や動物など身近なものと自転車を絡めた写真の撮り方と、自転車単体でのカッコいい写真の撮り方を解説したい。
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