2020.1.10
マウンテンバイク(MTB)のプロフェッショナルがMTBにまつわる素朴な疑問に答えていく本コーナー。今回は「MTBを車で運ぶコツについて教えてください」という質問にプロライダーの品川真寛氏が答えていきます。(Text & Photo:Masahiro OSAWA)
MTBフィールドに出かけたり、MTBのレースイベントに出たり、MTBで遊ぶには車での移動が必要になることが多々としてあります。
その際、必要になるのが車載の技術です。レースイベントに出るような方は、ルーフキャリアで運んでいると思いますが、初心者なら、もう少し手軽に運びたいと思うのではないでしょうか。そんな方に向けて、ここではバイク巾着を使った方法をお教えします。ホイールを外し、バイク巾着に詰め込んだMTBをコンパクトカーの後部座席に入れる方法です。
MTBをバイク巾着に入れる準備として、まずは六角レンチを使ってスルーアクスルを取り出し、ホイールを外します。ここで注意すべきことは2点あります。
ひとつは、外したスルーアクスルは再び、サスペンション部分、リアエンド部分に戻しておくことです。目的地に着いてから「家にスルーアクスルを置き忘れてきてしまった!」というミスが起こりえるからです。
スルーアクスルはフォークによって規格が違い、ネジのピッチも異なるので、出先で誰かに借りるというわけにもいかなくなります。そうなれば走れずじまいということに…。ホイールを外したら、しかるべき場所に戻しておきましょう。
もうひとつは、ブレーキパッドにパッドスペーサーを挿しておくことです。ホイールを外した状態でブレーキレバーを握ってしまうと、ブレーキキャリパーのピストンが出てディスクローターが入る隙間が閉ざされてしまうからです。それを防ぐために、パッドスペーサーを挿します。パッドスペーサーが見当たらなければ、厚紙や段ボールなど厚みのあるもので代用しても問題はありません。
誤ってピストンを閉じてしまった場合は、タイヤレバーもしくはマイナスドライバ-を挿し込んで、ピストンを戻します。この際、グイっとねじ込んでブレーキパッドを傷つけないように注意しましょう。また、ブレーキパッドに油がつくと極端に制動力が落ちたり、音鳴りの原因になったりしますので、マイナスドライバーを使う際は、油が付いていないことも確認しましょう。
次はMTBを袋に詰める作業です。フレームが傷つかないようにスプロケットは外側に向けましょう。さらに、傷つきを防ぐなら、フレームとホイールの間に段ボールなどを挟んでおくといいでしょう。運ぶ際は、リアディレーラーに物に当たらないように注意しましょう。リアディレーラーに衝撃が加わると、ディレーラーハンガーが曲がってしまう恐れがあります。
最後にバイク巾着に入れたMTBを車の後部座席に入れる作業です。座席には汚れが付着しないようにシートを敷いておいておきましょう。
MTBを後部座席に置いたら、シートベルトでMTBを固定します。シートベルトを目一杯に引き出し、シートベルトをフレームに絡めて固定します。シートベルトを目一杯引き出すことで、シートベルトは縮む方向に力がかかり、うまい具合に固定されるはずです。
なお、ここでも注意しなければならないのは、ドアを閉める際に、リアディレーラーに衝撃を与えてしまうことです。MTBを後部座席に入れる際、リアディレーラー側から後部座席に入れれば、こうした事態は防げるかと思います。ディレーラーハンガーは曲がりやすいので要注意です。
この方法をもってすれば、今回利用したコンパクトカーでも、うまく積み込めば2台は入ります。その際、フレームをバイク巾着に入れて後部座席に置き、ホイールはホイールバッグに入れて、隙間に置くことになります。
稲城から高尾まで 都内サイクリングの定番コース“尾根幹”と+αのルート
2018/10/30
2017/08/29
ヒルクライムで好成績を出すのに、どんなトレーニングをしたらいいですか?
2018/02/23