2024.9.17
各地のスキー場がグリーンシーズンのアクティビティとして取り入れ始めていることでも、近年注目を集めているマウンテンバイク(MTB)。「MTBパーク」と呼ばれる専用のトレイルが整備されたフィールドも全国で広がりを見せるなか、「MTBに乗ってみたい!」と気になり始めている方も多いのではないでしょうか? 連載『マウンテンバイクの始め方』では、そんな方々が一歩踏み出せるよう、専門家がMTBをめぐる最新の“いろは”を解説。第1回は「MTBとは?」をテーマに、自転車としての特徴や遊び方のおおまかなイメージをお伝えします。
MTBとは、一般的な舗装路ではなく主に山道やトレイルといったオフロードでの走行を目的とした自転車の一種です。頑丈なフレームに幅広のタイヤ、強力なサスペンション、ディスクブレーキなど、荒れた地形でも安定した走行が可能な特徴を持っています。
MTBの歴史は、20世紀後半にアメリカで始まりました。日本国内においては1990年代に普及が進み、2000年代に入ると一部の熱心な愛好者や競技者だけではなく、スポーツとして幅広い層に受け入れられるように。現在ではスポーツやレクリエーションとしてだけでなく、自然保護活動を行うツールや地域活性化の手段としても注目されています。
普段、軽快車やロードバイク等で舗装路を走行している感覚からすると、「自転車でオフロードを走ったらバランスを崩して転倒してしまうのでは…」と不安が先行するかもしれません。でも大丈夫です! MTBのしっかりしたフレームと幅広のハンドルバーは路面の凸凹に対応し、ブロックパターンのタイヤは不整地でも確実にグリップして速度をコントロールすることができます。
そのため、その自由なライン取りや浮遊感、山の中で木々の間を抜けていく爽快感など、舗装路では決して味わえないフィーリングと非日常感を楽しむことができます。
MTBには多くの種類があります。これについてはまた別の回で詳しく紹介しますが、MTBパークの場合、下りのライディングを楽しむコース設定になっていることが多く、上りはゴンドラやリフトを利用するパークもあります。そのようなパークで遊ぶ場合は、前後にサスペンションが装備されたオールマウンテン系の「トレイルバイク」を用意すると快適に楽しめるでしょう。
MTBをはじめようと思った場合、最も気軽に体験できるのは全国各地にあるMTB専用に整備されたMTBパークに行ってみることでしょう。これらの施設では、安全にMTBを楽しむことができ、初心者から上級者まで対応したコースが用意されています。
レンタル装備が充実している施設も多く、まったく初めてでも現地に行ってからすべてを揃えることができます。まずはwebサイトなどで楽しそうなパークを探して行ってみましょう。
参考記事⇒「全国のMTBフィールド一覧」
日本の自然環境は豊かでMTBに適した場所が多い一方で、MTBの利用者と土地所有者や地域住民との間でトラブルが発生することがあります。これによってトレイルの閉鎖や立ち入り制限が行われることがあり、MTB愛好者にとって大きな課題となっています。
MTBで遊ぶ経験が増えていくと、走行可能なトレイルを知る機会もあると思いますが、最初のステップとして、まずは管理されたMTBパークに遊びにいくことを推奨します。
また、MTBが走行することで路面が削られ、トレイルが荒れてしまう原因となります。雨で路面が濡れている時はトレイル保護の観点から、コースクローズする施設が多いことも覚えておきましょう。
株式会社SLm代表取締役。主にMTBを撮影する写真家。国内に限らず、世界選手権大会、ワールドカップなど数々のMTBレースを撮影。日本全国を転戦するMTBレース「DOWNHILL SERIES」を主催。全日本マウンテンバイク選手権大会(ダウンヒル)の大会オーガナイザーを務める。
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