2020.12.8
最近はパーツの性能が上がったので件数は少なくなりましたが、それでもたまにMTB(マウンテンバイク)のチェーンは切れます。切れるといってもすぱりとナイフで切れるわけではなく、チェーンを作り上げるリンクのコマが、変形してつなぐピンが外れてしまうことを言います。チェーンが切れないよう走るコツとメンテナンスを、プロライダーの品川真寛さんがお伝えします。(Photo & Text by Koichiro Nakamura)
MTBのチェーンは切れることがあります。きつい上り坂で力をかけたときに切れるのが代表的です。ペダルに大きく力が掛かるときにチェーンがねじれるような方向に変速すると切れやすいようです。MTBレースでは大きな力がかかるスタートで切れてしまうこともあります。
チェーンがねじれる方向というのは、上から見ると、たすき掛けのようになっている使い方ということです。前ギヤが1番外側に、後ろギヤが内側にというようなギヤの組み合わせは、横方向の力がかかりやすく負担も上がります。チェーンが傷んでいたら、切れる要因にもなります。
ちなみに、チェーン関連のトラブルとしてですが、トレイルを走っていると、チェーンに何かがからむケースがよくあります。駆動系に異物(主に木の枝)が入ったと感じたら、すぐ止まって取り除くことを徹底しましょう。異物は走っているうちに勝手に落ちると思いがちですが、そうしたことはほとんどありません。
常にまずチェーンが傷んでいないことを確認してください。オイルを適切に差して使うことから始めましょう。
走るときに気にしたいのは、変速は上り坂に入る前に行っておくことです。坂を上っている時の変速は、とてもチェーンに大きな負担をかけます。変速は力をかけず回しながら行います。坂を上る前の路面の安定したところで、先読みして変速しておきましょう。
変速レバーの操作をした直後に、ペダルを踏む力を少し抜いてあげると、スムーズにギヤが変わるのでいいですね。また完全にギヤが変わるまではペダルの逆回しをしないことです。特にフロントの変速は、変速が終わらないうちに足を止めると落ちやすくなります。
前ギヤが2枚以上ある方は、たすき掛けになるような組み合わせは避けてください。つまり、フロントギヤをアウター(外側)にして、リアをロー(内側)にする「アウターロー」、フロントギヤをインナー(内側)にして、リアをトップ(外側)にする「インナートップ」はやめましょう。思わぬトラブルにつながります。できればフロントギヤを大きめか真ん中に入れて、同じギヤ比を作ってください。
上級グレードのチェーンの使用は、コストパフォーマンスを考えても賢いと思います。基本的にチェーンは、上級グレードほど錆びにくくなる傾向があります。濡れても、そのまま放置していなければ錆びにくいです。また、高負荷に強く、結果的に長く使えます。変速する感じは確実に上級グレードのチェーンの方がいいです。
なお、チェーンが切れてしまった場合は、チェーンのブランドとモデル、ギヤ数に合った工具やコネクターを使って応急処置をします。つなぎ方がわからなくても、仲間に頼る方法があるので、とりあえず持っておくのがいいですね。お店にはだいたい置いてあります。購入するときは小さくて見つかりにくいこともあるので、まずお店の人に聞くのが一番です。
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