2025.1.17
マウンテンバイク(MTB)に乗ってライドをするとなった場合、どのような格好をして、何を持っていけばいいのでしょうか? 街乗りやロードバイクで使っているヘルメットでOK?ロードバイクのようにサイクルジャージやレーシングパンツ(レーパン)は着た方が良い? 今回はMTBのライドにおける装備と必需品、あると便利なグッズを紹介します。
クロスカントリー系のヘルメットは多くのメーカーからMTB用としてラインナップされており、一般的に「半キャップ」と呼ばれるタイプです。このタイプは軽量で通気性が高く、広い視界を確保できます。
ロードバイク用のヘルメットに対して、バイザーがついているのが特徴で、木の枝や巻き上げた砂塵などの影響を受けにくくなっています。山でのトレイルライドや市街地走行など、MTBライディングの多くの場合でこのタイプを選んでおけば間違いありません。価格帯も幅広く、カジュアルなスタイルにも合わせやすくなっています。カバー範囲は頭頂部と側頭部が中心となり、後頭部やあご部分は覆われていません。
ダウンヒル系ではフルフェイスヘルメットの装着が推奨されます。半キャップと比較して後頭部と顔面のほぼすべてを覆う構造は何よりも安心感があります。
視界が狭くなる、商品の選択肢が限られる、トレイルで登山者などと会った場合に、その見た目から威圧感を与える可能性があります。
パークやトレイル、MTBコースでライディングすれば、ちょっとした転倒はつきものだ、とすぐに気づくと思います。コースの難易度や走行スピード、ご自身のスキルに関わらず、これは避けて通れません。スケートボードやインラインスケートで遊ぶ時にプロテクターを装置するのと感覚的には近いものがあります。
もし、転倒した場合でも、適切にプロテクターを装着していれば、多くの場合怪我に至ることはありません。また、ライディングスキルが上がった人たちもプロテクターだけは手放しません。
「最初だから、ゆっくり走るからいらないのでは?」とは考えず、最初だからこそしっかり装着することをお勧めします。
速乾性素材で動きやすいシャツとショーツを選びましょう。クロカン系ライドや、自走で長距離走行となるなら、ロードバイクで着用するサイクルジャージでももちろん大丈夫です。MTBパークではもう少しルーズで、ラフな格好が好まれています。ご自身のスタイルで楽しみましょう。
もちろんMTBライディング専用のウェアもあります。背中にポケットが付いたり、常に曲がっている脚にあわせたカットとなっていたり、より快適にライドできるような作りになっています。
ロングライドなど、乗車時間が長くなる場合はパッド付きのショーツを選んだ方がベターです。また、山の中を走るトレイルライドでは長袖、長ズボンで肌の露出を避けると思わぬ怪我を回避できます。
フラットペダルならば、グリップ力の高いソールのシューズを選びましょう。もちろんMTB用に発売されているものもたくさんあります。それら専用品の多くはフラットで硬めのソールとなっています。
最初は普段から履いているスニーカーや軽登山靴でも大丈夫ですが、ソールが凸凹形状の場合フラットペダルだと不安定に感じるかもしれません。必要に応じて専用品を選んでみましょう。足を固定するビンディングペダルを使う場合も、MTB用のシューズがたくさん販売されています。山を歩く時間が多い人用にグリップの高いソールを使った物、カジュアルに街でも使える物、レース用の物などがあります。
天候の変化しやすい山ではウインドブレーカーやレインジャケットは必須です。自走で山にアプローチするなど、行程が長い場合は必ず用意しておきましょう。逆に自家用車でアクセスするようなMTBパークの場合、ベースエリアに休憩施設などがありますので、余計な物はできるだけ持たずに快適にライドして、必要に応じて着用すればいいでしょう。
自宅から自走でトレイルへ向かうなど、ロングライドの場合はご自身のバイクに必要な最低限のサイズが含まれたマルチツールを持っていきましょう。4、5、6ミリの六角レンチ、プラス、マイナスドライバー程度が標準になります。
自転車専用のマルチツールでは、チェーンカッターやトルクスレンチが含まれたものもあります。自分のバイクに使用されている主要なネジのタイプ、サイズを把握して用意しましょう。
CO2インフレーターやパンク補修キットも携帯用を揃えておきましょう。逆に、MTBパークで遊ぶ場合はこれらの工具はできるだけ持たないようにしましょう。パークでトラブルがあった場合は、バイクから下車して押して下山し自家用車などに戻ってから補修します。
ロングライドの場合はハイドレーションパックを活用したり、ボトルを携行するなど十分な水分を確保しておきましょう。エネルギーバーやジェルなど、簡単に摂取できる軽量な補給食も有効です。MTBパークで遊ぶ場合は、現地のレストランやカフェを活用して適宜休憩がとれるので、補給に関して心配する必要はありません。
ルート確認や現在地確認には、GPSデバイスやアプリを活用すると便利です。
ライト、ベル: 早朝や夕方、トレイルへのアプローチなどで一般道を走行する場合に必須となります。逆にMTBパークなどでは落下する恐れがあるのでライトやベルは外してコースに入るのがマナーとなります。
バックパック: ロングライド時の補給品や工具、着替えなどを収納するため用意します。ライド姿勢を考慮したMTB専用のバックパックもあります。
◇
ライディングスタイルや地形、遊ぶ場所、移動手段が自走か自家用車かによって必要な装備は異なりますが、安全性と快適性を最優先に準備することが重要です。プロテクター関係の充実は気持ちにもゆとりができ、結果的に楽しく継続してライドという趣味を長く楽しめます。少しずつお気に入りの装備を揃えていくのも、MTBの楽しみです。ご自身のスタイルを考えながら、次の週末はショップを巡ってみてはいかがでしょうか。
株式会社SLm代表取締役。主にMTBを撮影する写真家。国内に限らず、世界選手権大会、ワールドカップなど数々のMTBレースを撮影。日本全国を転戦するMTBレース「DOWNHILL SERIES」を主催。全日本マウンテンバイク選手権大会(ダウンヒル)の大会オーガナイザーを務める。
この人の記事一覧へ稲城から高尾まで 都内サイクリングの定番コース“尾根幹”と+αのルート
2018/10/30
2017/08/29
ヒルクライムで好成績を出すのに、どんなトレーニングをしたらいいですか?
2018/02/23
2025/01/08