2024.2.25
本格的に走るときは、予備チューブ、携帯工具、補給食などを携帯する必要があります。そこで役立つのが、それらを収納できるバッグやツールボトルなどです。一番簡単なのは、ボトルケージに装着できるツールボトルですが、容量に限りがある上にボトルケージが一つ埋まってしまう(給水用ボトルが1本しか使えない)というデメリットがあります。バイクに装着するバッグの中で、最も手軽なのがサドルの下に取り付けるサドルバッグです。基本的にどんなバイクにも取り付けできますし、バックパックで背負うよりも体への負担が少なくなります。
サドルバッグには、チューブ2本でいっぱいになるくらいのコンパクトなものから、一泊できるくらいの荷物が入るようなものまで様々なサイズがあり、収納するものの量に合わせるのが基本。携帯工具と予備チューブを入れるだけならできるだけコンパクトなものを、それらに加えて着替え、レインウエア、輪行袋、バッテリー、補給食などツーリングやロングライドに必要なものを入れるのであれば大容量のものを選びましょう。
取り付け方法には、ベルト式とアタッチメント式があります。ベルト式は、シートポストやサドルのレールにベルトを通し、ベルクロやバックルでバッグを固定するタイプ。工具なしで取り外しができるため、一つのバッグを複数台の自転車で使い回すときに便利です。
アタッチメント式は、サドルの下にアタッチメントを取り付け、そこにサドルバッグをカチッと固定する方式。激しいライディングでも左右に振られにくいうえ、取り外しが簡単なので、出先でバッグを外して持ち運ぶシーンがあるのであれば、アタッチメント式のほうが便利かもしれません。
注意したいのが、乗車してペダルを回したときに太腿と接触しないかということ。大きなサドルバッグを使う場合、ペダリングをするときにサドルバッグと太腿が当たってしまい、ペダリングの邪魔になることがあります。心配であれば幅の狭いバッグを選ぶようにしましょう。
シートポストにベルトを巻き付けて固定するタイプのサドルバッグでは、ベルトのベルクロ部分とレーサーパンツが擦れて傷んでしまうケースも。内股気味にペダリングする癖がある人は注意が必要です。
また、大容量のものになると後輪と接触してしまうことも考えられるため、購入前にサドル~後輪までの距離をチェックしておきましょう。特に、身長が低い人はサドルの高さも低くなるため、サドルバッグが後輪に当たってしまう可能性が高くなります。
その他、サドルバッグを付けるとシートポスト部のテールライトが隠れてしまうこともあるため、バッグにライトが取り付けできるものを選びましょう。雨の中を走る可能性があるのなら、防水性が高いものを選んでください。後輪が水を跳ね上げるため、雨天走行時にはサドルバッグに水がかかり続けることになります。
サイズ(容量)だけに注意すれば良いように思えるサドルバッグですが、このように他にも留意すべきポイントがたくさんあります。ショップで実物をチェックしながら、自分のバイクと使用目的と好みに合ったサドルバッグを選びましょう。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
この人の記事一覧へ稲城から高尾まで 都内サイクリングの定番コース“尾根幹”と+αのルート
2018/10/30
2017/08/29
ヒルクライムで好成績を出すのに、どんなトレーニングをしたらいいですか?
2018/02/23