2021.2.2
2020年12月5日と6日にかけて、埼玉県さいたま市の秋ヶ瀬公園でオフロードの自転車イベント「バイクロア」が開催されました。イベントでは仮装をして自転車レースを楽しむ参加者、自前のキャンプグッズを広げて観戦を楽しむ参加者の姿が多く見られました。(文/写真・石川海璃)
バイクロアは2011年に埼玉県さいたま市の秋ヶ瀬公園で誕生。2020年で開催10周年を迎えたイベントです。
今回の「バイクロア」は新型コロナウイルス感染症の対策として、厚生労働省が提供している新型コロナウイルス接触確認アプリケーション「COCOA(ココア)」のインストール、会場入り口での検温やアルコール消毒、イベント来場者のレース中以外でのマスク着用などを実施。「バイクロア」誕生の地、秋ヶ瀬公園内に設けられた1周約2kmの特設オフロードコースで、自転車レースを中心にイベントが行われました。
レースは秋と冬に盛んなオフロードの自転車競技・シクロクロスがベース。レースというと競技用の自転車で走るイメージを持つ人が多いかもしれませんが、「バイクロア」は参加するカテゴリーによって、自転車の車種に制限がないのが特徴です。街中でよく見かけるような軽快車(シティサイクル)はもちろん、さまざまなスポーツバイクで参加できます。
例えばデニムクラスは車種不問。しかし「デニム生地の衣服を着用しなければならない」というユニークなルールが設けられています。カーゴバイクレースもユニークです。通常のレースであれば誰よりも早くゴールした人が1位ですが、このカテゴリーでは運んだ荷物の量も順位を左右します。
参加者によっては自転車で走るときの格好も趣向が凝らされています。特に年齢・性別・車種・衣服不問で速さを競うオウルクラスは、大半の参加者がゲームのキャラクターだったり、着ぐるみを着ていて、むしろ速さよりも仮装を競い合うのがメインなのではないか、と疑いたくなるような光景が広がっています。
自転車レースの内容が分からないような小さな子どもたちもレースの内容が分からないなりに楽しんでいたようで、人気アニメのキャラクターや着ぐるみの格好をした参加者が目の前を通るたび、「〇〇がんばれ! 〇〇がんばれ!」と声援を送っていました。
「バイクロア」は自転車レースのほかにも楽しめる要素があります。キャンプ、そしてブースの出展です。今回は夜間の12時間耐久のレース「ARAKAWA12(アラカワ12)」が行われたため、通常であれば夜間出入り禁止の秋ヶ瀬公園内で特別にキャンプ泊も可能に。コースのすぐ脇や会場の奥には参加者のテントが並び、それぞれこだわりのキャンプスタイルでテントやタープを広げていました。
キャンプした人に話を聞くと「夜はとても冷えて寒かったけど、普段は入れない場所でキャンプするのは楽しい」と話してくれました。
そしてブースの出展。会場奥にバイクロアマーケットと呼ばれる出展ブースがあります。イベントに自転車メーカーのブースが立ち並ぶ光景は見慣れたものですが、バイクロアは自転車メーカー、アウトドア、アパレル、飲食店などさまざまなジャンルでブースが構成されていました。
特に自転車メーカーブースはロードバイクにマウンテンバイク(MTB)、シクロクロスバイクにグラベルロード、そしてシングルスピードなど、用途も目的も違う車種を沢山見られて心が躍ります。
参加者の格好や乗る自転車は千差万別で、レースは本格的な競技というよりは走って、見て、楽しんだもの勝ちの雰囲気すら感じられるバイクロア。レースは敷居が高いと感じている人もこのイベントなら十分楽しめるはず。次回開催は未定ですが、オフロードのレースを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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