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パンクやチェーン落ちなどのトラブルに備えよう

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ロードバイク単独100km走破術<6>
パンクやチェーン落ちなどのトラブルに備えよう

 ロードバイクで単独100km走を達成するには、トラブルに自分で対処できなければなりません。パンクやチェーン落ちなどよくあるトラブルへの対処方法を紹介します。

パンクに見舞われないために

 パンクはロードバイクにはつきものです。しかし、よくパンクする人、そうでない人がいます。パンク修理の技術を得ることは重要ですが、パンクに見舞われない走りを意識することも同時に大切です。

 パンクの機会を減らすには、まず走行前(もしくは走行後)にタイヤの状態をチェックしましょう。石などの異物がタイヤに突き刺さてっていないかを確認します。

パンクを未然に防ぐためにも走り出しの前にタイヤに異物が刺さっていないかを確認しましょう

 走行時は、デコボコや異物を避けて走りましょう。長年ロードバイクに乗っている人でも、こうした障害を避けずに突っ切ってしまう人をよくみかけます。走行時は、車の位置など周囲の状況を意識しつつ、路面にも注意を配りましょう。段差を乗り越える際は両足に荷重をかけてお尻を浮かせ、路面からの衝撃に備えましょう。

赤枠に砂利。砂利のたまった個所は避けます
段差を乗り越える際は路面からの衝撃に備えましょう

パンク修理の方法

 パンクしてしまった場合は、速やかに安全が確保できる場所に移動します。修理の際に必要になるのが、ホイールやタイヤを外す技術です。ここではまだ主流のリムブレーキタイプのクリンチャータイヤを例にパンク修理の方法を解説します。

 

●前輪の外し方・取り付け方

 前輪はフロントフォークの切り欠きにクイックレリーズのシャフトを合わせて、クイックレリーズで押さえる仕組みになっています。クイックレリーズのレバーを引き上げ、レバー反対側のエンドを回して緩めることで外れます。

 取り付けは逆工程になります。フロントフォークの切り欠きにクイックレリーズのシャフトを合わせ、クイックレリーズのエンドを回して適度な硬さになるまで締め(硬すぎるとクイックレリーズのレバーが倒しにくくなります)、クイックレリーズのレバーを倒します。

<1>外すときはクイックレリーズのレバーを手前に引きます(付けるときはレバーを倒してこの状態にします)
<2>レバー反対側のエンドを緩める(付けるときはエンドを締めます)
<3>前輪を軽く手で押しながら車体を引き上げます(付けるときはフロントフォークの切り欠きをクイックレリーズのシャフトに合わせます)
<4>前輪が外れます

 

●後輪の外し方

 後輪の仕組みも前輪と同様ですが、取り付け・取り外しには少し知識が必要です。以下の手順で確認してください。

<1>チェーンのテンションが最も緩むインナートップにギヤを設定します
<2>クイックレリーズのレバーを引き上げます
<3>タイヤを地面の方向に押さえます
<4>車体を引き上げると後輪が外れます

 

●後輪の取り付け方
<1>リアのギヤのトップの歯車にチェーンを当てます
<2>元の位置に戻すにはディレーラーが邪魔になっています
<3>ディレーラーをつかみます
<4>ディレーラーをひねります(可動する方向に)
<5>クイックレリーズのシャフトを所定の位置に嵌め、ホイールがぶれないようにセンタリングするために片手をサドルに当てながらディレーラーをひねります
<6>フレームにクイックレリーズのシャフトが嵌ります。この後でクイックレリーズを倒して固定します

パンク修理のコツ

 パンク修理後にすぐまたパンク。そんな事態に陥らないために、チューブの引き抜き作業時に、チューブとタイヤ嵌め込み作業でしっかりと確認する必要があります。

 

<1>バルブネジを外します
<2>タイヤレバーを使ってタイヤを外していきます
<3>チューブを抜きます。この際、タイヤは外さないようにしましょう。この後の作業でパンクの個所を突き止めるためです
<4>チューブに空気を入れ、空気が漏れ出た場所を確認します
<5>空気が漏れ出た場所を確認できたらバルブの位置を目安にして、タイヤに異物が刺さっていないかを確認します。その他の場所にもタイヤに破損がないか、目視で確認しつつ指先の腹を使って異物が刺さっていないかを確認します

 

●チューブの入れ替え
<1>チューブに空気を少し入れます
<2>ホイールのバルブ口を探してチューブを入れます
<3>ホイールの溝に落ちるようにチューブを嵌めていきます
<4>ホイールの溝にチューブがハマるようにしっかりとチューブを入れます

 

●タイヤを嵌める

 タイヤはバルブの個所から嵌めていく方法、バルブの反対側から嵌めていく方法の2パターンがありますが、以下の画像ではバルブの個所から嵌めていく方法をもとに図示しています。

<1>バルブ側からタイヤのビードを嵌めていきます
<2>リムの内側にタイヤのビードが来るように、しっかりと嵌めていきます
<3>後半は指先で嵌めるのが難しくなるため、ホイールをお腹で支えて手の平の腹をホイールの外周部に向かって押し滑らせながら嵌めていきます
<4>手作業で嵌め込みが厳しいときは、タイヤレバーを使ってタイヤを入れます
<5>空気を入れる前にチューブが噛んでいないかを確認します
<6>NG例。タイヤレバーを使用したり、チューブの入れ方が不適切な場合は画像のようにチューブが噛みこんでしまう場合があります

チェーン落ちから復旧する

 休憩中に立てかけていたロードバイクが倒れてチェーンが落ちてしまったというプチトラブルもあります。チェーンがフロントギヤの内側、外側に落ちたりした場合は、リアディレーラーの可動部を動かしてチェーンのテンションを緩めれば、容易にチェーンをチェーンリングに戻せます。フロントディレーラーがインナーになっている場合は内側のインナーギヤに、アウターの場合はアウターギヤの個所に戻します。

<1>内側にチェーンが落ちてしまった場合
<2>外側にチェーンが落ちることもあります
<3>いずれの場合もリアディレーラーの可動部を押すことでチェーンのテンションを緩めることができます
<4>緩めたチェーンをチェーンリングの上側からかけてあげ、元に戻していきます
武田耕大
監修:武田耕大(たけだ・こうだい)
埼玉県川口市のプロショップTacke Cycle Factory代表。ビギナーに優しい店作りを心がけ、納車時には自転車の取扱い講習、長年の経験に基づいた乗車ポジションなどもアドバイスする。店舗にはクラブチームもあり、走行イベントも定期的に開催。自転車には、プロショップを営む父の影響を受け、幼少期から触れてきた。高校から本格的に競技を開始し、卒業後は湘南ベルマーレなど国内チームに所属。海外遠征も経験。選手活動を終えてからは、Cycle Factory ARAIで下積みを開始。2013年に現在の店舗をオープン

取材協力:シマノセールス株式会社 株式会社ミヤタサイクル