2020.10.13
マウンテンバイク(MTB)のプロフェッショナルがMTBにまつわる素朴な疑問に答えます。今回は「走っているとチェーンがよく外れるのですが原因は? 対策は?」という質問についてです。プロライダーの品川真寛氏が、5つの確認ごとを通して、チェーンが落ちやすい理由と対策をお伝えします。(Photo & Text by Koichiro Nakamura)
悪路を走るMTB。路面からの振動は大きいものですが、そんな状況でもチェーンは落ちにくくできています。リアディレーラーがチェーンを引っ張るテンション(張力)が強いから、というのも理由の一つ。最近では、前側のギヤがチェーンの外れにくい形をした、ギヤ1枚の「1x」(ワンバイ)と呼ばれるものもあります。
本来、チェーンは落ちにくいはずなのに、なんだか最近よくチェーンが落ちてしまう。そう感じたときには、確認して欲しいことが5つあります。
まず最初に確認したいのが、変速の調整が適正かどうかです。フロントディレーラーの取り付け角度がずれていると、変速時にショックが大きくチェーンが内側に落ちやすくなります。おかしいと思ったら、まずは頼れるメカニックに調整してもらってください。
スポーツ自転車では、チェーンは消耗品と言われます。使用していくうちに少しずつチェーンのリンク部分がすり減って、実際に伸びてしまい、変速の精度が低下します。
チェーンが摩耗していると、変速調整は適切なのに、実際に乗るとトルクがかかって変速がずれギヤも飛んでしまったりもします。過酷なMTBではチェーンの消耗も早く、特に泥のレース後は必ずチェーンを変えるトップレーサーもいるそうです。
チェーンだけではなく、ギヤの刃先がすり減って、尖ってしまった場合も注意。摩耗しており、こちらも変速性能を低下させる原因となります。
チェーン自体が曲がっていることもあります。チェーンは金属でできていますが、無理な力がかかったりすると、ねじ曲がったりもします。正しく調整してもおかしな音がしたり、おかしな動きをする箇所があったら、チェーン落ちの原因となります。目で確認できる変形ならすぐさまチェーンを交換してください。チェーンが切れることもあり危険です。
マウンテンバイクのギヤ群は路面からの衝撃が大きいと、チェーンが跳ねて、外れやすくなります。また、変速しきらないうちに逆回転すると、チェーンジャム(チェーンの絡み)が起こり、落ちたり固まったりすることがあります。上り坂なら上る手前に変速を終えるなど、衝撃の少ないタイミングで変速しましょう。
前側のギヤが2枚以上あるフロント変速モデルは、前側のギヤが小さく軽いギヤに入っていると、チェーンを張る力(テンション)が弱まり、チェーンは落ちやすくなります。日常的に前側は大きいギヤをメインに使うと、ギヤは外れにくくなります。小さいギヤは上り主体のルートで使うなど、上り用のギヤだと考えるのがいいでしょう。
とにかく、おかしいと思ったら、まずお店で点検してもらいましょう。変速周りはワイヤーやチェーンなど消耗するものが多くあります。こまめな確認と調整が一番コストがかかりません。
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