2020.8.21
マウンテンバイク(MTB)のプロフェッショナルがMTBにまつわる素朴な疑問に答えていく本コーナー。今回は「MTBに乗るならフラットペダルとビンディングペダル、どちらがいいのでしょうか?」という質問にプロライダーの井手川直樹氏が答えていきます。
皆さん、こんにちは。プロマウンテンバイクライダーの井手川直樹(いでがわ なおき)です。今回は「ペダル」についてお話します。今回の質問にある「フラットペダル」と「ビンディングペダル」ってそもそも何? という方もいらっしゃると思いますので、そこから説明していきますね。
「フラットペダル」とは、通常みなさんが乗られているような一般的な自転車に多く使われているペダルの形状で、足を載せるところが平らなので「フラット」ペダルと呼ばれています。
ちなみに、競技用のフラットペダルはシューズとペダルが衝撃などで離れにくくなっていたり、滑り止め効果のためのピン(細めのネジ)が取り付けられるようになっていたりします。好みに合わせてピンの長さを調整することも可能です。自転車業界では通称「フラペ」と呼ばれています。
「ビンディングペダル」とは、専用シューズに専用パーツを取り付けることによって、シューズとペダルを固定できるペダルのことです。
固定方法や取り外し方法はそれぞれのメーカーごとに異なるのですが、僕が使用しているシマノ製のペダルでは、シューズに取り付けた専用パーツ(クリート)のつま先側を、ペダルの受け側の前方にひっかけてペダルを踏み込むと「カチッ」と音がしてシューズとペダルが固定されます。取り外す際は、かかとを左右どちらでも良いので外側にひねり、同じく「カチッ」と音がしたら取り外し完了です。スキーやスノーボードをされる方は、同じような仕組みだと思っていただければ分かりやすいかもしれません。
シマノのホームページにもビンディングペダルの仕組みやメリットが詳しく説明されていますので、ぜひチェックしてみてください。
では、MTBに乗る場合はどちらのペダルが良いの? ということですが、どちらにもメリット・デメリットがあります。ご自身がどの競技を行うのか、MTBで何をしたいのかに合わせて選ぶ必要があります。
これらの逆のことがそれぞれのデメリット、ということになります。
分かりやすく言うと、それぞれのペダルの大きなメリットは次のようになります。
・「フラットペダル=“踏ん張りやすい”」
・「ビンディングペダル=“ペダリングしやすい”」
僕の経験から見て、どの競技でどのペダルが使われることが多いかを書き出してみると以下のような感じになります。
・フラットペダルを使っている割合が多い競技
グラビティ系=ダウンヒル、フリーライド、ダートジャンプ、スラロームなどの踏ん張りが必要な競技
・ビンディングペダルを使っている割合が多い競技
エンデュランス系=クロスカントリー、耐久レース、エリミネーター、エンデューロなどのペダリングが必要な競技
それぞれのメリットに合った競技でペダルが選ばれていることが分かると思います。とはいえ、自分の走り方や好みに合わせて選択することが最も重要です。
ちなみに僕は幼い頃からビンディングペダルを使ってクロスカントリーやダウンヒルなどを行ってきたので、基本的には今も常にビンディングペダルを使用しています。フラットペダルを使って走ることが少ないので、たまに慣れないフラットペダルを使うと上手く走ることができません(笑)。
まずはそれぞれのメリットをふまえて、自分のMTBの乗り方ではどちらのペダルが良いか考えてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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