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マウンテンバイクの始め方<6>

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マウンテンバイクの保管場所、どうしてる?
マウンテンバイクの始め方<6>

 マウンテンバイク(MTB)を所有する上で、はじめに悩みどころとなるのはその保管場所ではないでしょうか。みなさんの生活環境に合うベストな保管方法とはいったいどのようなものでしょうか? 今回はそんなMTBを始める上での疑問をいくつかの実例と共に紹介していきます。

この記事の内容

「自転車部屋」を作る

 一戸建て、集合住宅に関わらず、自転車を置ける専用の部屋を確保できればベストです。マンションの場合はエレベーターに自転車を持ち込んで良いのか、事前に管理規約を確認しておきましょう。自転車を部屋に持ち込む前に、タイヤのゴムやチェーンオイルなどは床材を痛めますので最初に床をしっかりと養生することをおすすめします。ブルーシートのような簡易的な素材は数年持たずに破れてしまうかもしれません。はじめからクッションフロア材やパンチカーペットのような耐久性の高い素材を選べば、長期にわたって安心して使用できます。

 確保した自転車部屋のスペースに余裕があるなら、バイク用のスタンドは床置き型(後輪を保持するタイプ)がおすすめです。それ以外に、サドルやシートポストで保持するタイプのメンテナンススタンドがあれば、簡単な整備は自宅でできる環境になります。

 他にロードバイクや複数のバイクを置く必要がある場合、省スペース化のためのアイデアとしてスタンドを工夫してみましょう。床と天井に縦パイプを突っ張るタイプのスタンドやフック型でホイールをかけるタイプのスタンドは縦のスペースを有効活用できるのでおすすめです。

玄関、ベランダの活用も

 「自転車専用の部屋は確保できない」となった場合でも、まだたくさんのアイデアが残っていますので諦めなくても大丈夫。多くのMTBユーザーが自転車を置く場所として活用しているのが玄関です。ホイールをハンガーにかけるタイプの縦置き型などは最小限のスペースでバイクを収納できる可能性があります。玄関に置くことができれば、廊下や室内に自転車を通さなくて済むので泥や砂汚れを気にすることもないでしょう。

 部屋や玄関に自転車を置くスペースがない場合、次の候補はベランダ、バルコニーとなります。屋外保管となってしまいますがバイクカバーを使う事でバイクを日光や風雨などから保護しつつ、生活スペースの邪魔になることもありません。

“自宅外”管理の選択肢

 自宅内やバルコニーに置けない場合は屋外に保管することになります。いたずらや盗難などのリスクからあまりおすすめはできませんが、一戸建ての場合は自家用車のガレージがあればその空きスペースを活用しましょう。マンションの場合は共用部の駐輪場を使う方法があります。盗難対策として前後ホイールとフレームをしっかりと経由する取り回しで太くて長いワイヤー錠を使い、できればもう一つ、U字ロックのような頑丈な鍵も併用して愛車を守りましょう。

 もう一つの選択肢として、自家用車の中に保管する方法があります。ハイエースやキャラバンのような4ナンバーの商用バンはMTBユーザーに大人気なのですが、その理由としてフィールドへの移動はもちろん、そのままMTBの保管庫として活用できる、というのも見逃せないポイントとなっています。

 ワンボックスやミニバンなどは間違いなく便利ですが、ホイールを外したり、ハンドルバーを外すなど、少しの手間をかけることで軽自動車などにも積載、保管できるケースはあります。フィールドへの移動に便利なマイカーを持っているなら、車内保管は選択肢の一つです。

 また、車庫やレンタルスペースを賃貸するという方法もあります。自家用車の保管と併せてシャッター付きのガレージなどを借り、そこにMTBを保管するのもよくあるケースです。

 実家に置く、というのもよく耳にする保管パターンです。遊びに行くフィールドにもよりますが、立ち寄れる範囲に実家があれば、普段はそこにMTBを保管しているユーザーも少なからずいるようです。

 レアケースとして、バイクの保管場所を提供しているショップがあります。遊ぶフィールドに近く、日常の保管場所に困っているユーザーには一つの選択肢かもしれません。

最適な保管場所を選ぶポイントまとめ

1. バイクを守れるか: 雨、日光、湿気、盗難などからバイクを保護できる場所を選ぶ
2. スペースを有効活用できるか: 狭い場所でもラックやスタンドで工夫する
3. 盗難リスクを軽減できるか: 屋外保管の場合はベランダや庭であっても必ず防犯対策をしましょう

 購入したMTBが長持ちして快適に使用できる保管方法を、それぞれの住環境に合わせて整えるヒントにしてみてください。

文: 中川裕之(なかがわ・ひろゆき)

株式会社SLm代表取締役。主にMTBを撮影する写真家。国内に限らず、世界選手権大会、ワールドカップなど数々のMTBレースを撮影。日本全国を転戦するMTBレース「DOWNHILL SERIES」を主催。全日本マウンテンバイク選手権大会(ダウンヒル)の大会オーガナイザーを務める。

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