2020.10.23
マウンテンバイク(MTB)のプロフェッショナルがMTBにまつわる素朴な疑問に答える本コーナー。泥の中でも走れるからこそ楽しいMTBですが、その分メンテナンスも日々必要です。今回は「MTBのチェーン交換の目安は?」という質問ついてプロライダーの品川真寛さんが答えます。(Photo & Text by Koichiro Nakamura)
ロードバイクの世界ではよく、チェーンの交換は3000kmごとにと言われます。しかし、MTBにはこれがあてはまりません。土や泥、時には砂の上も走るMTBはチェーンの摩耗が激しいからです。レースをする人だと「雨の日にレースに出ると一発で終わってしまう」と言う人もいます。
そのため、チェーンの交換は距離ではなく、期間で考えるといいかもしれません。多く乗る人なら、3カ月に1度を目安に、消耗具合のチェックをしておきましょう。そうでない人でも半年に一度はお店で点検してもらえば、トラブルは未然に防げると思います。
チェーンの伸び具合を目視でチェックできる方法があります。チェーンを一番大きなギヤにかけて、ペダルに体重を乗せてグッと押し込むと、伸びているチェーンはギヤとズレるような動きをすることがあります。動いてしまうようなら交換です。
チェーンに加えて、チェーンリングやプーリーなど、駆動系部品の摩耗具合についてもチェックしておきたいところです。プーリーやチェーンリングなどの摩耗が進むと、チェーンだけを交換しても歯飛びしてしまう可能性があります。そうなると、駆動系の部品一式すべてを交換することになってしまうこともあります。明確な交換の目安は伝えにくいので、使用状態から判断することとなります。
チェーン切れが近々起きるかもしれない予兆があります。変速調整が正しいのにどこからか異音がする、チェーンを掃除してオイルを挿したのに音が出る、といったケースが多く見受けられます。異音がしたら、まずはお店で点検してもらうのが安心です。
このほか、フロントギヤがインナーからアウターに外れる、といった症状が増えてきてもそのまま使い続けると、突然のチェーン切れにつながります。力強く踏むと歯飛びする、というのはかなり重症です。
基本的にチェーンは錆びさせないようにしたいところです。一度、錆びると、元の性能には戻らないと考えてください。多少のサビがでていても、チェーンのリンクがしっかりと動くレベルなら、表面のサビを拭いて、オイルをたっぷりとつけ、その後もこまめにチェーンオイルを挿し続ければ使えますが、元の性能には戻りません。
日頃のメンテナンスでは、「汚れをしっかり落として注油する」ことです。ホコリっぽいところで乗ると、ホコリがチェーンオイルに付着してしまうので、乗車後に、チェーンを拭いたり洗ったりしてから、オイルを挿してください。
注油の際のポイントはしっかりとホコリを取り除いておくことです。きちんと取り除かないと、チェーンのリンクの中にオイルが浸透する前に、ホコリが油を吸いこんでしまうことになります。
なお、水洗いをする場合は、汚れを落としてしっかりと水気を拭き取ってから注油するようにしましょう。
走った後は清掃して注油、これを心がけてください。
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