2019.10.15
今年で24回目となる「アキグリーンカップフェスティバル」が、8月24、25日に白馬岩岳MTB PARKで開催された。今年は「自転車で遊ぼう」をテーマに、15ものレース/ツーリングイベントが組まれ、3歳から60歳代までが夏休み最後のMTBイベントを楽しんだ。(Photo & Text by Hideyuki Suzuki)
白馬岩岳で3回目の開催となったアキグリーンカップフェスティバルの最大の特徴は「ファミリーで楽しめるMTBイベント」であること。レース種目はもちろんのこと、ツーリングや、地元ならではのグルメが楽しめるケータリングエリアなど、2日間、退屈することがないスケジュールになっている。
今年も、小学1年生から参加できるキッズXCレースだけでなく、家族兄弟で出場できる耐久レースに加え、3歳から5歳児が参加できるストライダーイベントと充実。今年は、ゲレンデの地形を生かしたダウンヒルに加え、新たにデュアルスラロームも開催された。
初日は小学生によるデュアルスラロームでキックオフ。旗門が設置された赤と青のコースを交互に走ってタイムを競うこの競技は、バイクコントロールを身につけるのに最適と言われている。
そして午前11時30分、5時間耐久がスタート。今回から2時間耐久とともにe-MTBクラスが新設され、アップダウンに富む岩岳のXCコースを、バッテリー交換1回のみという制約の中で、どう攻略するかが注目された。
メインゲレンデで熱い戦いが繰り広げられる中、ダウンヒルコースでは「逃げ切りダウンヒル」の予選がスタート。日本では珍しいマスドダウンヒルに加え、井手川直樹選手、永田隼也選手と2人の全日本チャンピオン経験者を擁するKONA RACING TEAMが後方から追ってくるというフォーマットのため、少しでも前方のスタート位置を確保しようと、参加者は本気でタイムアタックしていた。迎えた決勝では、辛うじて2人だけが、永田選手と秋元拓海選手に抜かれることなくフィニッシュできた。
一方、レースと並んで近年人気を呼んでいるのがツーリングイベント。白馬エリアを知り尽くしたガイドと一緒に、絶景ポイントや人気のカフェを巡るツアーが用意されている。中でも初開催となったのが、サイクルベースあさひが用意したe-MTBでいく「白馬絶景E-スポーツバイクツーリング」。初日がオフロード、2日目がオンロード主体で開催されたが、電動アシストMTBでとっておきのビューポイントを巡るツアーは、体力に自信のない女性でも安心して参加できるとあって、2日とも満員御礼。
そしてその対極とも言えるのが、白馬をこよなく愛するラリーストの三橋淳さんによる「トレイルガイドツアー」。ダカールラリーに2輪と4輪で出場。クラス優勝5回という三橋さんが、白馬村周辺を走り回って見つけたルートをガイドしてくれるのだが、お天気や参加者のレベルによってルートが変わるというアドベンチャー要素満点のツアーとしてリピーターを獲得しているほど。今回も「ちょっとだけ刺激的なゆるふわツアー」と銘打ち、初日と2日目でルートを大きく変えての約3時間のツアーとなった。
こうして午後4時30分に5時間耐久のフィニッシュを迎え、初日の表彰式となったわけだが、その後にサプライズイベントが用意されていた。
例年、2日目の最終イベントとして行なわれてきたジャンケン大会を、初日にも開催。協賛各社からの提供商品に加え、ルイガノの完成車、さらにはコナのカーボンフレームまでが登場。途中から雨が降ってきたものの、最後まで熱い“戦い”が繰り広げられた。
2日目も朝から好天に恵まれ、午前7時30分からクロスカントリーコースがオープン。アキグリーンカップは、小中学生が手軽に参加できるMTBイベントがほとんどなかった時代から、彼らのためのレースを開催。その中から、沢田時(XCO)や清水一輝(DHI)といった日本を代表するMTBレーサーたちが誕生していることは意外に知られていない。また岩岳のMTBコース復活以前から活動していた白馬マウンテンバイククラブの子供たちや、地元の高校生が積極的に参加していることも、この大会の特徴と言える。
中学生たちがゴールする頃にスタートした「永田隼也の2ステージ・アドベンチャーダウンヒル」も、この大会ならではの種目。国内外の公式戦をはじめ、多くの大会が1本の決勝ランで勝敗を決めるのに対し、このレースはアルプスコースとカミカゼコースそれぞれを走り、合計タイムで勝敗を競う。金曜まで降った雨でウエットだったシングルトラックもコンディションが回復。参加者は、岩岳ならではのハイスピードコースとフロー感満点のコースを堪能できたという。
メイン会場に戻ると、お昼の12時30分にXC最終種目の2時間耐久レースが始まった。ソロから最大5人が出場できるファミリークラスまで61チームが一斉にスタート。こちらもe-MTBクラスに7チームがエントリー。前日もソロで5時間走り切った多田尚史選手(メリダ)に加え、パナソニックがファクトリー体制で3人参戦。ヤマハも2台出場と、序盤からレースを面白いものにした。
全ての競技が無事終了。表彰式からジャンケン大会と、最後まで盛り上がった今大会。来年はオリンピックということもあり、開催日程が大きく変わる可能性があるそうだが、その先を見据えて、より楽しい企画となるようだ。
(Cyclistより転載)
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