2020.8.28
自転車で道路を走る時に、守らなければならないルールが、道路交通法(道交法)です。しかし運転免許のない自転車では、ルールの知識を持たないまま乗車している人も少なくないようです。自転車に必要な道交法の基礎知識を、簡単なクイズで学んでみましょう。
【自転車と歩道】
答え:×
まず、軽車両である自転車は、車道通行が原則であることを覚えておいてください。しかし、普通自転車(構造や大きさ等が一定の基準内にある自転車)が一定の条件を満たす場合は、歩道を通行できます。そして歩道を通行できる際にも、「歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならない」というルールがあります。
徐行というのは、必要があればすぐ停止できる速度のことです。法令に具体的な速度の提示はありませんが、一般的には時速10km以下といわれており、一説には時速4、5km程度(歩く程度の速さ)という考え方もあるようです。とにかく、かなりゆっくりであるということです。
なお例外として、歩道に標識やペイントなどで自転車が走る部分が指定されている場合で、歩道にまったく人がいないときは、自転車も安全な速度と方法で進行することができる、とされています。しかし、もし歩行者が現れた際には即座に徐行する必要がありますから、やはり速度は十分抑えて走る必要があるといえるでしょう。
問題文には「急いでいたので」とあり、通常よりスピードを出している様子がうかがえます。歩道は歩行者のための領域であり、自転車の高速道路ではありません。どんな状況でも歩道で飛ばすのはやめましょう。
ちなみにルールの観点だけでなく、自転車の歩道通行は交差部でのクルマとの衝突リスク(当たれば自転車側がケガをします)、歩行者との衝突リスク(高額賠償の事例が近年増えています)が高い傾向があります。社会的に自分を守るという面からも、歩道の通行時には十分に速度を落として、余裕を持って運転することを強くおすすめします。
スポーツサイクル歴約30年の自転車乗りで元ロードレーサー。その昔はTOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。ローラーより実走、ヒルクライムより平坦、山中より都市部を走るのが好きです。
この人の記事一覧へ2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。
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