2020.2.21
今回は今までの自撮りテクニックを使い、写真映えするおすすめスポットを紹介したい。私(Kento Ozeki)は日本中の峠を登って紹介するサイト「え、登らないんですか?」を運営しているため、様々な場所を走ってきた。しかし、国内でも一部未走行のエリアがあること、スポット自体も山の上のスポットが中心となってしまうことを合わせてご理解いただければと思う。過去の記事を見ていない人は、ぜひ第1回目の連載「自転車をカッコ良く撮ろう<1>」から読んでほしい。
東日本でお薦めする1つ目のポイントは、北海道上士幌町の「ナイタイ高原牧場」だ。このスポットは山の一面すべてが牧場となっている。牧場内は視界を遮るものがなく、頂上まで続く一本道を上ると十勝平野からその先の太平洋までを一望できる。日本でも珍しいヒルクライムスポットだ。
普通であればちょっと開けた所や頂上など、特定のスポットでの自撮りに限られるが、ナイタイ高原牧場はどこで撮っても画になる。初めての訪れると写真撮影に夢中になり、いつになっても自転車が前に進まないかもしれない。
2つ目に紹介するのは、秋田県男鹿市の「寒風山」だ。男鹿半島の根本に位置している。比較的標高が低く、自転車で頂上まで上れるのが魅力的だ。周辺は標高の高い山などの遮蔽物がなく、頂上付近からは八郎潟や日本海を一望できるパノラマスポットとなっている。
ただし標高は低くても勾配はきつめなので、初心者だと最後まで自転車に乗って上り切れない可能性があるので注意が必要だ。秋田はお酒や食べ物も美味しい土地なので、グルメサイクリングと合わせて楽しむのも面白いかも知れない。
3つ目は山形県と秋田県の県境に位置する「鳥海山」だ。鳥海山には4本のルートがあるが、自撮り写真なら山形県側の「鳥海スカイライン」がおすすめ。コース下の見晴らしはきかないが、終盤になるとあたりの山々を一望することができる。
防護柵はガードレールではなくロープになっているので、下の方まで景色が写りやすいのも自転車と親和性が高いポイントだ。写真のような紅葉シーズンもいいが、新緑が綺麗な季節の晴れた日でも、とても美しい景色を望むことができるだろう。このルートは頂上で行き止まりになるので、折り返して下る必要がある。サイクリングルートを決めるときには注意しよう。
4つ目に紹介するのは岩手県の「八幡平アスピーテライン」は、比較的距離も長く、獲得標高も大きいヒルクライムスポット。コース後半に現れる雄大な景色は見逃すことのできないポイントだ。
最近ではヒルクライムレースも開催され、サイクリストの認知度も高まっている。標高差が大きく、頂上付近は夏でも非常に寒いので装備には気を付けよう。紅葉の名所としても知られているため秋のサイクリングにも最適だ。
5つ目は福島県の吾妻山を縦断する「磐梯吾妻スカイライン」だ。このルートはサイクリストからの認知度も高く、人気のヒルクライムコースになっている。新幹線が止まる福島駅から一本道でアクセスできるほか、頂上付近の火山性ガスによる景色の変化は、非常に雄大で珍しいと言える。
また、その景色の中を貫く登坂道路も美しい。晴れていればこれほど気持ちいい坂道は日本でも有数と言えるだろう。ただし、天候によって火山性ガスの濃度が高まると写真撮影をしている場合ではないので、上る前に天気を確認しておきたい。猪苗代湖方面の下りや桧原湖周辺も美しい景色が広がっているので、時間があればぜひ走ってみてほしい。
6つ目は茨城県の「筑波山」だ。筑波山には上るルートが5本以上存在するため、ヒルクライマーなら一日走っても飽きないスポットと言えるだろう。これだけ聞くときつい山の様に思えるが、自転車で上れる最高地点は約500mと初心者にも上りやすい。
最近ではJR常磐線の土浦駅から「つくば霞ヶ浦りんりんロード」と呼ばれるサイクリングロードが整備され、アクセスも良くなった。筑波山神社の大鳥居や、関東平野を一望できるつつじが丘駐車場付近が自撮りスポットの定番だが、初心者お断りの十三塚の激坂も画になる。
7つ目に紹介するのは、群馬県の西部に位置する嬬恋村だ。日本でも有数のキャベツの生産地として知られる嬬恋村には、「嬬恋パノラマライン」というルートがある。このルートは一面に広がるキャベツ畑を堪能できる。
アップダウンの多いコースだが上りだけはないため、サイクリングするのに丁度良いコースだ。ただ、嬬恋パノラマライン沿いには補給できるポイントが少ないので、補給食や飲み物はしっかりと用意しておきたい。
軽井沢や草津にも近いため、連休を利用すればお腹いっぱい走り回ることもできる。
最後に紹介するのは、長野県の「ビーナスライン」。このルートは長野県の茅野市から上田市の美ヶ原までを結ぶもので、魅力はコースの大部分で素晴らしい景色を味えることだ。終点となる美ヶ原高原も素晴らしいが、ルート上にはたくさんの撮影スポットが存在している。
コースは起伏に富んで飽きることがなく、自転車乗りにとっては夢の楽園と言えるかもしれない。首都圏からのアクセスも良好なので、ぜひ泊りがけで走り倒し(撮り倒し)てほしい。
ちなみに初心者の場合は茅野市スタートではなく、白樺湖まで輪行して走り出せばビーナスラインの美味しいところだけを楽しめる。
今回述べた場所以外にも紹介したいスポットはたくさんあるが、その全てをお教えできないのは残念だ。皆さんも自分なりの自撮りテクニックとスポットを見つけて、これぞという一枚を追求してみてほしい。次回は西日本編をお届けする。
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