2019.4.5
前回はオールラウンドに楽しめるトレイル系バイクを紹介しましたが、例えばダウンヒルバイクのような用途に特化したMTBに興味を持たれる方も多々いらっしゃると思います。そこで今回は、クロスカントリー系バイク(XC)、ダウンヒルバイク(DH)、エンデューロ系バイク(エンデューロ)を、それぞれが活躍するレース内容の説明も含め、バイクの特徴とトレンドを簡単にご紹介していきたいと思います。
クロスカントリー(XC)レースは、アップダウンがある未舗装の周回コースを定められた距離を走行し着順を競います。クロスカントリーオリンピック(XCO)というカテゴリーとして、オリンピックの公式競技にもなっています。
XCバイクは非常に軽量に作られ、登坂性能や加速性能、俊敏なラインコントロール性能に優れています。ホイールは29インチが主流でサスペンショントラベルは100~120mm程度、車重は10kg台前半と軽く、激しい下りが多いワールドカップなどのコースに対応するため、フルサスペンションのXCバイクも多用されています。
XCバイクと対局をなすDHバイクは、スキー場などに作られた専用のコースでテクニックを駆使しスピードを競うタイムレースを目的に作られたバイク。屈強なフレームに特徴的なダブルクラウンフォークと前後に強力なディスクブレーキを備え、前後のサスペンショントラベルは200mm以上と、下りに徹したデザインになっています。
以前は20kg以上あったDHバイクもフレーム素材やパーツの進化により現在では2〜3kgほど軽量化され、27.5インチに加え29インチホイールのDHバイクも使用されるようになってきました。
そして、ここ数年人気が高まっているカテゴリーのバイクがエンデューロレース用として開発されたエンデューロバイクです。MTBのエンデューロレースは、欧米を中心に数年前から大きな盛り上がりを見せており、国内でも徐々に人気が上昇しています。
エンデューロレースは、ダウンヒルをメインとする数本のスペシャルステージ(タイムトライアル区間)と次のスペシャルステージのスタートまでのリエゾン(移動区間)で構成され、スペシャルステージの合計タイムで勝敗が決まりますが、リエゾンは上りが多く、この区間タイムが遅すぎるとペナルティータイムが発生するという、車のラリーにもよく似たレースでもあります。
エンデューロバイクは過酷な下りを走破するダウンヒル性能と、次のスペシャルステージへ上るための登坂性能が必要とされるため、前後150〜170mmのサスペンションストロークとワイドレシオの駆動システムを備え、トレイルバイク並みの登坂性能も兼ね備えています。
バイクの車重は15kg前後、27.5インチバイクが主流ですが、27.5+も兼用できる29インチバイクの人気も上昇中、DHコースやトレイルも遊べる守備範囲の広さが、エンデューロバイクの人気のポイントとなっています。
進化し続けてきたMTBは、その進化に応じトレンドも変化しています。
以前はXC系、オールマウンテン系(現在のエンデューロ)、DH系という人気の並びが、現在ではXCとオールマウンテンの中間となるトレイル系が台頭し、トレイル系とエンデューロ系バイクが、その人気を2分しています。
無難にオールラウンドに遊びたいならトレイル系、主に下りを楽しみたいならエンデューロ系のバイクを選んでおけば間違いないと思います。
最後に、自分の身体に適正なバイクサイズをどう選べば良いのかをアドバイスします。
各メーカーのウェブサイトをチェックすると、ライダー身長によるサイズ選びのフィッティングチャートが見つかると思います。
フィッティングチャートの参考例をもとに自分に合ったバイクサイズを選んでみましょう(メーカーによって、カテゴリー別にサイズを分けている場合もあります)。例えば、身長が170cmであれば、サイズチャートからバイクサイズはMサイズが適正サイズということがわかります。
もし、身長が168cmもしくは177cmというサイズチャートの中間にある場合は、大きめのサイズを選ばれることをお薦めします。MTBはホイールのラージ化によりジオメトリー(フレーム各部分の長さや角度)も進化し、バイクコントロールの方法も変わりました。
自分の身長に対して適正、もしくはやや大きめのフレームサイズを選んでおけば、バイクの性能を生かしやすくなります。ただし、身長に比較して手足が長い人や逆の方もいらっしゃるので、間違いのないバイクサイズ選びは、プロショップにアドバイスしてもらうことをお薦めします。
取材協力:アキコーポレーション、ホダカ、ミヤタサイクル
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