第1回 マウンテンバイクフィールド助成金制度 対象事業
2021.9.10
国際大会も開かれるBMXレースコースが有名な「秩父滝沢サイクルパーク」。BMXでは有名なフィールドであるが、同時にとても丁寧な造りの秀逸なMTBパークでもある。コンパクトなレイアウトで山の斜面を上手に使ったMTBコースを走ると、技量次第でいくつもラインが見えてきて面白い。一つのコースで初級者から上級者まで、存分に楽しめる造りなのだ。
MTBパークは、大きく3つに分かれている。下り基調の「スラロームエリア」、スラロームを下り切ったところからスタート地点まで上って戻っていく「トレイルエリア」、さらに3つのレベルに分けられ、パンプやジャンプができる「トレーニング/ダートジャンプコース」だ。
スラロームエリアは、バームのついたコーナーとテーブルトップを組み合わせた、下り基調の200mほどのコース。頂上から10個ほどあるコーナーすべてに、バーム(傾斜のついたコーナー)があり、コーナリングでかかる力をバームが受けてくれるので安心できる。コーナー同士の間には台形状のテーブルトップがあり、ジャンプをしても、飛ばずにいなしてそのまま乗り越えても、気分良くリズムが合う。自分に合ったスピードで走れば、怖さもほとんどなく下り切れるはずだ。
バームとテーブルトップの流れはリズムが良く、走りやすい。乗り始めはコースに合わせるだけかもしれないが、リズムに乗れれば深い造りのバームをしっかり使えそうだ。車体を大きく倒し込み、体重を路面にかけて気持ちよく曲がれるだろう。
またコース内のセクションには、上級者なら「見えてくる」ラインがある。コース自体は初級者・中級者向けなのだが、上級者なら、コース脇の土の盛り上がりをエアターンのきっかけに使えたり、奥のコブをジャンプの降り面に見立てて飛べたりもする。走れるラインを探す「宝探し」のような一面もある。中級程度の技術を持ったマウンテンバイカーなら、このバームとパンプを使った3次元の動きを存分に楽しめるはず。何度も上り返して、コーナリングの技術を磨くのにも適している。
スラロームエリアを下り切ると、スラロームコースの最上部へ上り返すトレイルエリアにつながっている。上りセクションであるこのコースだが、左右へ蛇行したスイッチバックがあり、下りも挟んだコースにもなっている。下りセクションから重めのギアでタイミングを合わせてグイッと加速すれば、スピード感のある上りが楽しめる。
スラロームエリアは土の路面だが、トレイルエリアは細かな砂利のグラベル路面。土とは違うグリップ感と走りの感覚を味わえる。そして、この路面の感じとコース脇の植物との組み合わせが、なんというかアメリカ西部のMTBトレイルによく似ているのだ。
アメリカには、上りと下りを組み合わせたデザインのコースが多い。そのため、初めて走った時はこのコースレイアウトも含めて、「あれ、ここはアメリカだったっけ」と錯覚してしまったぐらいだ。ぜひ味わって欲しい。
1周回をすべて走った距離は、1kmほど。そう長い距離ではないが、上りと下りの総合技術が必要とされる、今どきのオリンピック・クロスカントリーコースのような印象だ。実際にここを周回してクロスカントリーレースに向けた練習を行っている若いライダーもいた。
今やMTBのクロスカントリーレースには、脚力だけではなく車体を自由に操れる高い技術も必要だ。未来のオリンピック出場を志すレーサーなら、この1kmをハイスピードで難なく走り切れるようになっておきたい。トレイルエリアでは下るように上れる技術を、スラロームエリアではサドルを高いままコーナーを曲って飛べる技術を、そんな走りの技術を磨けるコースである。
トレーニング/ダートジャンプコースには、3つのコースがある。技術レベルとしては、トレーニングコースが初めてMTBに乗る方からジャンプの初級者程度。ダートジャンプコースは、中級者以上であれば楽しめるコースである。
トレーニングコースには、ゆるい面のテーブルトップがいくつか置かれ、間にコブが並んでいる。ここではコブを使って車体を前に走らせる技術の「パンピング」を身につけられる。またテーブルトップはそのまま漕ぎ抜けられる形で、その気になればジャンプもできる造り。MTBに乗るのが初めてでも、このコースなら安心して、また楽しく走れるはず。走っているうちに技術も身についていくだろう。
そしてダートジャンプコースは、中級コースと上級コースの2つに分かれている。分かれていると言っても、それはスタート位置だけで、ライダーが自分のレベルに適したラインを選べるようになっている。ジャンプはすべてテーブルトップなので、飛ばずに走りぬけても問題ない。
ジャンプ同士の間には、小さなコブがバランスよく置かれ、それをうまく使って好みのラインも選べるのも楽しい。ジャンプして隣のラインへ移るトランスファーや、ジャンプをして車体をひねる動きもしやすいのがいい。まっすぐに飛ぶジャンプコースが多い中で、ひねりを入れやすいコースは、飛んでいて気持ち良く、ひねりが決まった時の充実感も大きい。
また上級者向けに飛び面の話をすると、ジャンプ時に、前へ進む力と上への打ち上げられる力のバランスが絶妙だ。立ちすぎず飛びすぎず、具合が良い。気持ちよく飛びつつ腕を(脚を)磨きたいライダーは、このコースが近道になるかもしれない。
安全性に配慮しながら、楽しさも兼ね備えているところに好感が持てる。日々のメンテナンスも大変だろうが、ぜひがんばって欲しい、と言いたくなる。
BMXレースコースにも注目だ。もちろんマウンテンバイクでも走行可能。コース途中から入らず、スタートヒルから走り出すのが礼儀である。レンタルBMXもあるので、試しにBMXを借りて走ってみるのも楽しい。
スタートには、本格レースで使われる高さ8メートルのスタートヒルがある。通常はクローズされているが、この高さからスタートする、つまりそれだけ加速していく昨今のBMXレースに思いを馳せるのもいいだろう。BMXコースでは、1〜2ヶ月に1度のペースでレースやタイム計測会が開催されるので、その気になったら参加してみよう。
もともと本格BMXレースコースとして作られているので、走りに必要な設備も充実している。コースに来たら、まず受付のあるセンターハウスの『レイクビューハウス』に立ち寄ろう。初めて走る場合は、コースを使うための注意などをしっかり聞いておこう。
レンタルバイクもMTB、BMXとともにあり、ヘルメットなどのプロテクターとセットでレンタルできる(同フィールドでは新型コロナ対策のためヘルメットと手袋の持参を推奨)。また乗るのが初めてだったり、まだ自信がないという方には、レンタルに無料のレクチャーが付帯するので安心だ。何も持たずに手ぶらで来ても、しっかりと走れて楽しめる設備があるのも頼もしい。
トイレは近くて清潔感があり、しっかりした洗車場もある。コースの走行時間は、2時間と1日から選べる。平日も営業しているので(定休は木曜日)、週末に休みを取れないライダーにも嬉しい。ただセンターハウスにレストランはない。受付にはインスタント食品など軽食は売っているが、食べるものは基本的に自分で用意しておくのがベストだろう。
所在地 | 〒369-1901 埼玉県秩父市大滝2901 |
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電話番号 | 0494-53-2121 |
営業期間 | 春~秋まで営業。BMXコース以外は冬期も週3日営業(土・日・平日1日、詳しくはホームページで告知予定) |
営業時間 | 9:00~17:00 |
利用料金 | 550円~ |
搬送 | なし |
実施イベント | スクール、レース |
管理者 | 秩父市 |
※表示価格はすべて税込です。(2019年10月9日現在)
フィールドタイプ |
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レベル |
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設備 |
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ml.cyclist-privacy@sankei.co.jp
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