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マウンテンバイクの始め方<2>

How to ride and enjoy マウンテンバイクの始め方

マウンテンバイクはどこでどう遊ぶ?
マウンテンバイクの始め方<2>

 マウンテンバイク(MTB)に興味はあるけれど、実際どこでどうやって遊べばいいのだろう?最初は誰だってそう思いますよね。遊び方は多種多様で、ファンライドから競技、走るフィールドの地形や好みのライディングスタイルなどによってさまざまな楽しみ方がある、実はとても深い世界なのです。今回は日々進化するMTBの遊び方をご紹介します。あなたにぴったりの遊び方を見つけてください。

Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
この記事の内容

①バイクパークに乗りに行こう

 初心者から上級者まで安全にライディングを楽しめる特設のMTB専用コースやバイクパークが全国に増えています。

 このような施設ではMTBのレンタルだけではなく、プロテクターやヘルメットを借りることができ、それらのフィッティングなどのアドバイスも受けられます。まだMTBを持っていなかったとしても本格的なMTBライディングの体験ができます。施設によってはMTBスクールなども開催しており、レベルに応じて安心確実にスキルアップを目指すことができます。

 バイクパークの魅力はなんといってもMTB専用コースが用意されていることでしょう。一般の車両や登山者の通行を気にする必要がなく、安心してMTBを楽しむことができます。

②トレイルライドへ行く

 山や丘などの自然の地形を楽しみながら走るスタイルで、競技の世界とは対局にあり、リラックスして自然と一体になることを目的としています。ベテランのマウンテンバイカーにはトレイルライドの愛好家が大勢いますが、MTBに適したトレイルを探して走るにはルートの情報や、その地域ならではのローカルルールを知る必要があります。ただ、これらの情報はインターネット上で簡単に手に入るものではありません。

西伊豆の歴史ある古道を再生させたMTBツアー「YAMABUSHI TRAIL TOUR」 写真提供:YAMABUSHI TRAIL TOUR

 では、その入り口はどこにあるのか? トレイルコミュニティのハブとなっているのは主にその地域のプロショップです。何も知らずにトレイルらしきルートを独自に目指すのはあまり良い方法とは言えません。

 バイクの購入や日頃のメンテナンスなどで馴染みのショップをもっておくと、自然と近所のトレイルに走りに行くチャンスに恵まれる日が来るでしょう。

③「パンプトラック」や「ダートジャンプ」で遊ぶ

 ジャンプやトリックを楽しむことを目的としたスタイルで、土製のジャンプ台(ダートジャンプ)やバーム(カーブした土のバンク)などが設置されたコースを使います。

人工的に作られた凹凸のコブがある波打つ「パンプトラック」

 パンプトラックとは、コースの起伏で身体の重心を調整して推進力を得るトラックのこと。「プッシュ&プル」(加重と抜重)と言われる基本的なスキルを駆使してペダリングをしなくてもバイクを前に進めることができ、独特の加速感を楽しむことができます。

④パークライド

 スケートパークや特設のバイクパークでライディングするスタイルで、ジャンプ、バンク、レール、ボウルなどの人工セクションでトリックを行います。BMXに似た動きをすることも多く、バイクはダートジャンプ用に近い設計です。

⑤バイクパッキングで旅に出よう

 キャンプや長距離ライドを楽しむスタイルで、必要な装備をバイクに積み込んで走ります。ロードバイクよりもオフロードに適したMTBを使うことで、山道や未舗装の道でも走破できるため、旅の自由度は格段に上がるでしょう。キャリア用のダボが装備されたフレームやフォークを選べば、よりパッキングの幅が広がります。

⑥雪上でも走行可能なファットバイク

 極端に太いタイヤを装備したファットバイクは、特に雪道や砂地などの不安定な路面でもライドを楽しむことができます。通常のMTBでは走れないような場所でも、太いタイヤが高いトラクションを生むため、安定して走行できます。

北海道などの雪深い地域ではファットバイクは冬の乗り物であり、レース機材として使用されるなど広く普及しています Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 この他に競技種目として「クロスカントリー」や「ダウンヒル」、「エンデューロ」といった楽しみ方もありますが、レースについてはまた別の回でご紹介します。

必要な装備と準備

 MTBを楽しむ際には、安全のためのヘルメット、グローブ、プロテクター(膝や肘、胸部)などの装備が重要です。また、パンク修理キット、予備のチューブ、水分補給のためのボトルやハイドレーションパックも用意しておくと安心です。こちらに関しても別の回で詳しく解説します。

 それぞれのスタイルに合った遊び方やバイクの選び方がありますが、まずは興味のあるスタイルをイメージしたり、試してみることをおすすめします。そして経験を積む中で、自分の好みやスキルに合わせて最適なバイクとスタイルを見つけると良いでしょう。

文: 中川裕之(なかがわ・ひろゆき)

株式会社SLm代表取締役。主にMTBを撮影する写真家。国内に限らず、世界選手権大会、ワールドカップなど数々のMTBレースを撮影。日本全国を転戦するMTBレース「DOWNHILL SERIES」を主催。全日本マウンテンバイク選手権大会(ダウンヒル)の大会オーガナイザーを務める。

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