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ロードバイクの始め方<1>

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ロードバイクの買い方
ロードバイクの始め方<1>

 ロードバイクを買う理由や目的はそれぞれですが、選ぶ車体やアイテムにはセオリーがあります。なぜそのアイテムを選んだ方が良いのか、ビギナーに知っておいてほしいポイントについて、ロードバイクインプレッションやアイテムレビューでおなじみの自転車専門媒体『La route』編集長・安井行生さんが解説します。

ロードバイクの購入場所

 通販や中古ショップ、ネットオークションやフリマサイトなど、ロードバイクを買う手段は多様化してきています。しかし、普通のシティサイクルより専門性の高いロードバイクは、実際のお店、しかもロードバイクを扱い慣れているショップで買うことを強くお勧めします。

 理由はいくつかあります。まず、シティサイクルとは違い、ロードバイクはサイズ選びが重要になること。1つのモデルに4~10種類ほどのフレームサイズが用意されており、体形や柔軟性、手足の長さによって最適サイズを選ぶ必要があります。さらには、フレームの各チューブの接合角度や長さ(ジオメトリといいます)の数値を理解して「このお客さんには、A社の○というモデルならMサイズ、B社の△というモデルならSサイズがマッチするな」という判断をしなければいけません。それには自転車のプロであるショップスタッフの助言が必要です。

 サイズの合っていないシューズでマラソンを走るのが苦痛なのと同じで、サイズの合っていないロードバイクで走るのは辛いだけでなく、危険でもあります。「いつもMサイズの服を着てるから自転車もMサイズでいいだろ」ではいけないんです。

 また、今はロードバイク選びが複雑になっています。ロードバイクと一言で言っても、エアロロード、万能ロード、ヒルクライムバイク、エンデュランスロード、グラベルロード、ツーリングバイク、オールロード…と、カテゴリーが細分化しているためです。

 その昔は<ロードバイク=レースをする自転車>であり、<ロードバイクを買う人=レースをする人>でした。しかし今は、走るフィールド(平坦路がメインなのか、ヒルクライムをしたいのか、舗装路だけでいいのか、オフロードも視野に入れるのか)や、目的(レースをするのか、ロングライドなのか、身軽に走りたいのか、軽いツーリングがしたいのか、荷物をたくさん積んで本格的な旅もするのか)などによって、選ぶべき一台は変わってきます。

ショップで買うべき理由

 ショップで相談すれば、あなたの「自転車でやりたいこと」にピタリと合った一台をピックアップしてくれるでしょうが、「安かったから」「なんとなくかっこいいから」「SNSで評判がいいから」などの理由でネットで買ってしまうと、宝の持ち腐れもしくは部屋のオブジェとなってしまう可能性が高いです。

 さらに、最近のロードバイクは、油圧ディスクブレーキや電動変速システムなど、整備や修理が難しい作りになっているものも多く、メンテナンスには専門知識と技術と経験が必須。日曜大工の感覚で「工具セットがあればなんとかなる」というレベルでは全くないんです。なにかあったときにすぐに駆け込める馴染みのショップの存在が不可欠です。

 ショップとの関係を作っておくと、コミュニティに参加できるという無形の、しかし大きなメリットを得ることもできます。走りやすいコースやさまざまな楽しみ方を知ることができ、試乗会や講習会、ツーリング、イベント参加のサポートなどのサービスを受けられることも。

 まず、近所のショップを検索して、実際に数店に足を運んでみましょう。規模、取り扱っているブランド、チームの有無やソフト面の充実具合などを判断し、自分の自転車ライフに合いそうなお店を見つけてください。

 人と人のつながりが希薄になり、ネットで完結することも多くなった現代ですが、ことスポーツバイクに関しては、ますますリアルなショップの存在が重要になってきているのです。

文: 安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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